にく 感想戦

これは以前書いた「にく」についてのコンセプトやらどういうところに気をつけて書いたかみたいなのを語ってみちゃったりしてる場です。
人が文章書く際にどういうところに注意を払うか、というのはあまり語られない気がするからまずは自分がやろうというのが目的です。
本編から読まないと何のことだかだと思います。
本編の出題編は こちら

まず、作意は「人は誰しも目に見えてる謎(密室だったりダイイングメッセージだったり)を追うもの。ならそこを外した所に真の謎を置けばどうなるか?」というものでした。
今回で言えば、ダイイングメッセージものと思わせて、本当のポイントは、何故ダイイングメッセージが残っていたか?とかの部分です。
そのためにやったことは、
・容疑者を二人に確定させること
→容疑者が三人以上になると、偽装=もう一方が犯人 の構図にならないからです。これはほぼ前提条件です。ミスリード要員を増やすことなど許されません。事件に関係ないと明言させた人物を登場させていますが。
・今回のはダイイングメッセージ一発ものですよというアピールを過剰とも言えるほどに施すこと
→実際、出題編の分量の3分の1~半分ぐらいはこれに費やされています。考えうるあらゆる点で二者に差がないことを説明させています。もっと要素を追加しても良かったかもしれませんし、あまりくどくなっても良くないかもしれません。
主にこの二点です。
ですが、いざこれだけで解いてもらうとそりゃ誰でもダイイングメッセージが示した人物を犯人と思うしかないわけで……
これでは、「ダイイングメッセージものとして出しておきながらダイイングメッセージの解釈自体は最早どうでもよく(私の用意した解釈以外で納得のいく解釈を用意されれば正解にするつもりでした)、いかに矛盾を突けるか?」という難易度的にあまりにもひどさを感じ、メッセージの中にも偽装だと気付くことができる可能性を残しました。解答編中ではこちらを先に言及させていますが、作意としては、これはあくまで一部、ついでのようなものです(作中でもそれを言及させています)。

「ゲームっぽくて~」というコメントを頂きました。
ゲームっぽい作りになっているとしたら、これの構想練ってる時に逆転裁判の動画を作業BGMにしていたせいだと思います。逆転裁判の基本である、「矛盾を見つけそこを突く」みたいなのがやってみたくなったんですよね。そこはもしかしたら上手くいってたのかもしれません。ただ、そんな矛盾つけるような構図になってないという……