派遣さんにヘルプデスクへ参加してもらう話2

派遣さんにヘルプデスクへ参加してもらう話1の続きです。

※この記事では「派遣会社の中抜き構造ガー」とか、派遣雇用についての賛否や、法律上と実情で食い違ってる部分があるとか、顔合わせってアレがコレで、みたいな議論的なところのお話はしません

スキルセットを組む前に「基本方針を作っておこう」

メニューに書くのを忘れてました。気まぐれだからね、仕方ないね。
A4半分くらいで良いので、ヘルプデスクの基本方針を作っておくと後の工程が楽になります。
基本方針ってなにかというと、大枠の組織設計みたいなもので、例えば

  1. ウチのヘルプデスクは何を一番大事にするのか

  2. その大事なことを守るためにどういった指標があるのか

  3. こういう方針でやっていきたい

の三本です。わぁ、サザエさんかな。
弊社ヘルプデスクだとこんな感じです。ゆるふわです。

1ウチのヘルプデスクは何を一番大事にするのか
→頼りにしてもらえるヘルプデスクであることを目指しています

2.その大事なことを守るためにどういった指標があるのか
→頼りになるヘルプデスクとは、質問や依頼に対して迅速に対応することが一番であると考えています。
 よって、依頼到着から3営業日以内に解決することを目指し、この達成率を指標とします。
 依頼が到着したらスタンプを押す、レスをするなどして受け付けたことを伝え、着手します。
 3営業日以内に解決できない場合でも、随時進捗を伝えるなどして相手が不安にならないようコミュニケーションをはかります

3こういう方針でやっていきたい
→自分だけで困ったことを抱え込まないでね。
 自分一人で3日考えてたことを共有したら、10分で解決できるかもしれないからね。
 ●分考えたり調べたりしてもわからなかったら、聞いてみよう!
 解決できたらナレッジ化しようね。


必要なスキルセットを組もう

前回のお金の話のところで、だいたいの月に出せる予算が決まってきましたか?決まってませんか。決まってなくても仕方ないですよね!とりあえず進みましょう。
派遣さんをお願いするにはスキルセットが必要です。

  1. 技術的なスキル

  2. 人間的なスキル

の2つから組み立てていきましょう。

1.技術的なスキル

ひとくちにヘルプデスクといっても、現場で求められる技術スキルや各技術スキルのレベルは様々です。
派遣会社にもよりますが、以前と変わりがなければActiveDirectory○年、Azure○年みたいなざっくりした経験年数で表向きの条件が設定されることが多い気がします。
ただ、ヘルプデスクの場合、AD4年経験あるけどやってたのはパスワードロック解除とパスワード初期化だけですとか、Boxは2年程度ですけど導入から携わってましたとか、年数とレベルの高さは必ずしも比例しません。
経験年数は目安くらいにして、レベルの高い低いを重視して決めていくと良いと思います。

じゃあレベルってどう決めるん?てなりますよね。派遣会社でヒアリングして決めてくれるところもありますが、弊社では使っているツールや使ってもらうツールごとに4段階のスキルレベルを設定した表を作りました。

例えば(たとえなので、必ずしもウチで使ってるツールではないです)

Google WorkSpace

  1. 個人でGmailを使ったことがある

  2. 会社でユーザとしてGoogle Workspaceの機能を使ったことがある

  3. GASでシステムを連携したり、自動化を行ったことがある

  4. 管理者としてアカウントやグループの作成、レポート機能等を使ったことがある

クラウドファイルシステム

  1. 共有リンクから資料を閲覧・DLしたことがある

  2. 会社でユーザとして利用したことがある

  3. 管理者として入退社の手続きや権限設定、トラブル対応を行ったことがある

  4. ファイルサーバからの移行に伴う導入設計に関わったことがある

Mac

  1. ユーザレベルで抵抗なくMacを扱い、業務をすすめることができる

  2. Macの機能について等、軽度の質問対応経験がある

  3. 起動しない・動作不調といったトラブル対応の経験・購入した状態からの各種設定の経験がある

  4. Jamfを組み合わせた、会社としての管理運用経験がある

のような感じです。
必ずしも4段階できれいに分かれるわけじゃないので、備考欄も作っておいてね。項目の優先度を記入する欄を作っておいてもいいと思います。

例えばで作るとこんな感じ。

ざっくりー

この一覧を元に「各ツールでどのくらいのレベルの子がほしいか」を決めていくとわかりやすいですし、後述の顔合わせの時に使ったり、派遣さんが複数名来た時にスキルレベルに応じた仕事をおまかせしやすくなります。

2.人間的なスキル

クソむずいけど大事。
派遣って技術スキルだけで現場選んでるわけでもなくて、「この職場に合う性格の子は…」ってコーディネートしてくれる派遣営業さんもいます。そういう営業さんは当たりです。そうじゃない派遣営業さんだったら距離おいたほうが良いと思います。しらんけど。
スキルがあればその現場へ問題なく就業できるわけじゃないです。職場なんて雇用形態がどうであろうが結局人間関係次第なので、現場の人と合わなかったらスキルの持ち腐れになったり、軋轢が生まれたりするわけです。対応ログ書け・ナレッジを共有しろって職場なのに「共有とかしゃらくせえ」みたいな人が来ても困るわけです。なので性格的な意味で「こういう人だとありがたい」を伝えられると良いと思います。
まずはざっくりでも良いので決めましょう。「ウチは問い合わせてくる人がこういう人なので…」「こういう業務できてほしいから…」みたいな理由もあるとベターだと思います。

例えばこんな感じ。

  • ウチの会社は営業さんが多くてITに関するリテラシは低い。そんな相手でも優しく対応できる朗らかな人だと良い

  • 今回必要としているのはPCリプレイスに伴う進捗管理と各種連絡・PC管理・リキッティング。大量の機材を物理的に管理することになるので、コミュニケーション能力はそこまで求めないけれども力仕事に抵抗がなく、仕事を予定通りにきっちりこなし、交換に来ない人へ遠慮なく催促できる人が良い

このへんまで進めると「求めてる人柄とスキル」がぼんやり輪郭を帯びてくるんじゃないでしょうか。やったね。
ただ、希望をもりもりに盛ったところで全てが叶う人が来てくれることは稀ですし、だいたい予算が足りません。なので各項目に優先度を付けて(技術スキル内・人間的スキル内だけでなく、技術と人間性どちらを優先させるのかも決めておいたほうが良いです)、後述の「派遣会社さんにお願いをしよう」で営業さんと話しながら妥協できるところを妥協していくのが良いかなーって思います。

その他

基本的なことも決めておいてね!だいたい派遣営業さんが「これが必要です」って言ってくれると思うけど、↓のようなやつです。

  1. 就業時間

  2. 就業場所

  3. 月あたりの残業時間

  4. リモートワーク有りなのか無しなのか

  5. 業務範囲

4は、リモート有りの場合は通信端末用意できるかも現場で事前に確認しておいたほうが良いです。弊社の場合は社用スマホ対応もヘルプデスクの範囲に入るので、派遣さんにも貸与してテザリング可能にしてます。
5の業務範囲は「ヘルプデスク業務全般」でざっくりでも良いのですが、有償修理やヘルプデスク業務を進めるにあたって物品を購入するといった稟議等の、いわゆる庶務業務も含む場合は明記しておきましょう。
あと、グループ会社の対応もお願いするわーなんてことがある場合はそれも書いておいたほうが無難です。グループ会社のサポートは業務範囲に入ってないのでできません(させてはいけません)、とかよくあるので。


え?ここまでやるんなら直接契約で人雇ったほうが良さそうだって?
直接契約はもっと大変だゾ★

また長くなっちゃったから続きはおいおい書きます。

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