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ベトナムでコンド(アパート)を買ってみた

こんにちは。今回はダナンでコンドミニアムを購入したときのあれこれのお話です。

ベトナム在住で何年かたちますが常に付いて回るのが住居の問題。 殆どの日本人がそうかと思いますがGとか虫が苦手😰
ベトナムは恐ろしい赤く腫れ上がる毒を持つファイアーアントなども居て油断ができません。またアレルギーもあるため割りと深刻ぎみに住居は重要です。デング熱のリスクもありネズミもたくさんいるので長期滞在では健康維持上、重要な要素になってきます。

観光地のダナンはコロナで安くなった家賃、一時は半額(2LDK 78m2で4万とか)も再び上がり始めました。ダナンはハノイ・ホーチミン市に比べると土地建物価格は安いですが外国人が住みたい条件を満たす建物はそう多くなく、良い部屋は奪い合いとなります。

ダナンにした理由

ベトナム3大都市の居住した感想スコアは私的にはこんなです。

この甘い採点で後に大変なことに(笑

人が密集して金額が高いハノイ・ホーチミン市のほうが投資リターンは大きいのではないかと思っています。特にハノイは昨年の粛清でホーチミン市の不動産暴落のあと権力がハノイに再び集中するムードがあり、投資では有望なのではないかと思っています。

住むとなると話は別で、ハノイ、ホーチミン市ともに大都市すぎて特に雨の日の渋滞はひどく、単に時間のロスだけではなくタクシーが捕まらなかったりストレスも大きいです。 衛生問題ではハノイは大気汚染AQIが160を超えて「有害」レベル)が深刻。野外での運動が制限される辛さと、常に曇った空で生活する精神面のストレスで健康問題があります。

ホーチミン市はそこまでひどくないですが、ベトナムNo.1の都市で900万人が古い下水などのインフラで生活していてネズミとGの運動会が毎夜開催されています。ダナンにももちろんいますが、ホーチミン市1区やハノイ旧市街は別格の物凄さがあります。

一方ダナンは発展著しくも観光地の側面があり、空港近くのソンチャ半島は自然保護区、北と西は山々があるので2大都市に比べはるかに自然豊かな土地となっています。

有名なゴールデンブリッジはダナン空港の西20kmの山にあります。

そんなわけで投資物件を購入し、将来あわよくばリタイア時に終の棲家という淡い夢を描いてダナンにしました。

皮算用

購入の理由は、ダナンには蚊の心配が少ないソコソコ背が高く管理が良いコンドが殆どありません。賃貸で良い物件に住むのはなかなかの難易度で半年待ちで以前住んだことがある良い目の管理の場所に戻ったくらいには、どこも厳しい住環境。今後新しく良い物件が建つにしても、管理が良いとも限らず、またダナン市は今後人口を倍増させることが国の方針で決められており、現在の100万人から200万人を目指しているため、良い目の物件の需要が急に落ち込む可能性は低そうです。

人口が1億に達し今の若い世代は子供を早くにもうける昭和中盤なベトナム、インフレは5〜6%でしばらく推移することを考えると購入した物件の値上がりは確実、ということで投資にはそこそこ良いのではないかと考え購入を決めました。

 すごく参考というか、驚いたのですが72を利回り%の数値で割ると資産が2倍になる期間がわかるそうです。住宅の場合は購入額の回収ということになるでしょう(あってる?)

ってことは?!(笑

非常に楽観的な計算では 1000万円で購入して当初は5~6万円で貸し出し、毎年の更新(ベトナムは1年契約)で6%インフレと需要を加味して値上げしていくとして、さらに家賃収入を定期預金(ベトナムは6〜8%もある)に預け入れると12年位で投資額が回収できる計算でした。これはGoogle sheets出やりましたが、上の72の法則だと一撃ですね。(笑
住宅の値上げは1年以上遅れて、になりますが売上を定期預金にする事である程度相殺されるようです。

もちろん、その間には修繕や空室期間が出ると思いますので13年か14年になる可能性もありますが、不動産価格はインフレに連動する事、日本のように経年で下がるよりも値上がりのほうが大きいのが後進国では一般的ですので、値上がり状況を見て10年弱で売却してもそれまでの家賃収入+αくらいはプラスになるかな?という皮算用でいます。
(※丸儲けになるわけではなく、ベトナムドンの価値はインフレで下がるのでそこまでプラスにはなりませんが)

ベトナムで買えるの?

ダナンで有名なミーケービーチ近くにある建設途中の建物。建設中に破綻し何年も放置されています。コロナや汚職撲滅キャンペーンで破綻した会社もあり、都市部にもたくさんあるようです。

社会主義であり外国人の土地所有禁止なベトナムですが、建物の一部を所有することは認められています。今回は集合住宅の1室なので問題ありません。

↓くわしくはこんな感じ。

物件探し:ベトナムならではの問題

購入時の問題は民間、政府それぞれ問題があります。どちらもベトナムであらゆる場面で出てくる共通の問題ですね。

民間の問題

まず前提として、法治国家でない、嘘をつくのが普通で詐欺だらけ、ということを知る必要があります。超安心安全な社会を実現した日本は忘れて、ゼロベースで読んでいただけるとありがたいです。

民間に関しては、エージェントを縛る法律(宅建)のようなものがなく嘘つき放題・騙し放題。(厳密にはむちゃすると罰せられる可能性はあるみたいですが法治国家ではないので警察は何もせず、通訳や弁護士費用など外国人には超高いハードルがあります)

習慣の違いでしょうか、ベトナムでは嘘をつくのは普通なのであらゆる場面で適当なことを言って自分の利益を追求します。(どうでも良いくだらない小さな利益でもそうです)
このため信用できる不動産業者・エージェントを見つけることは大切です。

特に不動産業はリピートサイクルが長いので日本でもこの問題、とりわけオフィスより住宅業者では昔から問題がありますが、ベトナムの場合は法律が守ってくれないので、外国人は泣き寝入りしかありません。

エージェントも情弱の可能背があり、情報を得るには自分で物件などをたくさん見て歩いたりネットなどで調べて様子を掴む必要があります。

恐ろしい青田買い問題

前述の青田買いした物件が開発頓挫、というのはベトナムでは本当に多く有名なビルではホーチミン市のサイゴン・ワン・タワー。高層ビルがⅩ年以上も躯体のまま野ざらしになっています。

下の記事は住宅プロジェクトが放置され無惨、という話題です。

完成前の物件を取得する場合、希望の階は方角の部屋が選べることだけでなく、完成後に買うより3割ほども安い場合があるそうで不動産投資でこれまで資産を増やしてきたそうなどが投資目的で買うことが多いようですが、リスクも大きいようです。

予算も少ないため、今回はローリスク・ローリターンな中古物件にチャレンジしました。

日本語で探さない

この時に注意したいのは英語やベトナム語でネットで調べること。日本語で日本人向けの賃貸サービスを見ても現地のリアルな相場感や実体は掴めません。間に入って商売したい人達が作っているので当たり前ですが。。。

新品だと、検索でこんなのがたくさん出てきます。新規物件は建てる前に青田売りするのですが、資金がなくなり頓挫してトラブルになるケースも多いといいます。

また中古や賃貸相場は↓のヤフオクみたいなサイトの住宅のところでリサーチも可能です。

ちなみに今回お世話になったエージェントさん(美人)は、今借りている賃貸のオーナーさんの知人。お借りしてるのは部屋数の多い大きな建物なので、分譲を買ったオーナーの奥さんたちが友達グループになっていて、その世話役?のような方を紹介してもらいました。

オーナーさん奥様グループとお茶。嫌われたらダナン湾に浮かぶかもしれません(笑)。 みなさんダナンの在住ではなく、あちこちに物件をお持ちだそうで。。

登記書(ピンクブック)問題

ベトナムの不動産登記はアナログかつお役人マター。ベトナムは土地を切り売りして政府の収入にしている、社会主義から自由経済への移行の途中といった状態で、土地は非常に重要な資源です。30年前はみんな貧乏な最貧国でしたが、現在では外資の流入でバブルもあり、コネなどで早くに土地を購入した人たちは大金持ちになっている人がたくさんいます。 政府筋に近いとか「中の人たち」は開発する場所の情報が先にわかるので、郊外の安い土地を先に買うことでとてつもない暴利を上げたりも珍しくないようです。(更にそれを逆手に取った詐欺も。)

そんな訳で土地の登記書は莫大な利権なのでしょう、購入をしても簡単には発行してもらえません。ダナンでは30階建てのマンションで一棟まるごと、全世帯が5年以上も登記書がもらえるのを待っているという話を聞きます。

今回の物件も、すでに完成後4年以上経過し完売のはずですが、登記所をもらっているのは半数以下です。

幸運なことに購入した部屋はまだ未登記で、建物の外国人登記枠も空いているため自分の名前で購入、登記が可能ということで購入を決断しました。

http://dmslawfirm.com.vn/how-to-check-if-the-red-book-pink-book-is-a-true-document-nc337

↑はピンクブックの確認法、という記事ですがそもそもピンクブックなる登記がない物件が多すぎなのです。(汗

いざ購入

購入は、下見ー>手付(デポジット)ー>本契約(残金支払)の順となります。賃貸と同じようなノリなのに驚きました。

こんな写真もよく見ますが、実際に見に行くとアラが目立ちます

下見

見るべきポイントは

  • 雨漏りの有無(重要)

  • 電源コンセント、配線(図面があるか、ブレーカの分離状態)

  • 窓枠やサッシーが堅牢か(割と重要)

  • キッチン下の配管まわり(最悪、工事が適当で外からGが入ってきます)

  • 換気扇がダミーではない、外部との接続の分離

  • エアコン、室外機の設置状態(移設は大変)

  • バス(シャワールーム)とトイレが分離されているか

  • 玄関ドアのロック方式

  • 室内ドアの歪み、ドアノブの状態

  • 洗面台、洗濯槽の配管の匂いや状態

  •  セットアップ済みなら設備の状態

など。心配する点が日本ではありえないようなことばかりですが、施工をするベトナム人はかなり悪い状態の家屋に住んでいて、常識が極端に低いことをくれぐれも留意しなくてはなりません。冬がないので壁には四角い穴があっても窓がないとか当たり前ですし、そもそもこれまでインフラを自前で作っていませんので現代の基準で相手が考えると思ったら裏切られます

手付をはらう

インフレ、スピードの早いベトナムでは、「気に入ったけど数日考えて頭を冷やして、安くなるようなら。。。」とか日本のデフレ期の購買態度だと永久に買えないか、誰も欲しくない物件を買うことになります。

実際にはアプリで送金します(笑

予め考えた希望の物件、広さと価格上限はいくら、とか条件を決めて、該当の物件があれば即買い、というのが正解のようです。
購入のデポジットは物件価格の10%程度で、条件を付ける場合(たとえば送金手続きがあるので残金は1ヶ月後、など)では20%とか交渉になります。

このタイミングだけは日本人であること、外国人であることがここではメリットになる場合があります。外国人は通常ローンを組まず現金で買うと思いますが、売る側としては現金の人が最優先。 金利が高くインフレのベトナムでは定期預金年利が高く100万円を預ければ6~7万(無税)でにもなることもありお金や資産を遊ばせているのは大損なのです。
※逆言うとお金の価値は年利の分以上に下がるということです

購入後もあーだこーだ、と難癖をつけようにも言葉もわかりませんし金持ち喧嘩せず、というのは世界共通なようで金持ちの外国人に売るのが一番、というムードは少なからずあるようです。

最大の違いは価格の交渉額の根拠

ベトナムでは売り手が元々値段を提示していますがこの提示額と、、買い手が更に交渉で詰めに来る額が、グロス(こみこみ)というよくわからないルーになっています。

具体的には

物件価格+売り主のかかる税金+仲介手数料+開発業者手数料

となっています。ざっくりですが1000万円の物件に対して10%ほどかかる印象でした。(はじめは6%と聞いてましたが、どんどん増えました。このあたりもベトナムらしいですね。)

価格交渉では上記の細かい数字で考えて取引をしているのではなく、ベトナム人は振り込まれる金額、振り込む金額、みたいな形でざっくり考えているようでしたが、価格に対して変動するものがグロスになっているため計算が難しく、少々混乱しました。

やたらややこしいので、別途日本語版を作って解説しますmm

記事を書くに当たり上記を再度、業者に確認した所、手数料の考え方は業者によって異なり、ベトナムでは「これ」というルールがまだ確立されていないそうです。人治国家なのであらゆるところで「勝手なルール」が出てくるのは頭が痛いところです。

購入

世界中どこでもそうですが、お金を払って行う行為は言葉もいらず簡単です。(※騙される可能性はあり)
デポジット支払いの後、残金支払と売買契約書などに4,5枚サインすれば終わり。日本と違っていたのは不動産仲介業者の事務所ではなくコンドミニ
アムの開発会社のオフィスで行いました。

サイン後にはその場でスマホでお金を振り込み終了。
ベトナムのネットバンクは縛りがゆるく、私が利用するTIMO bankでは一度に250万ほど振り込め1日の取引制限も十分すぎるほど大きな枠なので、何度も繰り返す形で送金を完了しました。

余談ですが2件を購入して2回とも同じビルの部屋でしたが、小さい開発会社だったようで短い間に借りているオフィスが移転していたのも驚きました。
ベトナムは詐欺が多く、不動産のような大きな買い物ではVin homeなど大手が圧倒的に強い理由も改めて再認識。やはり共産国・途上国での不動産はリスクが大きすぎます。

面白いイベントが

送金が終わると、売り主の怖いおじさんデカい財布から何やらお金を取り出してお金を数え始めました。ピン札の100k vnd (600円くらい)を何十枚かかぞえて、私にくれたのです。

コレはベトナムの風習で、売り主が幸運がありますように、と祝い金を出すのだそうです。粋ですね。 (もう一軒の売り主の方はお医者さんでしたがくれないので、パートナーさんが催促したら形だけお小遣いをくれました(笑) 地方の人かどうか、などでも差があるようです。

リフォームの良い点、悪い点

さて、中古の物件でしたが、ベトナムらしく処理が遅いため建設後4年以上立ってもまだ登録がされておらず、外国人枠で自分の名前で登録(ピンクブックという)ができる物件でした。以前の持ち主は購入ご放置して設備を完成させていなかったため、リフォームをすることにしました。
別記事で書きますが、ざっくりベトナムでは以下のようななことがあります。

良い点

高層住宅、低層住宅ともに構造にレンガを積んでコンクリやモルタルで固め、天井にボードを張り床材を敷いただけの、オフィスビルのような構造なので、リフォームはある意味自由度が高いです。壁がカチンコチンなので巨大なテレビを設置してもOK。

特に壁はペンキをそのまま塗装なので安価でキャビネットの据付なども容易。海外では家具付きが一般的なのでですが、人件費が安いベトナではオーダーメイドで安い作りの合板BOX家具を設置するのが一般的なようです。

悪い点

日本のようにエアコンやコンセントの設置を考え抜いて予め設定されておらず、壁も日本のように2重構造になっていないので再配線など裏側をいじるのはかなり難しいです。天井に這わせる事はある程度できますが、天井から出てくる作りで見た目が悪くなります。

業者も素人のような人が多くクオリティーはバラバラで、養生などもせずに作業するためトラブルが絶えません。また法の統治が無い共産圏なので契約をしてもトラブルになればコネがない外国人は泣き寝入りです。(別の記事で詳しく書きたいと思います)

この記事のヘッダーの画像がリフォーム完成図で業者からもらったのですが、後でわかった(丸め込まれた)のは「案」であって同じとは言ってない、みたいなベトナムあるある言い訳が爆発。おいてあったTVを破壊するおまけ付きでした。(この辺のマネジメントのコツがわかったので授業料と思うしか無いです)

国全体で言えばまだまだ都市部への集中過程にあり、開発は続くベトナムです。

(。。。つづく!)


(後半はこちら)


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