[スマホ競争の終焉] ついに、カメラとスマホが完全同一化?
こんにちは!スマホで写真、とってますか?!海外にいることもあり変なものを見つけて写真を撮って家族や友人にシェアするのでいつも重宝しています!
昨年はiPhoneでもついに5倍ズーム機が発売され、高機能な複眼カメラ付きスマホが当たり前になり、さらに今年はコンパクトカメラ並の高画質1型センサー込の複眼カメラスマホが「普通なハイエンド機」として出るようになってきました。 最近、そんな最新ハードをゲットしたのでこれまでのカメラスマホの歴史に触れてみたくなりました。
失敗続きの1つ目系高級機の歴史
携帯、スマホは人とコミュニケーションするための道具で常に持ち歩くため、カメラ高級機は(特に見た目がダサいので)不人気残念クラブを形成してきました。持っている人もダサい印象があり、iPhoneが高画質になる Xs くらいまでは「珍獣」だったように思います。
当初カメラは付録機能でしたがSNSが浸透しインスタが流行るようになり、写真好きでない人やそれまで「写真なんか撮ってネットに?へぇ〜」という人もこの5〜10年でスマホで写真を撮り共有にする用になった人がかなり増えたように思います。
Galaxy S4 Zoom
当時としては高い部類の5万円超えで売られていたS4ZOOMは、日本では正式発売されませんでしたが世界初の光学10倍ズームを搭載、2000年代くらいまで日本が独占してきたコンパクト高性能なカメラ量産機の一角にぐぐっとサムソンが入ってきた感じがありました。
全然ダメじゃないんですけど、赤とか黄色だと色が飛んだり、階調の足りなさがあります。
ミラーレス一眼のαに頑張り中のソニーは…
2010年に遅まきながらエリクソンとの合弁会社、ソニー・エリクソンからXperiaを出しましたが、初期の機種はカメラ以前にバッテリーなど問題アリアリ。ライバルのパナは発売自体を諦めて撤退のころです。
それまで総務省と談合でケータイ市場で硬い利益を追求した後の黒船&アップルとグーグルにソフト売上の年貢の支払いがある枠組み、いわば地主から小作に転落したころ。 社内でαカメラの役員さんの力が強かったのかなぁ、といううがった眼で見てしまいます。
いやーん、嘘でしょ?っていうソニーの。本体がダメなら外に得意なやつをつければ言いんだぜ?という感じで、ボロい車でもオートバックスで太いタイヤとマフラーつければ気分UPするし!くらいバカにしている商品性でした。
関わった人たちは思い出すのも嫌なのでは?と思ってしまいますが、実際どんな部長ちゃんが指示を出したのか、誰かドキュメンタリー作ってほしいレベルです。
ダメな会議を繰り返してるうちに決まってしまったのか??
なんというか、カメラおじさんの「俺が俺が」しか感じられないんです。。。
2008年に既に始まっていたカメラおじさん機種の源流
光学3倍ズーム対応の1210万画素CCDカメラを搭載、コンパクトデジカメに携帯を内蔵したような機種が出たのはいPhone4の頃です。 ぎりぎり使える?やっぱ無理、なiPhone3 が出たのが2008年でAndroidの機種もまだまだ性能が厳しい時代でした。3Gでネットも遅かったですしね。
携帯を使うほうが合理的かな?という人が大半を占めた携帯終末時期の野心作だったのかもしれません。
The大人気なさ moto z3 play 用 10倍ズームユニット
携帯の雄だったモトローラ関連でも恥ずかしい感じのが出ています。
10倍ズームレンズを搭載した「ハッセルブラッドトゥルーズーム」は moto zシリーズ用の拡張モジュールです
日本のメーカーだけがやらかしているわけではないのは確かです
シャープのAQUOS R6
日本はiPhoneが一強となりスマホ製品は衰退して行きましたが、カメラスマホはコンパクトカメラレベルのものが再び登場。
アクオスR6は高級デジカメにも使われる1型センサー搭載のカメラスマホ。1型センサーのカメラといえばRX100シリーズですが10万円以上しますので、スマホについているとなるとお得感はかなりあります。
海外では一部マニアの間で、プロ用カメラ並の写真が撮れると評判は上々だったようですが、残念ながら日本市場向け。販売量&知名度がほとんど無いもったいない機種です。最新版のR7はさらにゴツく価格も20万弱の目玉おやじ(※)路線です。
ライカからも1型センサーのカメラスマホが登場も。
一点豪華なカメラ機能、スマホとしては使いづらい、ブランド命の人向け、写真の色も変、と酷評され、広告以外では話題にならなかったような気がします。
LEITZ PHONE 2 を懲りずに出したけど
22万円する機種でCPUやメモリもろもろハイエンドなのですがこちらも1型センサーのみの一点豪華カメラで、一部の人への人気止まりとなっています。211gありズッシリ。ただしソフトバンクの返却残価方式だと2年で4万ちょっとで使えるので、拘る人にはありかもしれません。
※目玉おやじは「ゲゲゲの鬼太郎」に出てくる準主役の妖怪のことです
時代はスタイリッシュ複眼へ
それまでゴチャゴチャしてカッコ悪いマニアックなカメラ押し機種にとどめを刺したのが、スタイリッシュなiPhone11の3つ目デザイン。それまでおまけ感のあったiPhoneのカメラが文字どおり目玉になった瞬間w
2018年前後はスマホカメラのトレンドはHDR(複数の設定で連続撮影した画像の良いところを合成した美麗画像生成)で、iPhoneはさすがApple,その処理で郡を抜いていたように思います。 iPhoneはハードはハイエンドのAndroidより全体にチープ目ですが、ソフトを単一ハードに合わせて高レベルの調整をしていて、低コストで高パフォーマンスを達成してるのがすごいです。
iPhoneX , 12, 12 Pro Max と並べたときのスタイルの違い。今見るとどれも貧相な感じもしますが、当時はPro Maxの3つ目は高級感があったかも。
凄いんだ路線が空振りのXperia 1 IV
なんというか、むかしお兄さんだったおじさん、オジイ遺産が決めているんだろな、という感じしかしません。
しかし、まだこの頃までは海外でXperiaのこの辺りの機種を持っている人は、たまーーに見ることがありました。現在は日本製スマホを持っている人を見かけることは海外では皆無。国内でも珍しいくらいですから。
世界的には人口の50%は女性だし、なんなら日本の50%が50歳以上で老人や子供、女性が圧倒的多数派なのに?それでいいの?という感じがいたします。
Xperia PRO
こちらも古臭い雰囲気が。。。
時代の方向性を決めたのはサムスン
2020年頃に、iPhoneが「うちも複眼でラインナップ」日本系メーカーが相変わらずお兄さん路線の「凄いやつ出すぜ?」をしている頃、スマホの戦略をビシッと決めていたのがサムスン電子。ハイエンドのGalaxyシリーズは スタイラス搭載のNote、超広角や3倍ズームもある複眼のSシリーズで望遠レンズ搭載のS20Ultra、廉価版のS20FEではカラーも揃えて幅広い層が安心して買えるハイエンド機種となっています。
この路線にOPPOやXiaomiも追従しますが、カメラの画像処理もろもろで当時、iPhoneと互角なのは日本以外ではサムソン。超望遠を搭載し世界戦略でブランド力を固めたのが2020年でした。 それまで低価格路線だったOPPOやVIVOもハイエンドスマホを出して存在感を高めてきたのもこの頃でした。
サムスンはベトナム工場組み立てで自社製CPUを搭載するお得なベトナムモデルとSnapDragon最新コアを搭載する本流機があり、ベトナム版をさほど変わらない性能(-5%とか)で金額を抑えて東南アジアで販売したり、iPhoneと互角に戦ってブランド力を広げています。
望遠と機種ラインナップがわかりやすいGalaxyS20
パット見、ハイエンド姉妹機ですが「凄さ」ではなくブランドの統一感、ユニセックスを重視しているのがわかります。
その後、S21, S22, S23 とこの路線を踏襲し,さらに中国メーカーが追従したことで、超ハイエンド機種=超望遠付き、ハイエンド=複眼高性能とその廉価版となり、昨年はiPhone持つ移住して Pro Maxが5倍望遠を搭載するようになりました。
海外での製品ラインナップと売り方を見ると、日本でのキャリアが意味不明な販売チャネルを作るので、商品性が分かりづらく、この枠組みで消費者が育たないいつもの「小作囲い込み」をしているせいで、日本メーカーが正常進化せずに海外での競争力が損なわれているのがよくわかります。
ちなみに、同時期のXiaomiの機種は画像処理が悪くダメダメでした。。。買ってすぐ売るしかないレベルで(泣)ハードを作ってそれに合わせて画像の質を上げるソフト力は画像処理のテイスト、質の理解が必要で一朝一夕にはいかない事、購買層の好み(中国人はビビットカラーが好きな傾向=安っぽい絵)などマーケティングのバランスもありそうです。しかし、昨年、今年発表のURTRAはGalaxyと同等かそれ以上の出来にまで短期間で進歩しています。
大切なのはソフト
何度も書きますが、カメラのハードはもちろん大切ですが実際にユーザー評価に大きく関わるのは画像に出力するソフトとデザインでしょう。
センサーの情報はガビガビな点の集まりであり、様々なアルゴリズム・フィルターを使って「目に優しい」画像に「作り変える」いわばCGなのがデジカメの画像です。
単に画像を作るだけでなく、それらを管理したりシェアしたり周辺の倉庫・道路もソフトで整備します。
そして持ち歩き、手にとって人前で使うものなので見た目や服装とのマッチングも気になる人は多いはずで、多様性を踏まえた魅力あるデザインが必要です。
これらのことが苦手な日本の大企業がユーザーを喜ばせることが出来ないのは仕方のないことでしょう。
※こんな事を書くようになったのは、海外にいて広告・TVを一切見なくなリ洗脳?が解けてしまったせいかもしれません🙏
S22ULTRAからはスタイラスを搭載して、全部ありモデルを確立したサムスン。この機種を使っていますがこれだけで色々出来て便利です。
カメラ機能が完全陳腐化した2024年
昨年もXiaomiやVIVOがGalaxy Ultra並かそれ以上のカメラ機種を出し、今年はAndroidハイエンド機は4眼が当たり前になってきました。
性能比較ではiPhoneは1−2世代前な感じで海外の比較動画ではさほど注目されなくなってきました。
カメラ性能対決動画
ベンチマーク対決
日本のキャリア縛りな販売が幅を利かせる談合マーケットだと、世の中の進歩がわかりにくくなるなぁ、という事態になっております。
ベンチマークでは栄華を誇ったiPhone,Galaxyはもはやトップランクではありません。
陳腐化を主張する理由
さて、今朝降臨したVIVO X100 Proはこちらです。
最強の一角を占めていると言って、言い過ぎではないと思いますが見た目も(丸だけど)変じゃなく、重さもiPhone15 Pro Maxのように「ズシ!」としてなくて細くて持ちやすい、女性でもOKな仕様です。
ちょっとしか使ってませんがそれでもわかるくらい素晴らしく、カメラ性能は素晴らしく1型センサーと10倍ズーム搭載、Galaxy Ultra, iPhone15 Pro Maxと同等かそれ以上、大きなミラーレス一眼を使うチャンスがますます減りそうです。
逆に、先に購入したPro Maxは使ってみると新規性は特に感じられず、20万近い高級機なのに…という感は否めません。なんか重いし。。。
いっぽう、このVIVOさんはこの間のAliExpressのバーゲンでなんと7万円台。中国からベトナムまで送ってこの価格です。
割引前の価格でも15 Pro Maxの半額なので「え、これを2つ買えたじゃん。。。」ってなりましたが今回の割引で3個買えちゃうくらいの価格差です。
既にムーアの法則は無いとは言いますが、この性能のスマホが5万円台で買える様になるのは時間の問題でしょう。
性能と価格や性能に比べたモノとして特別感のなさを体感して、「スマホのカメラ競争の時代はいよいよ終わった!」と思いました。
次のトレンドはAIなのでしょうが、スマホというよりサーバーや前処理したデータサービスで検索エンジンに近い存在。 既に無料サービスがどんどん増えています。
10年以上続いたスマホの進化と普及の時代は極度の陳腐化を迎え、一旦、終息へ向かうのではないかと思います。
ちなみに10倍ズームって?
あんまりピンとこない方のために比較画像を。
最近の複眼レンズスマホは
- 広角
- 標準
- 望遠
に、超広角、超望遠がついていたりします。iPhone の場合は5倍まで光学、そこからデジタルズーム(部分を拡大する形で倍率UP)です。
具体的には…
iPhone超広角(0.5)
標準(1.0)
ズームx5
ズームx10(デジタルズーム。ちょっとガビガビします)
肉眼で「どこ?」っていうものが大きく撮れるのが10倍ではかなり特別感があります。 問題は手ブレで、手ぶれ補正がないと10倍では画面がブルブルして手持ちで撮ることはまず不可能です。
S20からGalaxyS ULTRA機種を使いつづけていましたが、この手ぶれを抑える機構が1〜2年でだめになってしまいます。アクチュエーターが痛むのか、理由は不明ですがバイクなどにマウントするとすぐ壊れるので、振動や衝撃に弱いもののようです。
この間まで使用していたS22 Ultraも2年経過し、最近はズームでは画面が動きっぱなしで退役となりました。
余談。。。
Xとかネットの炎上がポイントレスなのはいつものことですが、スマホに関しては日本メーカーの製品が魅力がないのは確かだと思います。理由は時代遅れの男性社会と、それが担保している競争の少なさ、単一文化による英語や諸々の弱さが原因の「欲わからない商品性」ではないかと。。。
あまりに長くリーマン経営と数学など理系の弱さを放置したのは、物を言わない株主問題とかい善意、すべて既得権男性が作ってきた社会の「ぐだぐだ・ずぶずぶ」が原因でしょう。
携帯・スマホでは大手メーカーの仕事もしてきましたが、正直な所、どの会社も部長・役員クラスはたまたま売上が大きなトレンドに恵まれたり社内政治(偉い人への忖度とか)が得意な人ばかりで、市場分析や技術的な知見などいわゆる「インテリ」系のその分野のプロは皆無で、もっと言えば国内の規制や法律など「ホワイトカラー」の強みもない「リーマンおじさん」ばかりでした。
逆に海外の仕事では、一点豪華でも得意分野があったり頭の回転が良い人が普通で、経営者はそのような人を集めうまく使うのが仕事、というのが当たり前でした。
このXの炎上もポイントレス過ぎるな、と感じたのはハードと作業者層の話だと思っている人が圧倒的に多そうな点。日本のメーカーがヤバいのは商品性がものからサービスと体験になってからも、ソフト技術者が少なく、組織の上にいないこと、経営のプロではなくサラリーマン(作業が得意な使用人)がマネジメントをしている事です。工業ではその構造が工場と資源調達、作業者調達に集約されるのでマネジメントは軍隊式でもある程度までは行けましたが現在の仕事はそうではありません。(ソビエトが戦車はたくさん作れてもメダメなのと似ています)
日本はモノ、製造の頭しかなくソフトと言ってもただ組みたてる製造的な考え止まりの人が企業でも大多数じゃないでしょうか。実際には研究開発・ワークフローや成果物の維持・メンテなど永続的な活動を含めた様々な知的活動があります。
ソフト技術者を厚遇する体制にないため、歪を嫌い外注ばかり使いますが研究開発は実際の所難しいでしょう。 ソフトでも画像処理やAIが特に重要と思いますが管理職、上司に英語で論文を読んでソフトを組める、組めた人がどのくらいいるでしょう。 さらに減点主義や前例主義が幅を利かせる大企業では、英語の論文を読みテストして試行錯誤して、ということが稟議だなんだで非常に遅かったり、ないがしろにされやすいです。 そもそも英語で仕事してないですし、命令から仕様書まで徹底して曖昧でなのは日系企業では普通のことで海外の企業と連携が難しいのもソフトが遅れる原因となっています。
韓国は教育改革のために漢字を捨て、海外、特に米国市場で成果を上げるために英語教育、理系教育、エンターテインメント優遇など、アメリカやユダヤ系が行ってきたことをずーっと頑張ってきているのは周知の事実です。
実際に大学は英語で教えていますし、フィリピンの英語会話学校が増えたのも韓国の教育需要が大きいでしょう。
一方で日本のおじさんや、自己弁護の自宅警備兵的なネット民がしてきたのは自慰的な自己弁護や排他による競争回避、お客さんが欲しがるものを研究するより「俺は凄いんだぜ?」という意識の製品づくりだったんじゃ?
とカメラスマホの歴史を書いていて、改めて意識してしまいました。
思えば、このあたりのイデオロギーを持っているのが今の老害層なんですよね。無知って怖い。フランシス・ベーコンのあの言葉が思い出されます。
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