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「プログラミング学習はもう古い」って言ってしまった件について

初noteです。緊張ですね。「プログラミング学習はもう古い」って言ってしまった件について、特に誰からも叩かれてないけど補足しておきます。

この記事は「プログラミングスクールに通った経験や、プログラミング学習サイトを使って勉強したことがある人、行ってみようかなと思ってる人」が主な対象です。

こんにちは、初めましての人は初めまして。
のびすけと申します。

僕の雑なプロフィールですが、以前は株式会社LIGというところでWebエンジニアをしていて、IoTLTというイベントを野良でやり始めたら少しバズったので独立してdotstudioという会社を立ち上げ、今はIoT周りを中心とした教育業をしている。という感じです。

お久しぶりな人はお久しぶりです。
いきなり関係ないですが、↓のネタをリリースした2019/4/4で三十路になりました。20代あっという間だったなぁ。

この度、Mashup Awardsの伴野さんらと一緒に日本初のプロトタイピング専門スクール「ProtoOut Studio(プロトアウト スタジオ)」を立ち上げて、開校に伴ってこんなプレスリリースを出しました。

目に留まりやすいプレスリリースタイトルを意識して、「プログラミング学習はもう古い」と書きましたが、PR TIMESに出したプレスだとかなり情報を制限しているのでこちらの記事で補足出来ればと思っています。

[諸注意]
・ここでいう「プログラミング」はコードを書く作業という言い換え、「エンジニア」も同様でコードを書く作業者という言い換えがイメージが近いと思います。一般的な認識ではなく、この記事においての表現です。
・プログラミング教育って言葉を使うと、2020年に小学生から義務教育化される方面の話に聞こえるのであえて使いません。子供向けのプログラミング教育の話は話題に出していません。

プログラミング学習の文脈に思うところ

社会人向けのプログラミングスクールって増えてますよね。プログラミングを学ぶ機会が増えるのは良いことですし、もっとプログラミングを学ぶ人が増えるといいなと思っています。

ただ、 目的も無くプログラミングスクールに通う人が多いような印象を持っていて、そこについてどうなんだろう?と思うところがあります。

そもそもプログラミングスクールに通う人はエンジニアになりたいのだろうか?

僕の中での疑問点で大きいのはここです。

前提として、プログラミングスクールの多くはエンジニアに転職することを目標にしている場合が多いです。

しかし、プログラミングスクールに通ったことがある知人何名かに話を聞いたところ、もちろん、エンジニアに転職してみたいんだっていう人もいましたが、「転職は考えてなくスキルセットとして身に付けてみたい」、「なんとなく興味があった」という人が意外と多かったです。

「エンジニアに転職したい訳ではないけど(漠然と)プログラミングを学んでみたいと思っている」層が一定数存在する気がしています。

隣の芝は青い的なやつです。 (定量データっぽいのも調べてみましたが割愛)

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実は「プログラミングを学びたい」ではなく「自分の手で何かを作りたい」のでは?

という仮説です。

「何か」はWebサービスでもIoTデバイスでも良いと思います。

自分のモチベーションに気づいてない上に、 プログラミングとプロトタイピングの区別が付いてなく、とりあえずプログラミング学習をしているといった人が大半な気がしています。

そうなると、いざ作りたい企画やアイディアが浮かんだときに作れなかったり、プログラミング学習を終えてみたけど次に何をすればいいのか分からない状態になって続かなくなるケースが多いです。

プログラミングとプロトタイピングでは学習の方向が異なる

プログラミングスキルと、プロトタイピングスキル(アイディアをカタチにするスキル)は学習の方向が異なるため、 プログラミングだけを勉強しても、自分の手で何かを作れる能力が身に付く訳ではないと思います。

何かを作りたいのであれば、 縦方向の技術的な深さを求めるプログラミング学習よりも、 横方向に技術を幅広く繋ぎ合わせるプロトタイピングの文脈の方が適していると思います。

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プロトタイピングスキルは、プログラミングの初歩的なところ+色々なAPIを利用するスキル+企画力みたいな構成で成り立つようなイメージです。

プレスリリース文章には「プロトタイピングスキルは、プログラミングスキルの一歩進めたイメージ」で書きましたが、僕の中では、 プログラミングスキルをマスターまでする必要は無く、半歩先くらいだと思っています。

プログラミングが出来ても「APIドキュメントの読み方が分からない」、「APIが使えない」だと自力で作る部分が多すぎてカタチにすることが難しい、「アイディアや企画が思いつかない」だとそもそも何を作っていいのか分からなくなって立ち止まってしまいます。

API = 便利な道具、みたいな文脈です。後半に出てくるカレーの例だと市販のカレールーですね。

全部自分でやるのは大変だけど、楽をできるツールも増えてきている

 プロトタイピングのように技術の幅を広げることは、昔は技術を深めるのと同じくらい体力がいることでした。ただ、最近は技術がコモディティ化(一般化)してきて、 便利なAPIや初心者向けのデバイスなんかもたくさん出てきていて、自分で実装しないでも楽して作れるツールが増えてきています。

例えば、ゲーム開発の例だとUnityなどの開発環境が出てきて、アセットストアなどで3Dモデルが公開されることで、今までゲームのロジックのプログラムを書く体力以外に、3Dモデルを作成することにも使っていた体力を消費しなくても良くなりました。

各技術要素やプログラミングに深く踏み込まなくても、色々なパーツを使い、つなぎ合わせることが出来れば、カタチにすることはできる時代になってきています。

この考え方が社会的にも求められてきている

 プロトタイピングの文脈をカレー作りで例えると、美味しいカレーを作るためにスパイスの勉強に時間を掛けるのでは無く、カレールーを買ってきてサクッと作って家族にカレーを振舞ってみる。フィードバックをもらってそこから改善していこう。振る舞う人数をどんどん増やしていって多くの人に受け入れてもらえる確度をあげようといったところです。家族がどんなカレーが好きかどうかも分からないですしね。

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 プレスリリースにも書いていますが、経済産業省のDXレポートによると、プログラミングそのものの能力よりも「プロトタイピングスキル」がより一層求めらていくことが示唆されています。

IoT領域が代表的ですが、幅広く手段を知り、繋ぎ合わせるてサクッと実装し、早く検証をしてサイクルを小さく最速に回すことの方が最終的に無駄が無く、価値が高いとされるビジネスシーンも増えてきています。

VUCA時代と呼ばれるように、何が正解か分からない時代になってきています。そうなると一つの手法に特化して学ぶよりも総合力や応用力を上げた方が、仕事の領域が増えたり、色々なチャンスを掴みやすくなるのでは無いでしょうか。

ProtoOut Studio(プロトアウト スタジオ)について

 こういったプロトタイピングスキルを学ぶスクールは無かったのか。僕の知る限り無かったんです。ということで作ったのがProtoOut Studioです。

多分UIプロトタイピングを指す文脈だとデザイン系のスクールがあるとは思います。ここでは開発目線から見た試作開発を指します。

概要はプレスリリースを見ていただけると嬉しいです。少しチラ見せ的な感じで書いてみますが、技術の幅を持ちAPIを繋ぎ合わせるという視点を意識したカリキュラムを作っていきます。
・HTTPやJSONといったAPI利用に必要な技術要素の重点化
・APIドキュメントの読み方
・APIを3つ以上掛け合わせた制作物の課題
・IoT/ハードウェア/AI/ブロックチェーンなどの技術も幅広く扱う
などが検討中の内容の一部となっています。

また、入学試験では事前に簡単な課題制作をしてもらうことを考えています。この辺りが全くの未経験者には辛いかもしれないので、既存のプログラミングスクールを卒業した人や、Progateなどで勉強した経験のある人が対象になってくるかなぁと思っています。

プロトタイピングだけではなく、アウトプットまで

「自分の手で何かを作りたい」を叶えるのがプロトタイピングスキルだと思いますが、「自分の手で何かを作りたい」は言い換えると自分の手で何かを作った先に「誰かに使ってもらいたい」、「広まって欲しい」というところまでが潜在的なモチベーションとして含まれている気がしています。

なので授業カリキュラムの中で、実装とアウトプットのそれぞれの側面をバランスよく行い、サイクルを回していきます。

・授業カリキュラムで、実装したプロトタイプについてSNSやブログ投稿
・授業カリキュラムで、ハッカソンを実施
・授業カリキュラムで、小規模なクラウドファンディング
・授業カリキュラムで、Mashup Awardsに作品応募

検討中ですが、こんな内容もやっていけたらと思っています。

「プログラミング学習はもう古い」について

「プログラミング学習はもう古い」と言いましたが、エンジニアに転職したいなど、目的達成のためにプログラミングが必要という方には向いていると思っています。

それ以外で、目的が不明瞭で漠然と勉強してみたくてスクールに通おうとしている人や、通ったけど何も残らなかった人はプログラミングよりもプロトタイピングスキルを身につけた方が、自己実現に繋がる可能性が高いと思っています。令和時代に求められているのは、プロトタイピングスキルなのかもしれません。

僕らのテーマとしては純粋に「モノづくりを楽しめる人を増やしたい」という思いがあります。ヒアリングをした際に、既存のスクールが目指す転職というゴール設定と自分のモチベーションの乖離に入学してから気付き、悩んでる印象が強かったです。もっと作るのって楽しいんだよ!ってのを体現できる形のスクールを作れないだろうか、という思いも今回は含まれています。

企画やマーケ、広報などをやってるようなノンプログラマ層がこれ面白いよねと思いついたものを自分で作れる時代に早くなっていけばいいなと思っています。

ということでビジネス層だったり、非エンジニアの人もぜひ来てください。

おかげさまで想定の4倍くらい申し込みがきています。20代半ば〜30代前半のビジネス層が多い印象です。

まだ募集していますので、ぜひ申し込みして下さい!

ぜひぜひ :)

応援してくれると喜びます。