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目くじらのくじらを追う

「『目くじらを立てる』の『目くじら』って、なんで目『くじら』なの?」
ふと聞かれたのですが「そういえば気にしたこともなかったな」と宙を見ました。視線は左斜め45度です。何にも思い出せません。

「目くじり」という言葉が訛って「目くじら」になった。

インターネットは便利ですね。調べたらあっさり見つかってしまいました。
生物のクジラは関係なく、「くじり」という物の隅や端を表す言葉(「口尻」説あり。目口尻)が変化したものだそうです。

「眦(まなじり)」と聞けば「アーハン、聞いたことあるわ」となる「シリ」問題。クジリが言いづらかったのか、変化を遂げた目くじら。

ここに日本人の寛容さを思うのです。

「正しい」や「間違い」にこだわっていたら、今も目くじりは「目くじり」のままだったと思うのです。それが、言いやすい形となって現代も生きている。
ここに、生き残るためのヒントがあるのではないでしょうか。

さて。
日々忙しい日常ですが、「正しい」や「間違い」にとらわれていませんか?
昨日、「冬の日本酒といえば燗でしょ!」と囚われていた私。
クジラのように悠々と泳いでいきたいものです。

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