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《新世界通信》8「おわら風の盆2022に行った」 遊び疲れて夜も更けて

 福島地区(越中八尾駅周辺)まで戻ってきた。午後9時40分ぐらい。坂を登るのに比べて、降りるのはずっと楽だ。5時間ほぼ立ちっぱなしで、足は少し疲れているものの、心地よい。

福島地区。八尾駅へ向かう道

 ライブ配信動画の最後でも喋っているんだけど、もう時間切れなので帰ることにした。JR高山本線の普通列車の最終が10時なので、それに間にあわさないと。
 町からどんどん観光客は波が引くように帰っていく。コロナ前のおわらなら、観光客がほぼ帰った深夜から翌日の早朝にかけて、八尾町の人たちは、自分たちの楽しみのためにおわらを町で踊る。その風情が何とも言えない、とそこまで残る通もいた。
 しかし、コロナ対策のため、今年はやるかどうか、わからないし、その気配も見えなかった。私も、明日朝早くから用事があるから徹夜はちょっと無理。
 名残惜しいが、もう帰ろう。

 列車を待つ、越中八尾駅のホームの様子。何ですか、この混み具合は。渋谷ですか、新宿ですか。この田舎でこんなの初めて見た。

 それにしても、ここから自宅に着くのが11時半。そして翌朝3時に起きてモニペを書き、6時から地域の仕事を12時まで。私、体もつかな。

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 今年2022年のおわら風の盆に行って、11町中、おわらを見れたのは、鏡町、上新町、西町、今町、下新町、天満町の6町。見れなかったのは、諏訪町、東新町、西新町、東町、福島の5町という結果だった。

 よく見れたけど……「月影ベイべ」の主人公、光と蛍子の町、諏訪町のおわらが見れなかったのは残念。おわら風の盆と言えば、必ずこの街の写真が出るくらい、ここの町流しは壮麗で美しい。石畳の町、両側に格子戸の家が並ぶ中を、着物と菅笠姿の男女が踊りながら進んでくる様は、一幅の絵のようだ。これをライブ配信で伝えられたかった。
 後日YouTubeを観ると、西新町、東新町のおわらがアップされている。これもいいなあ、めっちゃカッコいいなあ。やっぱり見たいな。

 来年も、おわら風の盆が開催されるなら、また観に行こう。今年観れなかった町の踊りを観よう。
 その時ライブ配信するかどうか。読者の皆さんにお伺いします。ニーズありますか?

 3年ぶりのおわらは、踊りも、町の雰囲気も、各町の趣向もよかったけれど、コロナ前に戻ったとまでは言えない。今年は9月1日~3日までの3日間の夜だけ踊ったが、元は昼から、3日3晩踊るし、さらには10日間くらいの前夜祭なんてのもあった。何よりも、町流し、輪踊りでも、踊り足りない唄い足りないとばかりに、フリーダムに町で踊ったり、地方が胡弓や三味線を弾いたりする姿を、街角で見るのが、なんとも素晴らしかった。魔法の国のようだった。
 徐々に回復していくよね、きっと。それを祈ります。

 そして、コロナ前はじめて「おわら風の盆」を観たときは、隣に母と妹がいた。今はもういない。亡くなった。一人で観るお祭りは楽だが、空しい。「風の盆」には死者が家に帰ってくるという。ねえ、観てくれたかい。そして、こんな遊んでばかりの私を、昔のように叱って。

(FIN)

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