CREATIVE X #2 勉強note-1【CREATIVE × 新規事業】

CREATIVE X# 2 の自分用まとめ+感想その1。

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【session1 CREATIVE X 新規事業】
LIG 中村泰介さん
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朝日新聞社メディアラボ 宮下洋輔さん

最初のセッションテーマは「新規事業」。宮下さんが「新聞社のデザイナー」という既存事業から現在メディアラボで携わる新規事業「moovoo(ムーブー)」の立ち上げの中で感じたデザイナーの役割の変化、それぞれの事業における特徴の発見を中心に展開されました。実際に仕事を通して感じたメリット・デメリットの比較など、社会でデザインに関わる全ての人に通じるような、オープニングにもってこいの内容でした。

※当初登壇予定だったデロイトトーマツ・ベンチャーサポートの大平さんが来られないため、中村さんが代打で登場、メインスピーカーを宮下さんとして進めるような形式でのセッションでした。

宮下さんの経験した既存事業と新規事業

○既存事業=新聞紙のデザイナー
・新聞に使用される様々なグラフィックのパーツ(ちょっとした見出し、ロゴなど)をつくるのが主な仕事。組版やレイアウトをする訳ではない。
・デザイン1つにかけられる時間は10~15分程度のスピード勝負。ニュースは毎日が締切なので作り込み<スピードが要求されていた。
・紙媒体の他に朝日新聞デジタルのWeb・UIデザインなども担当。

○新規事業=メディアラボ、moovooの立ち上げなど
・社内公募に応募した新規事業が採用されて立ち上がり、現在も担当として関わっている。
・新聞という「コンテンツ」をつくる会社のノウハウを活かしながら、新しいサービスをつくることに挑戦している状況。
・企画段階からデザイナーとして参加することができ、ビジュアル要素以外にも様々な仕事を並行してこなす。

それぞれに感じたメリット・デメリット

○既存事業の場合
(デザイン組織が独立している場合は特に)表現をつきつめられる、傍に同じ仕事を経験している仲間がいて相談しやすいというのは利点。スピードが求められるので、数をこなすことでスキルも早く身につく。
デメリットとしては組織として他業種と距離があり、「仕事が上から降ってくる」ような発注受注関係になりやすい面を感じた。意識していないと「なぜデザイナーをやっているのか?」というデザインへの向き合い方や役割への問いかけが薄れていってしまう。

○新規事業の場合
企画段階の0の状態からデザイナーが自分たちで形にする(1にする)まで一貫して携われるのは何より魅力。やりがいや達成感も大きい。立ち上げの一員になれるので、責任感や目標の高さも増す。前線に出ることで既存の事業に関わる時よりもデザインの説得力や価値観が向上するように感じた。
ただし、立ち上げ時に組織される人数は大抵少ない。各々が忙しくリソースがさけない場面も多いため、仕事としても人間関係的にも場合によっては孤立しがち。1人何役もタスクを担うことが多いので、デザイン以外のことを知るために使う時間も計算する必要がある。

moovoo立ち上げと新規事業で感じたデザイナーの立ち位置の変化

○moovooの立ち上げ経緯
そもそもは新規事業の社内公募にエンジニアなどとチームを組んで応募し、採用・リリースされた事業。新聞というコンテンツをつくる会社として、企業の知財や資産などこれまでのアセットを活かした新しいサービスとして提案したもの。
→新聞事業=100年以上続いているが、そればかりに頼らず、時代の変化に合わせて新しいものを作ることは会社としての生命線。これは職業としてのデザイナーもある意味同じ。

○組織体制とデザイナー
moovooは基本的にエンジニア、デザイナー、編集、営業担当+制作チームで運営している。映像ならではの伝え方(動画だからできる伝わりやすさ、面白さを発揮すること)を重視し、構図や画面配置、グッズ(動画の中で紹介するもの)の見せ方一つ一つがデザインの中で重要な研究要素になった。
→パーツだけを作ったり言われた仕事をこなすことに追われていた既存事業の頃と立ち位置が変わるのを感じる体験だった。コンセプト、企画段階からデザインする側の視点で参加、議論できるのは大きい。
デザイナーと他業種との直接的な関わり合いが増えるので、初期段階では意思決定や合意形成は既存事業の頃より難しく感じることもある。
→その反面、理論や企画書で何段階も話を通してやっと人を集めて着手していたようなフローが、「作れるメンバー」が揃っているので先に行動を起こして話を始められるチャンスも増えた。

新規事業 X デザイナー から考える未来

○作ること・形にすることを伝える役割
デザイナー自身が様々な相手・ポジションに直接関わる機会が増え、デザインのプロセス(なぜその形になったか)を実践者として伝える機会が一層増える。これは、従来以上に周囲(発注しかした事の無い人、デザイナーと無縁な人など)にデザインがどんな役割なのかを伝える機会が増えることでもある。
→だからこそ、誰に対しても言葉選びは重要。無意識に専門用語を使う程度でも伝わる内容に差が出たり、誤解されてしまう可能性が出てくる。「見た目が勝負」「説明的すぎないように」という意識とは別で、色々な言葉を扱えるようになる訓練は大事

○「これ儲かる」↔「ほんとに喜ばれるか?」の解消
売れるものと喜ばれるものは必ずしも同じではない場合がある。売れる・売れないだけではなく、プロダクトを通した体験など価値観のポイントになっていた部分をデザイナー視点から見直すことでアウトプットにも合意形成の要素にも変化が起きてくる。
→宮下さんの中で「形になりさえすればいい→無茶ぶり・丸投げな発注」を無くして行きたいという考えの実践にもなっている。作り手の意識をデザイナー以外にも浸透させて行くことでステークホルダーの人々からデザインに対する価値観や意識を変えることにつながる。その結果、最近では実際に作る前の段階(=考え途中、打ち合わせなど)でデザイナーとして相談される機会も増えた!

〇新規事業に携わる際にデザイナーに必要なスキル
事例を交えて話してきたように、新規事業においてはデザイナーの役割は多岐に渡る。表現としていろんな分野をカバー出来ることはもちろん、視野を広げる意識を持ち続けることが求められる。そして、何よりもお互いに「デザインをデザイナーだけのものにしない」ことが重要。
→直後関わる人が増えることで新しい価値観やデザインに出会うことを恐れないこと。今回のテーマ「化学反応が起きるか」にふれるならば、やること・求められることが増えても最後は各々の色が重なって1番濃い部分が面白くなる!

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新規事業とデザインについての実体験を交えながらのお話。デザインの価値観・役割について考えさせられる場面の多いセッションでした。moovooの立ち上げのセクションでは、古参事業の大きな企業に入ったからと言ってただ何かをこなしているだけでは変われない、時代の流れやメディアの変化に通じる意識のアップデートが必要だと企業側も感じていることが伝わってきました。
お二人とも貴重なお話ありがとうございました!

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次ターム session2【CREATIVE × 体験】はこちら。


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noteを読んでいただきありがとうございます。サポートは自分とデザインへの投資に充てたいと思います。

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n300

〇〇デザインとデザイン〇〇をキーワードに、デザイナーとデザイン学者の間くらいを彷徨っているひと。色彩、基礎造形、グラフィック、エディトリアル、インタフェース周りが興味・制作対象。広報、体験ドリブンまわりの事例も勉強中。お金で買えないバリューのデザインが最近の問い。

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