CREATIVE X #2 勉強note-2【CREATIVE × 体験】

CREATIVE X# 2 の自分的まとめ+感想その2。

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【session2 CREATIVE X 体験】
川口貴仁さん
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リクルートテクノロジーズ 反中望さん

2つ目のセッションテーマは「体験」。建築とwebという一見遠い存在に思える両者のデザインや実践例から、それぞれの特徴や体験を考える上での共通点を探るトーク展開でした。「体験」をアウトプットとして実現するための合意形成やリスク管理の面で勉強になるポイントが多かったです。リアルで物質的な建築のデザインと、Webやアプリのようなとらえどころのない非物質的なデザインの化学反応が楽しめたセッションでした。個人的には川口さんの研究者っぽいモチベーションや実践が諸々興味深かったです。

⚫川口 貴仁(アーキテクト)
・建築分野でのデザイン、合意形成段階も含めた体験設計を手がける
・実用性や芸術観だけではない、環境や災害対策に対する疑問や課題解決としてのデザインの実践を大切にしている(ex:ハリケーン・サンディ後からの海抜をあげる街づくりと水害対策)
・建築家としての心持ち以上に「研究心」をベースにしたプロジェクト実践を心がけている

⚫反中 望(リクルートテクノロジー)
・web・IT分野を中心としたコンサル・デザインに携わる
・UX畑でのデザインと関連する人材育成なども担当
・技術(テクノロジー)と人の関わり方に興味があり、体験設計を通じた実践がキャリアにつながってきた

建築とwebの対比

○建築における3つの分類
・住宅建築……家、住居。日常住むための建築。
・公共建築……市役所など公的(非プライベート?)な場の建物や設計。
・商業建築……店舗、サービス施設などお金や利益に通じるデザイン。
→上記3つの中に当てはめるのであれば、webはほとんどが商業建築にあたる。会社の仕事や職業として課金やユーザー獲得など「どうお金落としてもらえるか」を考えた導線設計を考える場面が多い。
信頼を得る=生活や日常に融ける存在になることや「プラットフォーム」としての意味合いでは住宅・公共建築にも親近感はあると思う。

○公共性と距離感
一見アート性を追求した異質な建物でも、公共施設と組み合わさることで複雑なものに公共性が追随する場合がある。例えば、見た目がぐにゃぐにゃの美術館でパブリックイベント(トリエンナーレなど)が開かれると、建物ではなく「場」として人が集まり、難解なものとの距離感を縮める体験が作られる。
→これは建築が街並みや生活など多くの人にダイレクトに通じている分野だからできる体験づくりでもある。webも全ての人にオープンではあるが「誰にでも関係ある」として発信するだけではあまりうまくいかない(だから導線設計やターゲット決めが必要)。

○歴史から見るそれぞれの違いと特徴
建築は、思想年表が作られるくらい古くから世界に存在していた分野。消えない・無かったことにできないもの(=住所として、物体として建つ存在)なので、時代ごとに周囲とどう生きていくかを考えながら向き合う感覚がある。また、建物は人よりも長く生きるが、一度建てたらすぐに変わるというのは難しいので、後世で不変でも残っていくことを意識する場面がある。
→建築に比べれば存在して日が浅いwebでは「歴史を考える」「残る」というのはまだあまりない考え。そもそも消えるもの・永続すると考えないほうがいいという概念が浸透している世界でもある。ただし、会社であれ個人単位であれ1つのアドレスの管理者は基本的に変わらないので、1つの場所における変化は建築に比べれば容易であり、無限に続けることができる。

建築とWebにおけるデザイン

○「失敗」への対応
建築は一度建て始めたら後戻りできない。メンタリティとしては様々な考え方(気落ちする、反省する、糧にする、など)があるが、基本的には合意形成のフローを段階的に区切ることで「防止」することが鍵になってくる。クライアントファーストすぎる時代には相手方の資金面などで白紙撤回が起こることもあったが、最近では段階的に契約と説得を区切る中で合意形成や依頼者・作業者の関係性も改善されてきた。
→webは「失敗」に対して場合によっては改修・修正ができる。が、基本的に実践の前には「仮説→検証」のフローがあり、そこで失敗になったら本番になることなく終わりという肌感。検証にもお金はかかっているので、リスク0という訳ではなく、グロースハック的な相対的な成長を検討する場合は個々でなく組織的な改善が見られなければ「失敗」と捉えられる可能性も。

○つくり手と使い手のコミュニケーション
ワークショップ的に一部を試すことはできても、建築は実際に完成してようやく使い手に体験してもらえる。また、建物として物的な存在感や空間的な情報量が多い(今いる場所が全てではない感覚)。
→逆にwebはプロトタイプとして未完成状態でもどんどん使い手とコミュニケーションが取れる特性がある。ただ、複数のサービスを組み合わせたり大量の情報量を扱うプロジェクトではその検証も前項の建築の考えと同じように「段階的に区切る」。

デジタル・非デジタルから見るデザインと体験の未来

今回の建築とwebの対比のように、デジタル領域でデザインをしている人とアナログな領域でデザインをしている人同士でお互いの特徴や共通項、または違いを見つけることで新しい発見やものづくりがしやすくなる。ジャンル的な歴史を作るまでに至らずとも、消えるものを作り続けるより、とにかく作ることが歴史になる時代かもしれない。
合意形成の検討、使い手に対するデザインは手法や順序が違えどWebでも建築でも制作フローでは無視できない部分。それらを改善していくにはまず作り手自身の向上心や視野を広げる体験が大切。それには、異分野との関わりもプラスアルファになる。

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「体験」がテーマのセッションですが、切り口がデジタル・アナログで異ジャンルの話がごちゃ混ぜに出てくるのが楽しくて聞き入ってしまいました。話しながらスピーカー同士がリアルタイムで気づきや発見を口にしあってたのも印象的。モノ・コト・そして「体験」をつくる未来でデジタル・アナログにとらわれず「人との関わりあい」を意識するデザインに通じる発見が多いセッションだったと思います。お二人とも貴重なお話ありがとうございました。

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【おまけ】このセッションで使われていた「Slido」ってサービス便利そうだなと思ったのでここにもメモ。アイデアソンとかにも良さそう。

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次ターム session3【CREATIVE × 差別化】はこちら。


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CREATIVE X #2 勉強note

2018年10月21日に開催されたイベント「CREATIVE X #2 デザインに化学反応は起きるのか」の感想や勉強メモを書いたnoteをまとめました。
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