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日常にひそむ不毛な戦い

日常の中で不毛な戦いをする僕である。


飴を食べているときにクシャミが出そうになって飴を飛び出さないようにしたり、歯磨きをしているときにクシャミが出そうになってクシャミを出すのを我慢したり、ゴミ箱にゴミをうまく投げれるかを挑戦してみたり。

とまぁ、戦うところは各所に潜んでいるのである。
本当のところをいうと、ゴミ箱にゴミを投げ入れずに近くまで行って捨てた方が確実だし、手間も省ける。クシャミにしてもいったん歯磨きをやめれば良いだけのことである。しかしここに不毛な勝負をかけるところに日常の素晴らしさが潜んでいる。

そして今、絶賛戦っていることがある。

我が家は今、引越しの準備に大忙しだ、
不要なものを処分して、金に変わりそうなものはリサイクルに出している。
次の入居先は引き渡し済みであるため、時間を見つけては家財道具を運んでいる。はじめはなにもなく、生活感のない家だったのだが少しずつ荷物を運ぶことによって家らしくなってきた。どうやら家とは人の体温が加わって初めて家になるらしい。そこに体温が備わっていなければ廃墟も同然だ。
ギターを運んで、本を運んでいるのだが机やテレビなどはまだ運んでいない。

机やテレビを運ばない理由としては今住んでいる家での生活もまだ数週間残っているからだ。何もかも持って行ったら今の家での生活ができなくなる。なので生活必需品以外のものを持っていくようにしている。
ティッシュとトイレットペーパーが買い替え時のため、入居先に持って行ったのだが、今住んでいる家のティッシとトイレットペーパーの在庫が切れてきたので先日入居先に行ったついでに持って帰ってきた。ここら辺の消耗品がいったいどれぐらいのペースで使いきれるかがわからない。花粉症となるこの時期、ティッシュの使用頻度は多い。ちょうどで使い切ればベストなのだが、余ってしまってティッシュだけ持っていくとなるとそれはそれで面倒だ。

だが所詮ティッシュはティッシュ。余れば使うだけで、足りなければ買ってくればいい。
問題はティッシュやトイレットペーパーじゃない。
問題は風呂の電気だ。

風呂の電気がここにきて時折点滅するようになった。
このアパートに来て1年半。風呂の電球など一切変えたことがない。むしろ今まで住んだアパートの中で風呂の電球など変えたことなどない。なのにこの退去数週間前の絶妙のタイミングで風呂場の電球が消えかけている。これが退去日までに持つかどうかというのに現在戦っている。
電球を変えるというのがとてつもなく嫌いだ。ワット数を調べて電気屋に行かなければならない。コンビニにもある場合があるが大きさによってはないかもしれない。どちらにせよ面倒なのだ。
なので、できるだけ電球を変えない方向で頑張っている。
一日の風呂の使用時間は妻と合わせて1時間ぐらいだろうか。と考えれば残り20時間にも満たないだろう。
これを凌げれるかどうかに今全神経を注いでいる。いわゆるnot30みたいなものである。最後に30を言ったらダメだというあのゲームだ。
それと同じで自分が風呂に入っているときに電気が消えないようにとビクビクしながら風呂の電気を使用している。
できれば引越しまで電球を持たせたいのだが、せめて自分が入っているときに電球が消えるのは勘弁願いたいのだ。


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