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物理的な壁は心の壁につながる

西陽が眩しい。

書斎となるこの部屋はこの時間、つまり18時前ともなると夕陽が部屋に射し込む。射し込むだけならまだしも、PCの目の前にある窓をめがけて射し込むものだから当然僕の視界にも入る。夕飯前のこの銀の時間に集中したいのだがそれを否応なく邪魔するのだ。こんにゃろ。


引っ越して二週間ほどが経った。決して広くはないが、使い勝手がよくて気に入った家だ。自室となる書斎もある。不要なものは所有したくないと思っている僕なので、これぐらいの大きさで十分だ。限られたスペースに必要なものを所有する。それは収納力に繋がるし、何よりも脳をクリアにさせる。だからこれぐらいのスペースで十分だ。
これぐらいってどれぐらいかと言われると困る。写真を載せるつもりもないし、人によってはそれを広いと感じる人もいる。だからあなたが思うちょっと狭いかなと思うほどの面積だと思ってもらったら良い。それが「これぐらい」のスペースだ。


引っ越してから大きく変わったことがある。それは僕が積極的にキッチンに立っているということだ。引っ越す前からもキッチンに立つことがあったのだが、それは時々でしかなかった。そしてその時々立つキッチンは重い腰を持ち上げてやっと立ったキッチンだ。今はどちらかというとキッチンに立つことが習慣になりつつある。
なぜそんなことが起こるようになったのかと考えた。
たどり着いた答えは割とわかりやすいものだった。それは今まではカウンターキッチンだったのだが、今回はアイランドキッチンになったということだ。何をシャレたことを言っているんだと思うかもしれないが、少しぐらいシャレた自慢話も聞いていただきたい。

まずわからない人のためにカウンターキッチンとアイランドキッチンの違いをお教えしよう。
どちらも対面式のキッチンではあるが、その大きな違いはカウンターキッチンの場合は多くの場合収納スペースが上部にあるということ。
アイランドキッチンはアイランド(島)という名の通り、リビングとの境目がないためリビングとの妨げとなる収納スペースが上部にないということである。
収納スペースが上部にないので、デメリットもあるのだが僕はこのアイランドキッチンが気に入っている。
そしてアイランドキッチンを使いだしてからキッチンに立つ時間が増えた。カウンターキッチンの場合は上部の収納スペースが邪魔になりキッチンという閉鎖された空間だったのに対し、アイランドキッチンになってからはリビングの延長にキッチンがあるというデザインになっている。
写真があればよりわかりやすい説明になるのだがご理解していただけただろうか。


つまり、パーティションで区切られた空間ではないため、キッチンに立ちやすくなったのだ。リビングからキッチンへの距離は今までのカウンターキッチンの方が近かったのだが、アイランドキッチンになってから精神的な距離が近くなった。物理的な壁は心の壁につながるということだ。
デートの時にベンチに座り、女の子がカバンを二人の間に置いたとする。それがまさしく物理的な壁であり、心の壁なのだ。
こういう心理学ってなんだかおもしろい。
企業が風通しを良くしようという試みで一室で一切のパーテションを無くすという試みもまさにそれにあたる。



逆に神格化したいのなら、ある部分を閉鎖したり独立した空間にすればいい。それが企業で言うところの社長室であったり、校長室というものだ。
今、僕がぽちぽちとキーを叩いている書斎もまさに独立した空間だ。なのでどうせならこの書斎をもっと神格化して神聖な場所にするというのはおもしろいかもしれない。(職場を神格化する掃除)
例えば、書斎に入るときは一礼をして中に入り、スーツを着用するように心がけるとかだ。そうすれば怠けることもないし、効率の良い仕事ができるかもしれない。この書斎を神聖なものとして捉え神を作るということができるのだ。神というとなんだか怖い感じがするが、世に出てくる神様はそんな風にできている。トイレの神様とかそれにあたる。

この書斎を神格化したら将来子どもが生まれた時に、この部屋に入れば勉強をしなければならないという空間を作ることができるかもしれない。しかしながらこの書斎で僕は時々怠けたりしたいのでそれはやめておこうと思う。


西陽が沈んで今日も一日が終わろうとしている。そろそろ夕飯ができただろうか。うだうだ言ってないで早くキッチンに立てよというお叱りは今日のところは勘弁してもらいたい。


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