『1/3の純情な感情』SIAM SHADE (思い入れのある曲シリーズ)

今日はSIAM SHADEの中でも最も有名な曲、『1/3の純情な感情』を取り上げたい。

この曲はるろうに剣心のタイアップになっていて、当時アニメは観ていたはずなのに、アニメの曲という印象は薄い。

この曲を聴いた時に脳裏によぎるのは緋村剣心ではなく、だだっ広い草原のような場所で演奏するSIAM SHADEの5人である。
あのPVを当時Mステで初めて観て、何だか男くさいバンドだなぁと思った記憶がある。

1.SIAM SHADEというバンドについて

当時のヴィジュアル系全盛の中、SIAM SHADEの立ち位置は独特だった。
わかりやすくヴィジュアル系に振っているわけではないけれども、何となくその界隈のバンドとの繋がりがあって。

かと思えば曲はHR的な男らしさが目立ち、メンバーそれぞれの見た目もヴィジュアル系のそれとは全く違うという。

SIAM SHADEについてよく言われる特徴として、『テク二カルなバンド』というものがあると思う。

確かにそういったテクニカルな要素を全面に出した曲はたくさんある。

また、男性限定ライブが猛烈な盛り上がりを見せていたように、『男くさいバンド』という評価もよく言われているように思う。

ヘビーなリフで押す曲に野太い声のコーラスが入り、ライブでは男性ファンのコーラスが響き渡ることが想像に難くない曲もたくさんある。

2.『1/3の純情な感情』を巡る不思議

しかしながら、この『1/3の純情な感情』はそのいずれでもない、メロディーに最も重きを置いたように感じられる曲だ。

こうなると、SIAM SHADEに前述の二要素を求めているファンにはこの曲は受け入れられないのではないか?とも思えてしまうが、意外とそんなこともないのである。

これは自分の周りだけの話だけれども、SIAM SHADEの他のメロディー重視の曲はそこまで‥と言うファンは多々いるが、この『1/3の純情な感情』はそんなファンにも肯定的に捉えられている印象がある。

何故そうなるのかは考えてみてもよくわからなかった‥るろうに剣心補正があるんだろうか。


3.半音下げの不思議


この曲はギター、ベースともに半音下げで演奏されている。

曲のキーはイントロ後の間奏とAメロはC#メジャーで、それ以外のパートはEメジャー。

これだけ見ると、C#メジャーの箇所は半音下げの方が演奏しやすいだろうけど、それ以外のEメジャーパートはレギュラーチューニングの方が弾きやすいのでは?と思う人も多いのではないだろうか。

ところがどっこい、この半音下げは基本的にはEメジャーキーの箇所を弾きやすくするため、更に言うとイントロから聴くことのできるあの名テーマフレーズを弾くために行われているものだと思われる。

半音下げにすると結果的にFメジャーキーを弾くようなポジションで弾かないといけないのだが、そうなるとF#の音を3弦の開放で鳴らせるようになるのだ。

テーマフレーズはコードが変わってもこのF#の音が鳴り続けていることで、独特の雰囲気を醸し出している。

派手ではないかもしれないけど、印象には残る、何とも渋いフレーズでとても好きだ。


4.細かいお気に入りポイント

まずはど頭のサビが終わった後で、ギターのテーマフレーズのミュートが徐々に解かれていくところ。ただでさえ渋い名フレーズに細かい表情の変化が足されて激渋である。

次にAメロからBメロへの移行時の転調。サビ前ではなくここに転調が入っているのが独特。サビで転調する曲は多々あるが、Bメロで転調する曲は少ないのでは。

次に1サビ後のツインリードのハモリフレーズ。
正直この曲はここが1番好き。聴いていても弾いても最高に気持ちいい。
弾いてみると意外と運指が独特で、行ったり来たりしているように感じる不思議なフレーズだ。

2サビとラスサビの中間地点に現れるC#メジャーブレイクも心地いい。

ラスサビ前のツインリードフレーズはどこまで音を伸ばすのかが弾いてみると難しいが、DAITAさんはもちろんバッチリ決めてくるのでとても聴いていて気持ちいい。


他にも良いポイントは色々ある気がするが、今回はこれくらいで。
SIAM SHADEは他の曲もまた書いていきたい。

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