見出し画像

2022年にチャレンジしたもの

今年のはじめ、こんなnoteを投稿していた。

2022年ももうすぐ終わりを迎えようとしている。だから今年をちょっと振り返ってみたい。気がちょっとはやいと思われるかもしれないけれど、でも毎年12月は本当にあっという間に過ぎていくから、忘れないうちに言葉にすることにする。

枠の中でやろうとする限り、ずっと葛藤や物足りなさを感じ続けるのだろう。それに絶望した気持ちにも少しなっていたけど、いっそのこと振り切って自分自身のやりたいことが思う存分できる場作りに自分の力でチャレンジしてみたらいいんじゃないかと思うようになった。去年書いた「地に足つける」ということとは少し変わってくるけれど、そう思ったときの方がわくわくするんだ。なんか今は。

これが、決意表明の投稿の最後に書いたこと。まわりを気にして、立ち位置を気にして、どこかくすぶっていた2021年を振り返って、2022年はやったるぜと思っていたのだと思う。
実際に今年はかなり教育現場から町に飛び出していった感じもするけど、どれもやりっぱなしで一つ一つを振り返ることができていなかったので、このタイミングで内省しておこう。


1.地域食堂うれしか

地域の中で子供の居場所作りをしたいと思っていた去年の今頃。そのタイミングで町内で地域食堂を立ち上げる話があると聞きつけ、代表の方にコンタクトをとった。
立ち上げメンバーは中学生のお母さん世代の方々+想いに賛同した20代〜60代の町の人。子供の居場所としての機能もそうだけれど、孤独感を感じる人たちが集まれる場にしたいという話を聞き共感してわたしも関わり始めた。

ゼロベースで物事を始めることは簡単ではなくて、見ている方向を統一することが特に大変だったなと思うし、その大変さは現在進行形で続いている。だけど、少しずつ町の人に知ってもらえて、毎回いろんな人たちが来てくれて、活動も応援してもらえて。そのじわじわと広がっていく感じをリアルで体感したことはとてもよかった。

インスタをずっと使っているという理由なだけで(!)、SNSの中の人もやらせてもらっている。デザインのプロでもなんでもないので拙いものではあれど、人にどう見せたいのかを意識しながら投稿を作ることは楽しいし、「いつも見ているよ」「投稿の色合いがうれしかっぽくて可愛いね」と言われることもあって嬉しい。

何よりも、自分が地域の中に飛び込んでいくことで、町の人のことを「町民」という大きな括りじゃなくて「いつも来てくれる〇〇さん」とか「一緒に遊んだ△△ちゃん」とか、そんな温度感のある捉え方をできるようになったのが得たものとしては大きい。

運営メンバーとの交流もわたしにとっては癒しで、地域食堂後に賄いを食べる時間がとても好きだ。町におばあちゃんができたような気持ち。居場所づくりをする側だけど、作る過程がすでに私たちの居場所として機能しているんだろうなと思ったりした。

課題は山積みだけど、これからも自分なりのペースで携わりたい。


2.「話したい、知りたい、〇〇のこと。」イベント

うれしかで一緒に活動していた方といろんなことを話しているうちに、あれよあれよと人の輪が広がっていってできあがったイベント。

東京で一度だけ参加した「しごとバー」というイベントがずっと心に残っていた。清澄白河のリトルトーキョーで行われていた、いわゆる異業種交流会。あの人がわちゃわちゃ集まって、交差して、何か生まれる感じがとても楽しかったなあと思い返していたタイミングで、あかねちゃん何かやりたいことないの?と問われたので、「しごとバーみたいなことがやりたいです!」と本当に思いつきで言葉を口にしたら、周りの人が「やろうやろう!」と協力してくれて、実現していった。みんながサポートしてくれたのでわたしは「こんなことがやりたい」という気持ちだけで突っ走ることができた。

色々と考えて、コンセプトは「日常が5ミリ変わる、ワクワクする出会いを作る」にした。
この頃、特に協力隊の仲間と話すことが多く、「何かやりたいけれど、誰に相談したらいいかわからない」「なかなか前に進めない」という声を聞くことが増えていた。
相談相手がいないなら、人に出会える場があればいい。それも、ただの出会いじゃなくて、人の想いや人生そのものに触れられるような出会いで、そこで価値観の交換なんかができたらいい。
そう思って内容を組み立てた。ゲストに人生で大事にしてきたことや今考えていることを話してもらうゲストトークと、その後に自由に参加者同士で話すフリートークの二本立て。完全にしごとバーのオマージュだ。

開催場所は今年オープンしたにっぽうの家。オープン時のマルシェに行ったとき、リビングでコーヒーを飲みながらゆったりと会話した時間がとても心地よくて理想的だったから。
にっぽうの家の管理人さんにこういうことがしたくて、と話したら快くOKをしてもらった。

初回ゲストにお願いしたのは一緒に教育関係の仕事をしている友達。そして2回目はお世話になっているサイクルガイドさん。どちらもとても素敵な方だから、ぜひみんなに紹介したいという気持ちで当日はファシリテーションをした。

そして光栄にも、町民初めてのにっぽうを書かせていただいた。

2回やってみて、よいイベントになるカケラみたいなものはあったんじゃないかなあと思う。普段会わないような人と会えて、生まれない交流が生まれた。2回目はちょっと遠い町内の山間部だったり、町外からも人が来てくれたりして。回数を重ねていけばさらに良くなるような気もした。

だけど、自分自身が未熟でその場を楽しみながら運営するということが上手くできなかったこと、本来業務が精神的にしんどくなってきてしまったので両立が難しくなってしまったこと、このイベントを生業にしていくわけではないのに周りに金銭的な負担をしてもらいながら実施することが心苦しくなったことが重なって、二回実施したのちにいったんお休みすることにした。

そう遠くないいつかまた、このイベントを復活させたいなあという気持ちでいる。

靴がたくさん。お家みたい。


3.上映会「のんきシネマ」

協力隊の仲間たちと、妄想を実現させたイベント。

最初は協力隊後輩の女の子と飲んでいるときにした話からスタートした。何かやりたいけれど業務の中でやるのも限界があるし、副業もできないし、一体どうしたもんかねえと飲みながらもやもや話していたときの、「だったらもう、自分たちで面白いことやっちゃおうよ!」みたいな、完全にお酒の席のノリだった。

企画内容自体も、「映画見たいね」からの、「野外上映会とか憧れるよね」からの、「そもそもこの町って映画館が遠いし、なかなか行きづらいよね」からの、「特に子連れで映画館って気を使うし行きづらいよね」からの、「じゃあ小さな子供も含めてどんな人でものんびりと映画が見れるような上映会イベントをしたら楽しくない!?」という、勢いだけで決めていった。

決め方は軽いけど口に出したことはやる主義なので、実施に向けて6月ごろから動き出し始めた。ただ、いざ始めると膨大にやることがあった。作品の選定とDVD調達、会場決め、資金調達、広報、機材準備…などなど。何をするにもお金は必要だ。だけど、わたしたちはとにかくお金がないので、町が用意している助成金を使ってイベントをすることにした。
申請するには有志団体である必要があるらしく、これもまたノリで団体を作った。協力隊同期の頼れるお兄さんに「代表やってくれませんか?」とお酒の席でお願いしたら、二つ返事でOK。みんな軽い。

こんなふうに深くは考えずに始めた企画で、「何か面白いことがしたい」という気持ちが1番の原動力だった。だからこそ、上映会の目的もとてもシンプル。

いつもと違う場所で、泣いたり、笑ったり、会話を楽しんだりできるのんびり和やかな雰囲気の上映会です。
子連れでも、友達同士でも、お年寄りでも、誰でもお待ちしています。

これが、わたしたちの上映会「のんきシネマ」のチラシに書いた説明。これ以上でもこれ以下でもない場所。あとは自分たちが心から楽しむ。
この指針にそって場を作ればいいということが、わかりやすくてよかった。

有志団体として動き始めてからは、なんかもうお祭りの準備みたいで、大変だけど楽しかった。出店してもらいたい人にお願いしたらみんな快く協力してくれて嬉しかったり、映画といえばポップコーンでしょって言って家でポンポン試作したら部屋中ポップコーンくさくなって大笑いしたり。

死ぬほど膨らんだポップコーン

メンバー3人、いつもはバラバラの場所で働いている。それぞれが普段の場で得たものを持ち寄って、また別のものを作るということはとても面白かった。みんなバックグラウンドは異なるしベースに持っているものは違うけど、同じくらいフットワークが軽かったりといろいろと絶妙なバランスで成り立っている3人だった。準備は総じて楽しいことの方が多かった。

ただ、一体どれくらいの人たちが来るのかは自信がなかった。予定していた30席のうち事前予約では半分くらい埋まっていたけれど、直前の天気予報は降水確率100%の全体の雨量74ミリ。これ以上にないくらいの最悪なコンディション。
2、3人くらい来たらいいな…なんて本気で思っていた。出店してもらう予定だった飲食ブースは前日に全部屋内での開催に切り替えた。

当日、10時にイベント開始。外は土砂降り。
だけど、気づけばどんどん人が集まって、会場の廊下はぎゅうぎゅうだった。普段仕事で関わっている生徒も来てくれた。ろくに広報もできていなかったのにみんな一体どこで知ったのだろうかと思うくらいに人が来て、結果的に延べ60人くらいはいたらしい。

当日の手伝いには友達も来てくれた。協力隊でもなんでもない、この町でできた友達。別に普段ボランティアや地域活動なんてしないだろうに、お願いしたらいいっすよって言ってくれたのが嬉しかった。

上映会は14時スタート。結果的にお客さんの半分以上はちびっこたち。みんなポップコーン片手に映画を見ているのがとても可愛かった。長編映画を通しで見るのが初めてだった子もいたようだった。
親の手を離れてみんなで映画を見るという体験ってすごく特別なものだと思うんだ。彼らの心のどこかにこの上映会のことが残ってくれたら嬉しい。

子供が映画を見ている間は、隣のカフェスペースでゆっくりコーヒー飲みながら本を読んでいる夫婦がいたり、外でお友達同士でしゃべっているお母さんたちもいたりした。最後にもらったアンケートには「こういう場があってよかった」「定期的に開催してほしい」との声が書かれていた。

廃校の教室で映画を見た

自分たちがやりたいと思ったことをゼロから作っていくこと、いろんな人を巻き込むこと、それが気づけば人に届くものになっていくこと、今までにないようなものの作り方をしたので、いろいろと学ぶことが多かった体験だった。
何よりも一緒にはじめた協力隊の女の子が、打ち上げでとても嬉しそうに「はじめてやり通すことができた」と言ってくれたのにじーんときた。にっぽうの家でのイベントをはじめるときに、「何かしたいけど誰に相談したらいいかわからない」と言っていた子だったから。一緒に手探りで物事を作り上げた経験が、この子とできてよかった。

こんなことをしていたら

上に書いた以外にも、協力隊のコミュニティを作ろうと奔走したり、空き家を探してみたり、なんかいろいろとしていた。そんなこんなで、気づけば2022年が終わりそう。

一つ一つを見るとバラバラで、こうしてやったことが何に繋がるかなんて今はわからない。
だけど確実に言えるのは、どれも「やりたいことができるよう、自分自身の力でチャレンジしてきた」ものだし、実現させるために自分だけではなく色々な人の力を全面的に借りた。そのおかげで町がさらに好きになったし、愛着もわいた。
そういうことの積み重ねで、きっとこれからも生きていくのだと思う。

さて、来年は何をしようか。また楽しいことの計画を練っていきたい。

この記事が参加している募集

振り返りnote

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?