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自己紹介のボカロ10選

 こんにちは、anmoと申します。
 vocanoteを始めてみようかと思っていた矢先、恰好のテーマ現る。その名もマイリスコンピ企画「こんな曲が好き!自己紹介の10選」。乗るっきゃないね!ということで参加させていただきます。

1.思い入れのある曲を集める
2.今でも新曲をチェックするボカロPに絞る
3.なんとか10曲におさめる
以上の荒波を乗り越えつくられしマイリストを、早速どどーん

と載せたところで、曲紹介へ参ります。


01: croak(2008)

・「初音ミクのドナドナ」で初めてVOCALOIDの歌を聞く
・「Ievan Polkka」「みくみくにしてあげる♪」「メルト」と王道を進む
・SP1時代にニコニコ動画に登録する
 という流れでボカロを聞き始めた2008~2009年。そんな初期に出会ったのが、ずどどんPの「croak」でした。物語の幕が開いたことを予感させるイントロ、増えていく音色、静けさと激しさ、カラスの鳴き声、行き着く結末。10分という時間の中で繰り広げられる展開はさながら映画のようで、こんな曲があっていいんだ、と衝撃を受けました。全てをかっさらっていく緊張感がたまりません。サイバーパンクな世界観でアニメ化してほしい。

 ずどどんPの投稿曲には「absurde」や「」など爆音で聞きたい系統のものもあれば、「slight light」やアルバム『queens quiet quintet』のようなウィスパー系ボーカルを使ったものもあるので、croakが嫌いじゃなければ他の曲もどんどん聴いて、激しいのはちょっとということであれば白っぽいサムネを選んで聴いてみてもらいたいです。


02: アンシクロペディストの見た夢(2010)

 2010年。聴いたボカロ曲を記録し始めた年。年間の10選を始めた年。だんだんと自分でもボカロ曲も漁り始めたのがこの頃で、そのきっかけのひとつがk_zero+Aさんの「アンシクロペディストの見た夢」でした。再生ボタンを押して、深呼吸をして、響いてくるミクの声とピアノの音色。サビに至る盛り上がりに震えます。

 k_zero+Aさんは、寂しくもどこかやさしい「Re:al1」、巡音ルカの声が合う「あくびの日々にひび割れを」、10日Pとのコラボ作「夜更けのシュクレ」、アンシクロペディストの見た夢のあとに聴いてほしい「夢に住むyakamoz」もおすすめです。


03: 悪いことはしちゃいけないよ(2010)

 2010年10選を選び終えた年始に人の10選で知り、年内に聴いていたら絶対に入れたと悔やんだ、きくおさんの「悪いことはしちゃいけないよ」。白くて明るい怖さの手招きに惹きつけられて、きくおさんの曲を追うようになりました。

 「幸福な死を」「ごめんね ごめんね」などで語られる歪な関係性には刺激を与えられました。それらとは雰囲気を分かつ「UFO」や「Sea Is」の浮遊感も気持ちいいです。アルバム『きくおミク5』の「交信交信交信中」も素敵でした。


04: からっぽのまにまに(2010)

 ピノキオPは昔の曲も最近の曲も好きなのですが、思い入れという観点からこの曲「からっぽのまにまに」。ギターをお供にひっさげた、投げやりなんだけど前向きな歌。“なんとなく 君と笑っていたいの”というフレーズで今日も酒がうまい。

 そのほか、「モチベーションが死んでる」は自分のテーマソングにしたいぐらい好きですし、「ひとりぼっちのユーエフオー」「m/es」「東京マヌカン」「遊星まっしらけ」など、ただただつよさで殴ってくる曲もいいですよね。そして「ベニチオデルトロ」のアウトロはない。


05: 39転調(2011) 

 西島尊大さんの「39転調」。楽しいという一言に尽きます。歌詞にある通り、行き詰まったときの休憩にぴったりな元気の出る曲です。ジャズ好きの方はより映像をお楽しみいただけるそうな。

 「39転調」はご本人によるアレンジも素敵です。10選に選んだ上記の動画が原曲で、2011年12月投稿の「【初音ミク】39転調【初音ミク】」、2015年3月投稿の「【初音ミク】1009転調【オリジナル】」、初音ミク10周年記念に投稿された2017年8月「【初音ミクV4】39転調【オリジナル】」があります。最新曲「よるをおよぐ」は懐かしいフレーバーのするおしゃれな夜のうたとなっています。


06: Queen Of Elephants(2012)

 私的にVOCALOIDと歌ってみたといえばpekaedyellowさんで、「Queen Of Elephants」は特に好きな曲です。聴いてください、この痺れるかっこよさを。使用されているVOCALOID歌愛ユキは“ボカロ小学生”という看板を背負うキャラクターなのですが、可愛らしさもありつつハスキーな声が、気怠げでアダルトな曲によく似合うという素晴らしいギャップを持っています。

 「神様の憂鬱」や「幸福薬」「洗濯物が乾かない」「妖怪ほたる女」などなど、pekaedyellowさんの曲がどれかひとつでも好きなら、マイリストの巡回をおすすめします。


07: SOUND WORM(2013)

 地下で出会った蠢くもの。36度の生あたたかさを感じるが、それはけして人間ではない。エログロ電子ドラッグによるエイリアンの侵略。そんな松傘さんおよび松傘ミクの「SOUND WORM」で、それまでに何度も覆された初音ミクのイメージを、また盛大にひっくり返されました。

 「煙の殺意」や「エイリアン・エイリアン・エイリアン」もクールですが、ノーマルな初音ミクが歌う「Shooting star」や、桃音モモ・春歌ナナの「サマータイムの過ごし方」といった、不気味ににゅるにゅるしていないテイストの曲もありますのでぜひ。


08: 夜の終わり(2015)

 梨本Pの曲を聴いてたい夜というのが時折ありまして、そんな夜の締めくくりにぴったりなのが「夜の終わり」です。湿っぽい暗い部屋に差し込むやたらに白くてまぶしい光が目に浮かんで、胸がいっぱいになります。

 「童貞三十歳」「おえおえお」といった実家のような安心感のある梨本P曲も定期的に補給したくなります。今生の骨身に染みる歌詞です。


09: パイロキネシス(2016) 

 イントロから泣きそうになるsaiBさんの「パイロキネシス」。広大な空を思わせる音の重なりによって、視野が一気に開ける感覚がします。サビの高音やラストのやさしいピアノがまた涙を誘う……。

 ゴリッゴリなサウンドの「寂しがりRABBIT」や「オドロシライダー」もよだれが出ますが、ひとまず「愛ト茄子ト平和ナ果実にPVつけてみた」のクオリティと世界観に撃ち抜かれておくとよいと思います。

10: フリーはフリーダム(2016)

 ミ゛ク゛さ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ッッ


ああああああミクさんミクさんアイドルで小悪魔で宇宙人でふつうの女の子でスパダリでひきこもりでアンドロイドで殺人鬼でネギが好きでVOCALOIDなミクさん!!!!をひっくるめて自由の女神とでも呼ばせていただきたくなるのが、円盤Pと初音ミクがタッグを組んだミックホップ「フリーはフリーダム」です。単純明快にかわいい&かっこいい。

 にやけてしまって困るぐらいあざとい「はぅとぅABC」や中毒性の高い「ステップをふむ」も素敵ですよね。GUMIが歌う「大怪獣ニッポンゼンメツ計画」の、こどもっぽい口調の絶妙さも楽しいです。


あとがき

選んでいる時はあれでもないこれでもないと悩んだのですが、決めてしまうと「そうだよね、こういうの好きだよね」って感じのラインナップとなりました。あの頃は好きだった曲ではなく、ずっと好きであろう曲を集められたように思います。それではまた。