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12万㎡の土地を開発した男の不動産学校 :4時間目「道路 ~土地に至る道路編~」

【著者プロフィール】
✔ 不動産開発に携わって15年
✔ 住宅・商業施設・ホテル・物流施設の開発経験
✔ 関与した計画の総土地面積:約12万㎡、総土地代:約400億円

3時間目は土地に接する道路についてお話しました。
https://note.com/n_arc_jack/n/nc2df2cb07eea
次は「道路 ~土地に至る道路編~」についてお話します。

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至る道路とは、簡単に言うと「大きな幹線道路から対象とする土地へ向かうときに通る道路」のことで、主に「物流施設」と「商業施設」の開発において大きく関わってきます。

至る道路によって不動産開発が規制されるポイントは以下の2点です。
 ① 環境アセスメントによって開発する建物の面積が制限される
 ② 大型車の通行規制によりトラックが対象地へアプローチ出来ない


① 環境アセスメントによる開発面積の制限
「環境アセスメント」とは、環境影響評価制度と言われるもので、大規模な不動産開発によって、周辺の自然環境(大気、騒音、動植物、等)や交通インフラに対して、どういった影響を与えるのかを調査し、その対策を講じるためのルールです。

物流施設や商業施設といった大規模な開発では、トラックの往来や来店者の車両等、周辺の道路において渋滞を引き起こしかねません。そのため、幹線道路から対象地へ至る道路への影響を調査し、想定される交通量の増加に耐えられない場合には開発する建物の面積を縮小しなければならないのです。

これが至る道路によって不動産開発が規制される一つ目のです。


② 大型車の通行規制によりトラックが開発計画地へアプローチ出来ない
こちらは単純に、幹線道路から対象地への至る道路において、大型車規制があると、物流施設ではトラックが通れないという致命的なことになりますし、商業施設においても商品を小型トラックで頻繁に運ばなければならずコストアップ要因となります(そもそも店舗テナントが出店してくれない事態にも…)。


【番外編】 へび玉道路について
「へびが卵を飲み込んだ時、細い身体の一部が膨れている様子」から、下図のように至る道路は狭いのに、開発計画地の前面道路だけ拡幅した道路を『へび玉道路』と言います。

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へび玉道路は、マンション開発において出会う機会が多く、行政によって指導内容が異なりますので、よくよく確認しないと開発が認められないこともあるので注意が必要です。

これにて、4時間目が終了です。
5時間目は「登記」についてお話させていただきます。

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