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記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。

テイルズオブゼスティリアの炎上の話。

記事テストも兼ねて、前々からモヤモヤしつついつかどこかで吐き出してみたいと考えていたことを。
この記事ではタイトルの通り「ゼスティリアの炎上」というのを取り扱っています。これは、2015年に発売されたテイルズオブゼスティリアというRPGゲームにまつわる炎上、に対する考えをぽつぽつと連ねるだけの記事です。
が、文句だけを挙げ連ねる訳ではなく、どうすれば納得できたのかな?という部分も併せて数年考えていた事を書き出す事になるかと思います。
なので、そもそものゼスティリアの炎上とは?という部分は簡単にだけ上げます。詳しくは纏められた記事が色んなサイトにありますので、そちらを参照して下さい。
この記事ではヒロインというポジションについてがテーマの主軸にもなりますので、歴代のテイルズシリーズ、他のゲーム(FF、DQ、他)などのネタバレも含みます
ネタバレは見たくない!という方は、そっと記事を閉じて、ここから下は読まないで下さい。

そして権平(筆者)はゼスティリアをクリアしていません
理由は後述しますが、そんなちゃんとクリアしていない人間の書く記事でもありますので、しっかりした考察とかクリアした上での感想を求める方も、そっと記事を閉じることを推奨します。
そしてネタバレする歴代シリーズも、ここ数年触れていないものもあってうろ覚えな箇所もあります。当時の記憶を頼りに書いている部分もありますので、そこは多めに見てくださると幸いです。
ゼスティリア自体、炎上を知ってからなかなかストーリーが頭に入っていかなかったり当時の炎上の印象に引き摺られて脳内で改変されている可能性もあります。とんでもなく長いので、緩く読んでくださると。

考察というより、好き勝手し過ぎて脱線している語りです。ご了承ください。
重ねて書きますが、考察ではありません

最後まで書いた後改めて見ると、中々語れる場が無い反動で、歴代シリーズのヒロイン語りに脱線していたりします。
多めに見てください……!






そもそもゼスティリアの炎上とは?

発売前の情報では明言は無かったとしても、明らかにヒロインとして扱われていたアリーシャというキャラクターが、実は序盤にしか仲間にならないモブに近いサブキャラ扱いだった。その上で、実は本当のヒロインであったロゼが、主人公すら食ってしまう上に矛盾した設定を盛りに盛られてしまった問題。
発売後暫くして炎上し、DLCで有料でアリーシャの服を買ったプレイヤーが怒っていた記憶があります。当時の印象としては、公式側はアリーシャとロゼは互いの服を兼用出来るから問題無いと思っているのに対して、購入者はアリーシャに着せたくて買った!と最もな怒りをぶつけていた感じ。同じくDLCで発売後一週間と経たずくらいで配信されたアリーシャを主人公としたアフターストーリーが高額で、本編は不完全で有料で後に補完しようとしていたのでは?ということも追い討ちとなっていた気がします。
そこからゼスティリアの内容の足りなさや矛盾やら、バトル中のカメラの問題など色々な部分での不具合や不満が爆発して、公式サイトを中心に長期間に渡ってあちこちで大炎上していた……というのが、ザックリとした当時の印象です。
ただし権平は炎上自体は若干乗り遅れたので、どの順番で問題が露呈して炎上したかは知りません。炎上箇所も多く、いつもの感覚からすれば早すぎる発表をされた次回作がゼスティリアの過去編だった時も燃えていた記憶があり、ほんと長い間燃えていた問題だったと思います。



自分にとってのテイルズシリーズ

自分語りになりますが、権平は兄弟がPS版ファンタジアをやっているのを見ていた頃からテイルズを知り、初めて触らせてもらったのがエターニアでした。自分で買うようになったのはデスティニー2かPS2版シンフォニア(GC版は兄弟が買った)からで、そこからマザーシップはほぼ予約してまで買うほど好きなシリーズです。ストーリーは勿論ですが、兄弟で一緒にプレイ出来る感覚的なバトルが好きで買っていました。
皆で進めるのが楽しくて、終わるのが勿体無くてだいたいラスボス前でダラダラしてしまい。初めてクリアしたのは一人用でバトルが少しモッサリしていたレジェンディアだった気がします。
ゼスティリアをクリアしていないのは、勿論プレイするのがキツいからというのもありますが、兄弟で一緒にプレイしていたからです。タイミングが合わずに、放置して今に至る、と。1回1回のプレイの期間が開くので、よりうろ覚えだったりします。一応ザビータが加入したところよりは先に進んでいますし、望んだ作品のネタバレを気にしないタイプなのでその後ゼスティリアがどうなるか?というのは炎上の頃に知ってしまっています。
炎上を知ってしまった時。その時点ではネタバレを見る気はなかったのですが、炎上の文字を記事のタイトルか何かで偶然知ってしまい、うろ覚えですが多分何事か?と調べて知りました。まだアリーシャは仲間になるものだと思い込んでいた訳ですから、それはとても大きな衝撃でした。特に炎上を知らない兄弟がアリーシャを使う事を楽しみにしていたので、暫くは心が苦しかった記憶があります。
正直ゼスティリア以前の、PS2版デスティニーやヴェスペリア、グレイセスの売り方にもモヤっとしつつ(今では負の感情もありませんが、パティなんかはxboxの時点で名前の伏線があったので特にモヤモヤした記憶)も、愚直に予約して買っていたほど好きなシリーズで。マルチエンディングがなー、と見送ったエクシリア2(後に買いました)以外は予約日に取りに行くのが楽しみでしかたなかったくらいで。それが、ゼスティリアの過去編というだけでベルセリアを買えなかったほどのショックでした。女主人公なんて好物でしか無いのに、アイゼンを思うと手が出せず。ゼスティリアもクリアしていないので、ベルセリアは未だに持っていません。

なら、どういう内容だったら許せたんだろう?と、ベルセリア発売後暫く経ってから少しずつ考えるようになりました。
長い事炎上していた頃、あちこちで色んな意見が飛び交っていました。その中でも、ロゼを何故暗殺者にしたのか、商人の顔だけだったら良かった、という意見をよく見た気がします。当時は確かに暗殺者という設定が大きな矛盾になってしまった印象を持ちましたが、でもそこを無くすとロゼというキャラが弱くなるな…とも感じていて。
この記事では、歴代シリーズから見るヒロインの形や、もっとこうすればロゼも商人と暗殺者という二つの顔を持ったまま受け入れられたのでは、という部分を語りたいと思います。

これは権平個人の考えなので、ゼスティリアの炎上で尾を引いている当時の購入者の方々は無理に受け入れず「こういう考えを持つ奴も居るのか…」程度に受け流して頂けると幸いです。



ヒロインの形

ゼスティリアの炎上と切って離せないのが、アリーシャとロゼという二人のヒロインです。公式的にはアリーシャはヒロインではありませんでしたが、ここではヒロインとして扱わせて頂きます。

アリーシャは、たった一人で人ならざる者・天族と暮らしていた主人公のスレイが初めて会う人間です。スレイはアリーシャとの出会いをキッカケに、外の世界へと旅立ち冒険は始まる。とても王道なヒロインとの出会いだと思います。現に、その後再会して再び別れた後、絶対いつかはアリーシャは仲間になると思っていました。
ゲーム発売後に放送されたアニメの評価が良かったのは、アリーシャをちゃんとメインキャラに組み込んでいたという点もあるかと思います。逆にアリーシャを上げている感もありましたが、何故アニメの内容がゲームにならなかった……と、当時はそんな声も多かった記憶があります。

しかし炎上後に調べてみれば、アリーシャは離脱後は復帰せず。1度だけバトルには参加するけど、その後やはり復帰せずにエンディングまで行くらしく。
正直アリーシャの復帰が無いのなら、アリーシャと別れた後の先々にアリーシャの武器を置くのはやめて欲しかったです。こちらはDLCと違って現実的には無料ですがロゼとの兼用ではない、という点が悪質だったと思います。財政を圧迫しつつせっせといつか仲間になるアリーシャの為に買っては育てる無駄な時間……個人的には戦闘中のカメラとこの事実が当時はとても大きかったです。
テイルズシリーズの好きなポイントは爽快感のあるバトルでもあるので、カメラの操作性の悪さは炎上を知る前からだいぶ参っていました。敵の股間UPか木々の合間からの引きすぎた絵か、壁越しに見えなかったり……シームレスも入りだけでバトル終了後にリザルト画面や掛け合いがあったりしたせいで中途半端なイメージでした。特に権平は兄弟とプレイしていた関係で、もう一人もちゃんと画面に映さないといけない、というストレスも感じていました。ヒロインとは関係がないので閑話休題。

離脱するにしても、もっと上手いやり方は無かったのか?例えば、リバースのようにヒロインが長期離脱してそもそもパーティキャラではない作品もあります。
発売前の宣伝の仕方ならば、ちゃんとアリーシャもヒロインとして扱った上で、ロゼもヒロインとして欲しかった。それが素直な意見です。

歴代シリーズでは、ヒロインというポジションといっても様々な形がありました。Wヒロインだってそれこそリバースでもそうですよね。
恋愛的なヒロインと物語的なヒロインを分けることだって可能だったはずです。個人的にはエターニアの形に近ければ綺麗だったのでは?と思います。
エターニアは、リッドにとってのヒロインはファラでした。が、エターニアという作品としてのヒロインは、明らかにメルディだったと思います。二つに分かれた世界で、空から降ってきたメルディと出会うところから物語が始まる……これは、ゼスティリアの冒頭に近い流れだと思います。
ただ、ロゼは恋愛的な意味でのヒロインとも違ったそう(ゼスティリアは恋愛要素が無かったor薄かった?)なので一概には言えませんが、それでもヒロインの役割を分ける、という意味ではエターニアはとても理想に近かったのでは?と思います。
あとヒロインではありませんが、リッドを導きつつメインパーティでは無かったレイスというキャラも居ます。アリーシャは長期離脱するキャラという部分を残すのならば、もう少し物語に寄り添わせたりと他にやり方はあったのでは……?と思ってしまいますね。

エターニアと似たようなヒロインの形で、グレイセスもそうかと思います。こちらもヒロイン論争があった作品でした。f前はまだ確定はされていなかったのもあって、ソフィ派かシェリア派かでそれはそれで炎上とまで言えるかはわかりませんが、論争にはなっていたと思います。
個人的にはソフィ派でしたが、恋愛的な感覚はありませんでした。初恋はソフィだったのかなぁ?程度で。
ソフィもメルディと同じく、別の星から降りてきた存在で、その出会いから物語が始まるのは共通していたと思います。そう考えると、同じシリーズでも似たようなヒロインの形があっても良かったのでは?と思いました。

恋愛要素のあるW(トリプル?)ヒロインといえば、レジェンディアですかね?クロエはヒロインとは違かったと思いますが、結果的にヒロイン扱いされているイメージがあります。
個人的には正ヒロインのシャーリィエンドだったと思います。ストーリーだとレジェンディアが歴代シリーズで一番好きだからこそ、クロエがヒロインと言われると違和感があるんですよね。クロエのCQのラストで、ちゃんとしっかり気持ちに蹴りをつけた、クロエの決意を無かったことにされているみたいで。勿論、二次創作でならどう描いても自由だとは思いますが。
因みに3人のヒロインの中ではステラ派で、一番好きな女性キャラは別に居たので割とフラットな目線でシャーリィとクロエを見ていると思います。その上で、セネルはステラを思い出にしつつシャーリィと向き合う事を選んだ、というのがプレイをした頃の印象です。
主人公に好意を持つヒロインではないキャラも過去には居ましたし、クロエはそのイメージなんですが……好きが過ぎて脱線しました。レジェンディアもいつか語りたいです。
思えばレジェンディアのヒロインは、リバースと違ってパーティキャラになりますが同じく長期離脱型でした。過去にも長期離脱するヒロインが居たのなら、やっぱりアリーシャの扱いはもう少しどうにかならなかったのか?と思ってしまいますね。

正ヒロインがコレット、という印象が強い上で選択式だったシンフォニアという作品もあります。DQ5のビアンカみたいな感じですかね。公式からメインヒロインとして扱われつつ(子世代の絵が金髪だったり)、フローラ(リメイクでは増えましたね)とから選べるヒロイン、という形です。
本編ではデートイベントくらいのイメージですが、続編では女性陣は完全に恋愛関係だった描写があった記憶があります。
そうやって、アリーシャとロゼのどちらかを選ぶという形でも面白かったかもしれません。
プレイヤーが二人で固定だと言うのなら、ヒロインではありませんがクラトスとゼロスのように片方しか選べない……というパーティキャラの選択の形もありだったんじゃないか?と。

テイルズシリーズではありませんが、FF7がゲームで一番有名なWヒロイン作品……かな?と個人的に思っています。ので少し触れます。
リメイク版では、FF7のリメイクというよりは「FF7」という物語をリメイクする作品、というイメージで個人的には別物なので、ここではリメイク版は無いものとして語ります。
権平はエアリス派ですが、本編終了後は徐々にティファがクラウドの傷を癒す未来もあるのでは……と思っています。一生独り身というのは酷ですし。でもACを見るにあながち間違っては居ないと思いました。エアリスのことをズルズルと引き摺っていることから、公式的にもどちらかというとエアリス寄りで、でもAC後は少しずつティファを見るようになっていくのかな?と。引き摺り過ぎて軽くなったという言葉からも。
そういう、物語の中で心変わりをしていくヒロイン像も有りだと思います。ステラからシャーリィに向き合ったレジェンディア然り。

こうして、テイルズシリーズといえど様々なヒロインの形がありました。
Wヒロインでも必ずしも恋愛と絡むわけでもない。ヒロインではなくとも主人公に片想いのキャラ。主人公がメインキャラ以外の人物と両想いだったこともあります。主人公の心変わりや、選択肢から選ぶものなど。似ているようで、人物や物語が違えば全くの別物と認識されると思うので、意識せずに似たような形にすることもアリだったと思います。
レイスやクラトスのように、ヒロインではないにしても長期離脱する・スポット参戦といえばアビスのアッシュもそうでしょうか。ヒロインではなくてもそういう存在も居るなら、いっそアリーシャとロゼもどちらもヒロインという枠組み以外で組み込めばよかったのでは……とも思います。事実、パッケージの位置や裏の煽りを見れば、ライラがヒロインに見えなくも無いですし。
ヒロインの形、で触れるには本末転倒な気もしますが、散々好き勝手語れたので、次はこのヒロイン以外の可能性という考えにも触れるもう一つの話に移ろうかと思います。



ロゼの設定について

「実はヒロインはロゼでした!」という公式からの発売後の後出しによって、一気にヘイトを稼いでしまったヒロイン。それがロゼでした。勿論理由は人をあやめても穢れない設定だったり、なのにその行為を肯定して持ち上げる仲間の違和感だったりと他に幾つもあります。が、当時の炎上の炎は業火と言ってもいいほど凄まじく、正直言うとパティと違って今でも直視しづらいです。
ただ、正直炎上さえしなければ叩かれなかっただろうという部分にまで攻撃され過ぎていた印象は有ります。振り返れば、ですが。ちなみに権平はROM専で書き込みはしていませんでしたが、炎上当時はショックでしたし、行動に移さなかっただけで公式に物申したい気持ちは分かりました。
でも好きなシリーズだっただけに、ずっと負の感情を抱き続けるのも苦しくて。年単位で暫くしてですが、その内「どうすればロゼを受け入れられたかな」という方向に思考するようになりました。特に、暗殺者である身でありながら穢れない矛盾、についてです。

真っ先に考えたのはPSYCHO-PASSです。
これはノイタミナ枠で放送していたアニメ作品なのですが、まだ視聴していないorまさかPSYCHO-PASSのネタバレがあるなんて!と思ってネタバレされたく無い方はここでこの記事をそっと閉じて下さい。
一応改行挟みます。
PSYCHO-PASSのネタバレをします。






改行は十分でしょうか?

PSYCHO-PASS、というアニメがあります。正直に言うと、とてもゼスティリアの世界観に似ています。世界観が近未来かファンタジーか、の違いで似ています。ストーリーの流れなどをみれば全くの別の作品なのですが、穢れなどの世界観のベースが似ていると言うか……ゼスティリアがPSYCHO-PASSのパクリかどうか、という討論をしたいわけでは無いので、そこはスルーでお願いします。
権平は二期までは知っていますが、しかし随分前でうろ覚えです。三期で主人公が変わったのを知って「えっ?どうなったの??」と気になりつつまだ見ていません。映画は予告か何かを見た?程度で視聴していません。

知らない方のためにザックリと説明しますと、PSYCHO-PASSとはシビュラシステムという人の脈拍やらなんかから様々な感情を測るとんでもねぇシステムが稼働する世界です。犯罪係数という悪いことしそう!な思考を持っていると色相と呼ばれる感情のデータ的なものが濁り、こいつ濁ってるし悪いことしそうだ!とシビュラシステムにより判断された人間・潜在犯を執行官が裁く近未来のグロアニメです。映画で言うとマイノリティ・リポートに近い世界ですかね?未来予知だしだいぶ違うかもしれませんが、実際に犯罪を犯していない時点でも裁かれるという意味では近いかな?と。
PSYCHO-PASSの世界では、刑事のように犯罪者の心理を理解して追うような立場の人間も、色相が濁り犯罪係数が高くなってしまいます。これは、負の感情を抱くと穢れてしまうゼスティリアの世界に近いと思います。
一期の犯人は、そのシビュラシステムから認識されない免罪体質者です。これが体質なのか性格的なものなのか、グロが苦手だけどPSYCHO-PASSおもろい……と読み込めないながら流し見ていた権平には分かりません。が、どうしたら免罪(穢れない)となるかPSYCHO-PASSというタイトル側から、ロゼのことを考えました。

ロゼを語るには、暗殺者である面は外せません。しかし、何故か穢れない。なのに、盲目的な信仰の下大罪を犯しながら穢れなかった人間を見て「罪の意識は誤魔化せない。感じない時点で怪物」とか言ってしまった矛盾が過ぎる設定があります。この台詞ほんとダブスタブーメラン過ぎてもはやギャグでは?と思うほど、個人的には一番ヤバい発言だと思います。
そんなにヤバいならば、いっそのことロゼをサイコパスにしてしまえば良かったのでは?という極論を最初に考えました。PSYCHO-PASSという作品に似ているなーという所から考えた暴論です。
ただ、ヒロインでありながらサイコパスだなんて異例です。確かに上記の台詞を成立させるならサイコパスでなくては無理だろ、とは思いましたが、流石に本当にサイコパスというのはメインヒロインとしてどうかと思います。

なら、知らなかった、という考えはどうでしょうか。閉鎖的な環境で育って思考が偏り、そもそもそれが悪いことだとは知らなかった。商人という一面も、精神的に仮面を被っている状態で外の人と接していたので本質は変わらなかった、と。
そんな中出会ったスレイたちと触れ合う内に、悪いことだと理解していき、心から罪悪感を覚えて穢れていく。

個人的な考えですが、先の最後で書いたように。ロゼのポジションをヒロインだと意識せずに捉えれば、これはアリでは無いか?と思いました。もともと恋愛要素は無く、主人公の相棒的な意味でのヒロインだったらしいロゼならば、むしろ違う呼び名の方がしっくりきます。
それはどちらかといえばライバルというポジションです。アビスでいうアッシュ、ヴェスペリアでいうフレンのという主人公とは対比させた対の位置。
エクシリアという男女主人公とまでは行けないにせよ、スレイを食ってしまうほどの高スペックならば、いっそそれくらいの触れ込みを先にしてしまえば良かったのでは?と。

割と序盤のことでもはやうろ覚えですが、ロゼが天族を認識した辺り。エドナがロゼの体を乗っとるくだりがありました。そこでエドナは、ロゼは長年デゼルが入り過ぎた影響で天族が入り易い体質になっている、と指摘した……そんなくだりがあった気がします。
それを見て、炎上も知らない当時は完全にフラグだと思っていました。後に敵側の天族に体を乗っ取られるリチャード的な展開があるかもしれない、と。
まぁ無かった(らしい)わけですが、このイベントを利用して、後に穢れてそれをスレイが手を差し伸べる。ロゼが自分の弱さを受け入れる成長を描き、最後は互いに認め合う。そういう流れがあれば、ロゼは暗殺者という面を持ちながらももっと多くのプレイヤーに受け入れられたのではないか、と個人的には思います。
逆に滅菌状態の環境で育ち、同じく偏った生活を送っていたスレイも、知らなければ穢れないロゼという存在も居るという事実に苦悩するくだりがあれば。それを受け入れた上で、ロゼを助けるために全力を尽くすイベントがあれば。スレイの主人公としての面も際立つと思います。

これが、今の時点で一番しっくりくる個人的な考えです。
好きなシリーズだったからこそ、なかなか受け入れられなくて。でも、どうすれば好きになれたかな?と考えた結果は、ロゼをライバルポジション・裏主人公という位置に置くこと。今後新たな考え方を思いつくかもしれませんが、今の時点ではこれが権平の考えです。

メインで語りたかったのはロゼのことでしたが、一応アリーシャについても触れておこうかと思います。



アリーシャの設定について

アリーシャの扱いも、今まで散々考えたことではありました。
ちゃんとヒロインとして扱って欲しい。メルディのように物語のヒロインとする形や、レイスのように長期離脱しながらも主人公を導く役割など。ヒロインではなくとも、せめてメインパーティとしてもう少しどうにか出来たのでは?と。

アリーシャは不遇のキャラクターのイメージが強いです。
ヒロイン然として発売前に宣伝していたにもかかわらず、ヒロインではなかった。どころか、メインパーティというよりはスポット参戦のサブキャラだった。xbox版のフレンの方がまだ優遇されていたように感じます。そしてフォローされると思った本編終了後のアリーシャをメインにしたDLCストーリーも散々だったらしい。権平はクリアしていないので見ていませんが、ネタバレである程度は知っています。
そのせいもあって、アリーシャはヒロインでなくては納得出来ない!という気持ちが強く出過ぎている気もします。あくまでもWヒロインだったら、という思考が割と長い間占めていました。
が、ロゼと同じく、いっそのことヒロインという立ち位置に囚われない考えはないかな?と少しずつ考えるようになりました。

そこでふと思い付いたのは、グレイセスのリチャードというキャラクターです。
リチャードの立ち位置はロゼだけではなく、アリーシャにも当てはめることは出来るのでは?と。

リチャードは幼い頃出会ったアスベルとソフィという初めての友達を得ながら、別離をキッカケにラムダを心に宿すことになります。その後、味方のいない環境で何年も戦う孤独な王です。
ラムダと敵対関係にあるソフィと、友人なのに拒絶反応が出てしまう。多くを苦悩して長期離脱し、後にラスボスとして立ちはだかりながらも、続編ではパーティキャラに復帰しました。ラスボスながらも続編でメインパーティに入るのは、エクシリアでもあったパターンですね。

別にアリーシャをラスボスにする、という話では有りません。ただ、アリーシャは自分の存在が導師であるスレイを苦しめてしまう事に苦悩していました。それがキッカケで別離を選んだと言っても過言では無いと思います。
そしてfではないリチャードと近く、仲間になるのはほぼ序盤のみの長期離脱型のキャラクターです。リチャードとは違ってラスボスですらないサブキャラでしたが、メインパーティに加わらないながらも物語の中で苦悩する、メインの外側のキャラクターは今までにも居ました。それこそ、アビスのアッシュやxbox版ヴェスペリアのフレンです。
ロゼと違ってライバルや裏主人公にはなれない。それでも、力が無いからこそ苦悩する人間代表としてなら。もっとアリーシャも放置されずに物語に寄り添うようなキャラクターとして描けたかもしれません。

ゼスティリアの世界では、負の感情を持つ者が穢れてしまいます。王族でありながら弱い立場で、四面楚歌で戦うアリーシャが穢れる、というのは割と自然な流れで組み込めそうです。それこそ導師であるスレイを支えたいのに、ロゼのように側にいられない。そんな自分に無力さも感じるでしょう。
ならば、敢えてその部分をもっと徹底的にクローズアップしてしまえば良かったのではないか?と思うのです。
導師であるスレイや天族の力になりたい。でも側を望めばスレイの負担になってしまう。神威を纏えない自分の無力さ。ロゼへの嫉妬心。そんなものを抱えて苦悩し、穢れてしまう。
むしろ師の裏切りでも穢れなかったアリーシャの意識ってとても強すぎるのでは?と思います。

アリーシャが無力でスレイの負担になるキャラクターだというなら、放置せずにもっと堕ちるところまで堕ちるような流れがあっても良かったかもしれません。ロゼと似たような流れになるかもしれませんが、それこそ二国間の戦争も利用してラスボス側に利用されるような弱さを、ギリギリでより強さを身に付けたスレイによって救われる。
その後ラストに向けて、今度はアリーシャも受け入れられるほどスレイが強くなっていたら、それは成長として描けたのかな、と思います。
もしアリーシャを受け入れられなかったとしても、決戦前夜に本人に受け入れられるような世界にすると覚悟を話すようなイベントがあれば。
同じ街に居ながら決戦前にスルーするって本当ですか?正直そこが凄く信じられません。そこまで徹底的にアリーシャを排除するのんか?と。

ただ、アリーシャの方に関しては、なるべく私情を挟まないようにした上でも、事前の紹介方法的にヒロインではない、という時点でいくらかは燃えたとは思います。
導師の夜明けからして誰が見てもヒロインだろ……という扱いでしたから、ある程度は仕方ないかもしれませんね。



最後に

発売前の情報を見ながらワクワクして。導師の夜明けを見てプレイを楽しみになって。実際にプレイして、高台から夜明けを見るシーンで冒険の先に胸を高鳴らせたあの感覚。
蓋を開ければ大炎上でしたが、やっぱり権平はテイルズシリーズの皆で出来る冒険が大好きです。いつかはベルセリアも買ってプレイしてみたい。ゼスティリアもクリアして、改めてその世界観を見直してみたい。そんな気持ちはあります。
発売延期していますが、アライズではそんなワクワク感を改めて感じる冒険をしたいですね。

脱線してとっ散らかった文でしたが、最後まで読んで下さった方々、ありがとうございます。
こんなと表現するのはアレですが、こんな題材おいそれと外に出せず。長年のモヤモヤを吐き出せて個人的には嬉しいです。