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鳥から想像する生物多様性

「猛禽類が好きなんだよね」と言った人がいた。私は喜々として、星野道夫さんや梨木香歩さんの書籍を紹介した。私自身は鳥が特別好きということはないが、鳥類についての詳しい記述がある二人の作品が大好きだったからだ。

―― 猛禽類がそこにいるっていうことは、鷹やフクロウが食べる獲物がそこにいるということ。猛禽類が生きていられる場所っていうのは、生物多様性が保たれている場所でもあるってことなんですよね。

猛禽類がいる、熊がいるという場所を頭の中に思い浮かべる時、私には、その肉食の生き物が生きていけるだけの広い広い豊かな自然が思い浮かんでくるのだ。

―― なるほど。鳥が好きだと言ってそういう返しをされたのは初めてだなぁ。

その人はそんな受け取り方をしてくれた。その会話をした時、コンクリートに囲まれた街の一画にいた私たちだったが、その瞬間広大な自然の広がりにつながったような気がしたのだ。

人間は想像力でどこまでもいける。

#エッセイ #生物多様性 #鳥 #想像力


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