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Astell&Kern A&ultima SP1000 CP

今回は今年の8月11日に発売になったポータブルデジタルオーディオプレイヤー(DAP) Astell&Kern A&ultima SP1000 Copperを紹介しようと思います。

本体ですが、上記のようになんと木箱に入っています。

本体は銅の塊を削って作られており、重さも約387.9gと結構重めです。銅の色が美しい光沢を放っています。

下から見上げた写真で、USB Type-Cのコネクタと、左側に何やら外部アンプと接続できるような端子も見えます。左側面に曲戻し/再生・一時停止/曲送りの物理ボタンもあります。

右側面の写真で、電源ボタンとボリュームダイヤルを兼用したノブがあります。

本体上部にはiPhoneのSIMカードスロットとかでよくある形のmicro SDXCメモリスロットと、2.5mmバランス接続ジャックと3.5mmステレオジャック(光出力と兼用)があります。

裏面はカーボン調パネルとなっていて、表面の模様が光の当て方で見え方が変わる凝ったデザインになっています。右上に外部アンプを接続したときに固定できるように窪みが設けてあります。

レザーケースも標準で付属します。

レザーケースを入れた状態の写真で、この角度からの写真が最も美しいと個人的には思っています。ボリュームダイヤルは宝石に着想を得たということらしいですが、高級腕時計のリューズみたいにも見えます。

今回からUSB Type-Cコネクタになっていますので、既存のmicro-USBとの変換コネクタがあった方が便利です。なお、本体にUSB C-TypeAの1.2mくらいのケーブルは付属します。

上記のAUKEY製の変換コネクタはmicro-USBタイプの充電器や従来のmicro-USB otgケーブルを接続したりするのに使えるので便利です。価格も2個入りで500円ちょっととリーズナブルです。

上記のようにHugo2などのDACポータブルヘッドフォンアンプと接続するときに使えます。なお、USB Type-C micro-USB変換コネクタは、会社によっては使えないものもあるので要注意です。

SP1000CPからUSBでデジタル出力させてHugo2で聴くスタイルも良いのですが、個人的にはSP1000CPから2.5mmでバランスライン出力させて、外付けのアナログヘッドフォンアンプで聴くスタイルが気に入っています。写真は真空管のポータブルヘッドフォンアンプである、米国ALO audio社のContinental Dual Monoで、ヘッドフォンはドイツBeyerdynamic社のT1 2nd Generationです。

SP1000の良いと思われる所と難点も併せてまとめてみました。

SP1000の良い所
・専用ケースも含めて質感が非常に高く、また本体デザインが大変美しく、専用ケースに収めてもそのデザインが映える
・ハイレゾ音源だけでなく44.1kHz-16BitのCD音源も非常に高音質に再生してくれる
・アンプの出力が高めなのにホワイトノイズは皆無
・DSD音源の曲の切り替わり時にもノイズ発生は基本的になし
・最初から256GB内蔵メモリがあり、外付けSDXCメモリで最大512GBのメモリが使える
・スマートフォンとSP1000を同じ無線WiFiルーターに無線LAN接続しておくとスマートフォン上のAK ConnectアプリからSP1000を操作できる
・意外とバッテリーの持ちが良い(ただしライン出力時はややバッテリー消費多め)
・ライン出力電圧が0.7V、1V、1.25V、2Vと細かく選べる
・ライン出力モード時、2.5mmや3.5mmのジャックを外すと自動的にライン出力モードが解除される安全設計
・電源OFF→ON後約16秒で再生可能状態と起動時間は割と早い
・大量の曲があってもアルバムアートスクロールは速い
・電源OFF→ON時最後に再生した曲を覚えている
・ボリュームロックに設定しておくと画面OFF時にボリュームダイヤルが効かないようになっている
・本体のみでのプレイリスト作成が割と楽
・m3u形式のテキストのプレイリストファイルに対応している

SP1000の難点
・高価格
・約387.9gと重い
・楽曲選択画面の時のようなリスト画面をアルバム選択画面の時にも選択可能な設定を追加してほしい
・音源での検索がDSDかハイレゾPCM音源(MQS)しかないので、ここをもう少し細かくCD音源、ハイレゾPCM音源(MQS)、DSD音源と設定できるとなお良い

なお、音質はポータブルデジタルオーディオプレイヤーではトップクラスです。このようなポータブル可能なオーディオ機器で静寂からホールに響き渡る音まで再現できるものは今まで聴いたことが無く、音質としてはリスニング寄りですが、高解像度なサウンドで、元音源の善し悪しまで分かってしまうくらいの非常に高い表現力を持っています。Hugo2で聴くサウンドも大変高解像度なのですが、SP1000CPは高解像度な中にもアナログ的な暖かみも持ち合わせており、聞き疲れもしにくく特に真空管アンプを通して聴く音は大変魅力的です。イヤホンではReference 8 IEM Cableでバランス接続した米国Campfire AudioのANDROMEDAが非常に合っていて気に入っています。

高価格ですが、恐らくこの音質は優秀なD/Aコンバーター(旭化成製のAK4497eqを左右独立して使用しています)、優秀な内蔵アナログアンプや高度な回路設計、正確なクロックジェネレーター、ステンレスや銅などの一般には加工が難しいがしっかりした剛性やインピーダンス低減が狙える筐体のどれかが欠けても達成が難しい音だと感じています。音質だけでなくデザインや操作性、動作スピード、バッテリー持ち、AK Connectアプリなどのソフトウェアの優位性等も含めた総合力でおそらくこのクラスを越えるDAPは今後他社からはなかなか出て来ないのではないか...そんな予感がする画期的な製品ではないかと思います。

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