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HiFiMAN・HE1000ヘッドフォン視聴レポート

HiFiMANの超高級ヘッドフォン・HE1000を大阪日本橋のe☆イヤホンで視聴して参りました😊✨🎵

HE1000は超大型の平面駆動型ドライバを採用!

HE1000が面白いのは、超大型の平面駆動型ドライバを採用していることです。上の写真の透けて見えるのが全てドライバになっており、ドライバの大きさはおおよそ縦11.5cm、横8.2cmくらいあります😅。まさに超弩級です❗️。なお、お値段も超弩級で、何と中古なのに328,000円もします❗️。世界で一番値段の高いヘッドフォンではないかと思います💦。超大型の平面型ドライバとすることで、より平面に近い音の波面を実現でき、スピーカーで音楽を聴いている時のような、自然な響きが体感できます。これは、SONYのMDR-Z7と同じ考え方です。

上記写真と2つ下のドライバーユニット分解図は、SONYのMDR-Z7のページより。

この超大型平面振動板ドライバパネルは、小さな磁石が集まったハウジングに1ミクロンという極薄素材を採用した振動板にこれまた薄膜化した導体を全面にわたって下の下の図のように蒸着し、これを磁石と磁石の間にうまく配置することで、理想的な平面駆動を維持しながら超俊敏で軽快な応答性を実現しているそうです。鉄道で言えば、従来のヘッドフォンが従来型のモーターであるとすれば、これはリニアモーターカーの駆動方式に近いと言えます。従来型よりも、よりダイレクトに薄膜を全面にわたって駆動でき、如何にも応答性が良さそうです。

従来型のドライバーユニットですと、ボイスコイルとマグネットを中心に配置しますので、僅かではありますが、大きい振動板になりますと振動板の中心と端ではその振動の仕方に時間的な遅れを生じる可能性はあります。ですので、できるだけ振動板は軽く薄く作る必要があり、各社強度の担保と共振させない材料や形で苦労している訳です。むやみに振動板を大きくしないのもそのためであったと考えられます。

HiFiMANの凄いところは、誰もが考えそうな平面駆動という考え方を永久磁石で実現してしまった所にあります。永久磁石は小さくなると力も小さくなり、また、平面ですのでコイルにできないので導体から発生する磁場も大変微弱で、従来の考え方ですと、大きな振動板を駆動するには力が到底足りませんでした。ですので、他のメーカーでは、磁石駆動型ではなく、静電パネルを利用するなどしていましたが、静電パネルは専用電源回路を必要とするなど、装置が大掛かりになってしまう欠点がありました。

HiFiMANの平面駆動型ヘッドフォンは恐らくは最近のハイブリッドカーにも使われているようなネオジム等の希土類を使った超強力な永久磁石を採用し、導体の形を工夫して振動板に蒸着させる等の方法で、しかも振動板自体も1ミクロンという超薄膜とすることで平面駆動を実現してしまったようです。ただ、薄膜にすればするほど膜の強度は低下しますので、これを磁石と磁石の間にどう上手く浮かせて強度を保ちながら撓まないように配置するかがキモになります。振動板を膜の途中で固定してしまうと振動を止めてしまいますし、余計な二次的な振動を起こしてしまって音に悪影響を来してしまいます。

まさかとはおもうのですが、薄膜の振動板をメッシュ状の目の粗いスポンジで挟み込んで強度を保ってるんではないでしょうか?😅。これだと、全面的に薄膜を支えることができます。ただ、振動を抑制しますので、さらに能率は低下します。果たして本当かどうかは分かりませんが....😅

なお、ヘッドフォン自体バランス接続に対応しており、2.5mmのステレオピンジャックを左右それぞれに刺すことができるようになっています。しかし、SONY(3.5mmステレオピンジャック2つ)といい、HiFiMAN(2.5mmステレオピンジャック2つ)といい、ONKYO(2.5mm 4極ステレオピンジャック)といい、各社皆接続方式がてんでバラバラなのは一体どういう訳なんでしょうか😓💦。上記写真は http://sandalaudio.blogspot.jp/2015/07/hifiman-he1000.html より。

またケーブルは3.5mm、6.3mm、4pinバランス端子の3タイプが付属しています。4pinバランス端子は上のような感じですが、これも各社規格がバラバラみたいな感じですね。

上記写真(  http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20140206_634234.html )は、HiFiMANとは違うメーカーのバランスヘッドフォンケーブルの一例です。 見るからに形が違いますね。本当に各社適当に出してます(笑)。きちんとSONYあたりがISOか何かで業界標準を策定してほしいもんです❗️(あまりSONYやる気ないみたいですが😅)

ということですので、HE1000は専用電源回路は必要なく、ごく一般的なヘッドホンアンプを利用できます。しかし、このタイプのドライバは上記に書いた通り、能率が低く、ヘッドフォン自体のインピーダンス自体は35Ωと高くないのですが、かなり出力の大きいアンプが無いと駆動力が不足するようです😅。

肝心の音質は?

HIFIMAN HE-1000は開放型だけあって、音に開放感があります。ただ、やや高域が強調された感じはあります。低音は必要十分に出ています。SONYのMDR-Z7は密閉型なので、ややこもり気味になるのは致し方ない所もありますが、これもHIFIMAN HE-1000と比較したら、という話で、比較しなければ分からないくらいのレベルです。価格差(HIFIMAN HE-1000はメーカー希望小売価格389,800円、SONYのMDR-Z7は55,500円)を考えるとSONYのMDR-Z7は大変良く健闘していると思います。正直甲乙つけ難いですが、低域〜高域にかけてよりフラットかつ自然な感じがするのはSONYのMDR-Z7の方です。HIFIMAN HE-1000 はやや高域が強調されたような印象です。ただ、これは好みの問題もあるかな、と思います。自分はSONYのMDR-Z7で十分かな、と思いました。より開放感があり、スピーカーで聴いた感じに近いのはHIFIMAN HE-1000の方です。ただし、HIFIMAN HE-1000は非バランス接続であり、SONYのポータブルアンプ(PHA-3)接続なので、バランス接続したり、アンプをポータブルアンプでなく、真空管アンプで聴くとまた印象が大きく変わる可能性はあります。HIFIMAN HE-1000はインピーダンスが35ΩとSONYのMDR-Z7の70Ωよりも低いにもかかわらず、SONYのMDR-Z7よりもかなりアンプのパワーを必要とするようで、これは平面駆動型で能率が低いから仕方が無いのかな、と思います。本来は真空管アンプに6.3mm標準ステレオプラグで聴くのが正しい姿なのかも知れません。後で非バランス接続でSONYのMDR-Z7でDP-X1本体のみで聴いてみましたが、これはこれで低域から高域にかけてバランスの取れたとても良い音でした。普通はこれで十分かと思います。ただ、PHA-3にバランス接続した方がより力感は出ますし、ベールが取れた感じで、解像感も音の分離の良さも出ますね。

HE1000の写真はHiFiMANのホームページ( http://hifiman.com/he1000/index.asp )より。

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