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無添加住宅について その4

化学接着剤の寿命とその毒性

現代の建築などで利用している接着剤がどんなものかご存知でしょうか?
プラスチックを有機溶剤というもので溶かしてドロドロにしたもの、これが化学接着剤です。それを使って木を貼ると有機溶剤が揮発して元のプラスチックになります。

図に示したように、2枚の木の小さな穴にカギのようにプラスチックが挟まっているような状態です。ただし、木と木に挟まれている有機溶剤が残ったままになっているので、その有機溶剤がゆっくり出てきて室内の空気を汚染することになります。ここでいう有機溶剤とは、化学をちょっとでも勉強された方なら分かる、亀の甲のベンゼン環を含んだ脂溶性物質のことで、わかりやすくいうとシンナーなどです。私たちがシンナーをたくさん吸うと、それは脳を侵して萎縮させてしまいます(シンナー中毒)。今の住宅のほとんどの建材は、細かい木材のくずを化学接着剤で固めた合板です。家の壁からドア、キッチン、洗面所、風呂、至る所に使われています。何もかもがプラスチックとプラスチックの接着剤を使って作られています。構造材まで接着剤だらけの住宅の場合もあります。これらは全て建築コストを考えてのことです。この接着剤に取り残された揮発性有機溶剤が少しずつ出てきて、これがシックハウスの原因の一部になっています。

シックハウス症候群とは、新築直後の室内空気汚染によって引き起こされる病気で、一般的な住宅では、建材や建材関連品に、大量の揮発性化学物質が使われており、それらが原因となって発症します。家の中に入ると目がしみる、涙が出てくる、鼻水が出る、鼻が詰まる。喉が痛い、動悸がする、頭が重いなど、様々な症状が現われるようになります。患者数は全国で100万人以上とも言われています。元来アレルギー疾患のあるお子様の場合、アトピー性皮膚炎や小児気管支喘息が悪化する場合もあります。また、シックハウス症候群が悪化すると、慢性的に化学物質に激しく反応して、通常の日常生活をおくることすら困難になる化学物質過敏症を発症することもあります。

シックハウス症候群の発症原理はまだ十分解明されていませんが、概ね以下のように考えられています。

体をコップに例えています。このコップに水(化学物質)を注ぎ続ければ、コップはいつかいっぱいになり水が溢れ出ます。この水が溢れた状態がシックハウス症候群を発症した状態です。コップの大きさは個人差があり、それは遺伝的背景で決まると考えられています。コップと水の関係は、シックハウス症候群やそれよりももっと程度の強い化学物質過敏症の発症を説明するときによく使われます。

実際の発症メカニズムはもっと複雑であり未解明部分が多いのですが、体内に許容量以上の化学物質が蓄積されることで様々な症状が引き起こされる事が原因と考えられています。

シックハウス症候群の発症を抑えるには、体内に侵入する化学物質の量をいかに少なくするかが大きな課題になります。

無添加住宅はどうなの?

無添加住宅でつかわれている建材は、前回「無添加住宅について その2」で書いたとおり、特徴があります。化学接着剤や石油で作られている建材は使用していません。

構造/木造軸組工法、RC造、鉄骨造(ツーXフォー等は不可)
構造柱・土台/杉or檜(シロアリ対策のため)
その他構造材/伐採後防腐処理をしていない木
構造材の集成材使用不可(接着剤の劣化が懸念されるため)
内壁・外壁・天井仕上げ/無添加住宅オリジナルしっくい
床仕上げ/無添加住宅製無垢フローリング、石、タイル
接着剤/米のり・にかわ
断熱材/炭化コルク

接着剤が必要な場合は米糊やニカワを使っています。米糊は食べられるもので全く人体に無害です。集成材の板を使う場合は全て米糊で接着しています。

化学物質過敏症の方の場合は、内装壁の下地にはプラスターボードすら使用せず、天然の竹で編んだネットを使用しているそうです。

無添加住宅では、シックハウス症候群や化学物質過敏症の発症前で、なおかつ建材や建築方法に化学合成された物質を含まない建て方をした(Cタイプ・Sタイプが対象)無添加住宅仕様で新築された住宅に入居された方において、無添加住宅施工代理店からの完成引き渡し後3年以内にシックハウス症候群を発症した場合、株式会社無添加住宅と施工代理店が協力して症状が改善するまでメンテナンス(再工事)を保証しています。

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