DP-X1とMQAフォーマット

ONKYO初のハイレゾ対応デジタルオーディオプレーヤー、DP-X1です。今まで、iPhone5s(64GB)を使ってハイレゾの再生をしていましたが、容量が64GBでハイレゾのファイルをiPhone内に置くと容量が64GBをすぐ越えてしまって困っていました。また、ハイレゾ音源再生はiPhone5sには荷が重すぎるらしく、192KHz・24bitのハイレゾ再生は音が途切れまくりでした😅(96kHz・24bitにサンプリングレートを落としてflacファイルを作り直してました 😅)。そういうことで、ハイレゾ音源再生は専用のDAC(デジタル-アナログコンバーター)を内蔵したオーディオプレーヤーを導入することにしました。

ハイレゾ対応デジタルオーディオプレーヤーとしては、SONYのハイレゾウォークマンNW-ZX100NW-ZX2が有名ですが、今回それらは選択肢には入りませんでした。それは、SONYのハイレゾウォークマンはメモリ容量(ストレージ)が128GBだからでした(ただしハイレゾウォークマンNW-ZX100とNW-ZX2は、microSDXCカードを1枚刺せるようになっており、200GB microSDXCカードを刺せば本体メモリと合わせて298.7GBまで拡張可能です。ただしメーカー公称ではmicroSDXCカードは128GBまで対応となっています)。DP-X1は200GBのmicroSDXCカードを2枚刺せるようになっており、この一点のみでSONYのハイレゾウォークマンは最初から除外でした😅。

ONKYO デジタルオーディオプレーヤー DP-X1

画像は、 http://www.jp.onkyo.com/audiovisual/headphone/dpx1/index.htm より。

ONKYOのハイレゾ対応デジタルオーディオプレーヤー・DP-X1は最高クラスのDACとアンプに加え、Android OSも搭載し、バランス出力にも対応したハイレゾハイエンドモデルです。

■ESS社製のDAC「ES9018K2M」とアンプ「SABRE 9601K」をそれぞれ2基ずつ搭載
MQA Limitedが開発元になった「MQA」に、ポータブルプレーヤーとして初めて対応
■バランス出力(BTL駆動・ACG駆動)に対応
■2.5 mm 4極出力端子と3.5 mm 3極出力端子を搭載
■DAC&アンプ部とCPU部を分離させた独立オーディオ基板設計
■クローズドループ設計によりノイズを低減
■画面起動せずにダイレクトで操作できる物理ボタン採用
■microSDカードスロット2基搭載、本体ストレージ32GBとあわせて最大で432 GBまで増設可能
■Android OS搭載、Google Play対応。普通にWiFiを使用してAndroid端末として、WebブラウジングやnoteやfacebookアプリなどもGoogle Playからダウンロードして使用可能
■Wi-Fi(802.11 a / b / g / n / ac)、Bluetooth対応
■Micro USB-B / OTGデジタル出力
■Micro USBケーブル(1.0 m)×1付属 ※充電・データ転送用
■連続再生可能時間 約16時間(96kHz/24bit再生時)
■寸法(HxWxD) mm   129.0 mm x 75.9 mm x 12.7 mm
■重量203g

DP-X1の気になる音質は?

その音質ですが、従来のバランス入力非対応のヘッドフォンでの感想になりますが、iPhoneでハイレゾファイルを再生するよりは音途切れもなく再生も安定しており、音質も大変良いです(iPhoneはDAC非搭載なので当たり前か😅)。ノイズ感がないクリアでフラットな音質でクセのないナチュラルなHi-Fiサウンドです😊✨(Hi-Fiは既に死語になってますね😅)。自分的には好みです😉🎵。ただ、自分が所有しているDAC内蔵真空管アンプ・Retro Stereo 50と比べるとその差は如何んともしがたいほどの差はあります(圧倒的なパワー・低音の豊かさ、中~高域の伸びなど音域の全てに渡って)。これはバランス出力とバランス出力に対応した超高級ヘッドフォンでもその差は埋まらないでしょう。それくらいA級プッシュプル動作の真空管アンプのスピーカーやヘッドフォンのドライブ能力は非常に高いということですね😊✨。

DP-X1のお値段は?

お値段はAmazonでは¥69,800でした。SONYのNW-ZX100は¥65,700ですから、ほとんど変わりません😅。しかも、DP-X1はDACを2系統、ヘッドフォンアンプを2系統左右の音に対して独立して割り当てるという、何とも贅沢な仕様になっており(SONYのNW-ZX100とNW-ZX2はDACは左右共通の1つのみでバランス出力には非対応)、それをそのままヘッドフォンまで分離した状態で耳まで届けることが出来る、バランス出力に対応しています。

今流行りつつあるバランス再生とは?

バランス再生のイメージとしては以下のような感じです。(画像元URL : http://av.watch.impress.co.jp/img/avw/docs/674/640/html/xlr02.jpg.html )

なお、以下は従来のヘッドフォンの再生イメージです。

グランドというのがアース端子(GND)で、ここを基準として、音の大小を右と左で割り振っているのですが、理論上は左右に完全に分けてしまった方が音の分離性や立体感がより出るはずです。また音自体も分解能が上がり、よりくっきり明瞭になることになります。ただし、ヘッドフォンがバランス入力に対応している必要があります。現在販売されているヘッドフォンではバランス入力に対応したものはまだまだ数は少ないです。

バランス出力は実際どうなのか?

Pioneerのバランス入力に対応したハイレゾヘッドフォンSE-MHR5とONKYOのES-HF300を試す機会がありました。結論から言うと、SE-MHR5とES-HF300は傾向が似ていて、どちらも低音が弱い感じでした。要するにシャカシャカ音で、自分の好みではありませんでした😅。これは従来の3.5mmピンジャックのジャックの非バランス入力でも4極2.5mmピンジャックのバランス入力でも変わらず、元々のヘッドフォンの特性と思われました。ひょっとして、ハイレゾ対応ヘッドフォンというのは皆こういう味付けが好まれているのかも知れないです💦。それに対して、同じPioneerのSE-MJ542ゼンハイザー MOMENTUM On-Earに近い感じで、低音から高音までフラットな特性であり、この価格(実売価格3,300円)でこの優れた音質であれば大変お買い得ですし、軽くて装着感も良く、普段使いであればもう全く十分ですね。

もし、バランス出力に対応した高級ヘッドフォンをお求めでしたら、SONYのMDR-Z7を一押しさせて頂きます。(画像は SONYヘッドフォンホームページより)

ただ、SONYのバランス出力はSONY製のポータブルDACヘッドホンアンプPHA-3にしか対応していませんので、DP-X1にバランス出力で接続しようとすると工作が必要になります。腕に自信があれば、SONY最高級ヘッドフォンであるMDR-Z7にバランスケーブル自作でDP-X1に接続するという手があります(視聴した感じでは、MDR-Z7は非バランス出力でももう十分に良い音でしたが😅。ただ、かなりアンプのパワーを必要とするようで、普通の40mmドライバーユニット採用ヘッドフォンの1.2倍くらいパワーが必要みたいです。本当は70mmドライバーユニット採用のMDR-Z7は据え置きアンプ向きのヘッドフォンで、ポータブルデジタルオーディオプレイヤーやポータブルヘッドフォンアンプには手に余るヘッドフォンなのかも知れません😁)。

バランス出力ですが、従来の非バランス入力(3.5mmピンジャック)と音質的な差はそれほど見出せませんでした。ややバランス入力の方が解像感は高く、左右の音の分離はいいような気がしますが、従来からの3.5mmのステレオピンジャックで普通は十分と思います。よく考えたら、バランス出力の方が優れているのでしたら、とうの昔にそうなっていたはずですが、非バランス出力で音質的にそれほど差を見出せないから、アナログオーディオの時代から何十年も3.5mm非バランス出力ステレオピンジャックの時代が長く続いてきたと考えられるわけで、バランス出力・非バランス出力の差よりも、元々のアンプのドライブ能力の方がずっと大きいファクターのような気がします。

未来の圧縮音楽フォーマット・MQAとは?

それと、DP-X1は未来のオーディオ圧縮フォーマットである、MQAに対応しています。MQAに対応したハイレゾ製品は一部の超高級オーディオを除いてはほとんどまだどこも採用されていません。リニアPCM方式の44.1kHzから768kHzまで、広範なマスター音源に対してMQAのエンコードが適用でき、スタジオマスターの音質を保ったまま、ハイレゾ音源の再生時ビットレートをCD相当の約1.4Mbpsよりもさらに低い1Mbps前後にほぼロスレスのままデータ量を圧縮し、インターネット経由の音楽ストリーミングやダウンロードサービスに乗せられるのも特徴で、MQAデコーダーを搭載しない機器で音源を再生した場合も、CD品質にはなりますが、再生が行える互換性も確保されています。気になる圧縮率ですが、192kHz-24bitのハイレゾFLACで150MBのサイズがMQAだと30MBになるといいます(約1/5)。

この魔法のようなMQAフォーマットは今後大化けしそうな予感です。つまり現在のMP3やAACに置き換わる可能性がある、ということです。

その技術は詳しいことは不明な部分も多いのですが、MP3やAACのように人間の聴覚の特性を利用して上手い具合に圧縮しています。ですので、厳密な意味ではロスレス(非可逆)圧縮ではありません(オーディオ雑誌ではロスレスであると喧伝されていますが)。なので厳密に言うとハイレゾ音源ではない、ということになります😅(ハイレゾとは、CDよりは量子化ビット数あるいはサンプリング周波数が高く、かつ、非圧縮あるいは可逆圧縮のみの音源をハイレゾと呼んでいます)。

その仕組みですが、大雑把に以下のようです。

アナログオーディオ信号は超高周波と高周波と低周波に分けられ、これらを帯域フィルタで3分割します。帯域フィルタが出力する低周波は従来のPCMで処理(つまり非圧縮)、高周波は可逆圧縮します。そして、超高周波は非可逆圧縮された情報とします。オーディオの主たる成分は低周波と高周波の部分なので概ねそれをそのまま使い、人間の耳に届きにくい超高周波は非可逆圧縮して使うと言うわけです。もっと具体的には、デジタルデータの0~12bitを非圧縮のPCMとして利用、13~15bitが非可逆圧縮された高域成分、16~19bitがノイズ状成分、20~23bitが補正用データのようで、MQAエンコーダ自体に透かしを入れる機能もあり、デジタル著作権保護機能もあるようで、著作権保護機能がないflacとは決定的に違います。下の図で行きますと、0~12bitと16~19bitの計16bit、44.1kHzで通常のCDと同じスペックで再生できるわけです。ただ、恐らくですが、13~15bitがC部分、16~19bit部分がB部分なのでは、と思っています。あくまで想像でしかありませんが😅。下の図でもC部分はロスレスとは書いてないですよね😁

画像転載元 : http://www.e-onkyo.com/news/444/

つまり、MQAというのは従来の非圧縮のPCMデータに可逆圧縮された高域部分と非可逆圧縮された超高域成分が入れられた、ある意味音の収録段階から非常に巧妙に造られた音源で、厳密な意味で元データを忠実に再現しているのは可逆圧縮のflacやDSDということになります。ただ、その差は僅かで、従来のMP3/AACとMQAでは比較にならないくらいMQAの方が高音質で、普通のオーディオセットでは、flacとMQAでは聞き比べてもその差は分からないと思います。高級~超高級オーディオで、それなりの耳を持って聞き比べれば、差が分かるかも?、くらいの差だと思われます。アナログの音をデジタルにする時点でオリジナルの音楽信号の波形の直前と直後にリンギング(エコー)を発生、時間的な「音のボケ」や滲みの原因となるのですが、MQAはそのリンギングを1/10以下に抑えるとされており、デジタル化した時点でよりナチュラルな音の収録を可能にし、再生時に原音に極めて近い状態で復元しますので、考えようによっては普通にデジタル録音した可逆圧縮のflacファイルよりも非可逆圧縮部分を含むMQAファイルの方が音が良い可能性すらあります

ですので、これだけ端末の大容量化が進んでいる現在、MQAは従来のストリーミング再生で使われたり、MP3やAACなどの非可逆圧縮に置き換わる可能性が十分にあります。

実際聴き比べた感じでは、MQA非対応の状態で普通の44.1kHz-16bitのCDと同じスペックで再生した場合は、確かにいい音ではあるんですが、奥行きのない平板な再生になってしまいます。しかし、再生アプリをアップデートしてMQAをきちんと再生できるようにしてから聴くと(352.8kHz-24bit)、音に奥行きと拡がりを感じられるようになります。例えて言うなら、部屋でCDステレオの音を聴くのとコンサートホールで生演奏を聴くくらいの差があり(ちょっと誇張してますが😅)、これはかなり大きい差だと感じられました😊✨。

最後は最新の高音質オーディオフォーマット・MQAの解説になってしまいました(笑)

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橋本 尚久

オーディオ

趣味のオーディオ関係のお話です。
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