医療用ウィッグのこと
先日採血検査の時に注文してあった医療用ウィッグを引き取って来ました。
人毛が使われている割合によってピンキリあるウィッグですが、注文する時に試着させて貰ったら、やっぱり人毛が多い方と全然違うのね。
これだけ技術が進化しているのに、まだ人の髪の毛には敵わない。人間、凄いよ。
で、買う以上はウィッグだということがわからないレベルのものが良いよね、でも一番いい奴はさすがに高いね……ってことで十万円ちょっとの奴を買った。
で、何日か慣れようと思ってウィッグを着用して出掛けました。
(タイトル画像はその時に食べたポップオーバー。美味しかった)
うん、すごい自然。違和感ない。
たぶん坊主なの、バレてない。
バレてないね。
バレて……も別に良くない?
抗がん剤治療の日程が決まった時、看護師さんからも大体みんなウィッグを買っていて、買うなら治療に合わせて早めがいいと教えて貰った(高い奴は受注方式だから、丁度抜け始めるころに納品になる)
髪が抜けるのが辛いという人が多いのはわかる。女性なら特にそうかもしれない。ネットで経験談を読んでも喪失感が凄いらしい。
ウィッグの調整時に美容師さんが言ってた。家の中でもずっと被ってる人もいますよ、と。
それぐらいみんな髪を失うことを辛く感じている。
うーん。もしかして、西村さんくらい?髪の毛無くなっても全然辛くない人。
抜け始めた時も本当に抜けるんだー、ごっそり行った時も、うわあスゴイ……ってちょっと面白がったのと、片づけるの面倒くさい!!!しかなかった。
坊主もわくわくしたし。
最近、治療が終わって生えて来ても、ずっと坊主でも良いんじゃないか?とすら思い始めている。坊主楽。お風呂が楽。
で、ちょっと思ったんですね。
何のためにウィッグが必用なのか、と。
その人がその人らしくあるために、ウィッグが必用なのだということは解る。でもそもそも、髪の毛の有無でその人らしさは変わるのか。
ヘアドネーションで有名な、子ども達への医療用ウイッグを無償提供しているNPO「JHD&C」さんが言われているんですよね。ヘアドネーションの問題点として、髪がないこともひとつの個性として認められていないから、ウィッグがないと社会生活で困るから、ウィッグが必要となるって。
自分は何でウィッグが必用なんだろう、と思ったら、ライブには被っていきたい……KREVAさんには可愛いと思われたい(向こうからは見えないだろうけど)、それだけでした。
来月ライブがあるんですよ。3回目の治療の直後なので、主治医からはおすすめはできない、と言われているが行く(←でもそれに合わせて治療計画は立ててくれた。良い先生である)
どうせ出掛けるの、病院とスーパーくらいだし、普段ウィッグ被らなくてもいいよね。インナーキャップ洗うのも面倒だし。
まつげも抜け始めていて、帽子だけだとちょっと性別不明な感じになるので、帽子に付ける襟足前髪だけのウィッグはちょっと欲しい気がしてるが。
まあとにかく、西村さんは細かい事気にしないから楽に生きているが、世の中には見えないものに抑圧されている人がたくさんいる。
どんな姿であろうとかまわない、髪の毛があってもなくても、スカートを穿こうと穿くまいと、化粧をしてもしなくても、そんな社会。
他人を見た目でジャッジしている人が居なくなる社会。
そういう社会がさっさと訪れて欲しい。そうしたらみんな楽に生きられる。
抗がん剤やがんその物の痛みなど、ただでさえ辛い人が、髪の毛のことで煩わされるなんてことが、無くなって欲しいと強く思う。
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