昔はご近所付き合いというものがしばしばあったみたい。僕の生まれるずっとずっと昔のことだと思う。具体的に何年代かはわからない。コンビニもないような時代、デパートの屋上に小さな遊園地があった時代。ちびまる子ちゃんの世界が近いのかな。ひとまずそういう時代のそういう世界。

夕飯の支度をしている途中、調味料が切れてしまった。そういった場合、スマホで家族に連絡したり、近くのコンビニに買いに行くことは昔はできなかった。通信手段を持ち歩いてはいないし、24時間営業している小売店はなかったから。だから近所に借りに行っていたみたいだ。借りたあとは作りすぎただなんだ言って料理をお裾分けする。

子供のころ風呂場が壊れて友達の家に入りに行ったことはあるが、調味料を借りに行く、そしてお裾分けするイベントは遭遇してこなかった。

これからは借りる、分ける、そのようなやりとりが多くなる社会に向かって行くような気がする。部屋をシェアするのは前からある。近ごろだと自転車も自動車もシェア。どんどんシェアするものが小さくなって行くんじゃないだろうか。

シェアとは少し違うが、ゲームとか遊具もかわりばんこでやっていたな。ゲーム機なんか持っている子の方が少なかったけど今はみんな持っているのかな。子が持っているというより親がすでに持っているんだろうな。

みんなで共有する時代、優しい世界なのか乏しい世界なのかわからないが懐かしくて目新しい感じ、いいんじゃないかな。