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バーチャル(インターネット)に生きる「あなた」へ 『さなのばくたん。 -ハロー・マイ・バースデイ- Powered by mouse』に寄せて

はじめに


・本noteは、2023年3月7日に開催された、名取さなの誕生日イベント、『さなのばくたん。 -ハロー・マイ・バースデイ- Powered by mouse』(※1)及び『名取さなミュージックコレクション Vol.3』の鑑賞に伴うオタクの戯言及びいつかどこかの「あなた」へのメッセージであり、多大にネタバレを含みます。
・一部「名取さな」や「バーチャルYouTuber」に関する考察、メタ要素を含みますが、筆者が名取さなを本腰を入れて推し始めたのは2021年中頃であり、それ以前については把握できていない部分が多くあること、バーチャルYouTuber 全体に関する知識も付け焼き刃であることから、独自解釈及び誤解が含まれるおそれがあります。何かありましたらご指摘ください。
・基本的には私個人の思ったことを書いていきますが、すでにTwitterやNoteにある多くのせんせえの感想、考察に触れており、影響されているかもしれません(パクリではないから許してクレメンス)。
・当日の感情が揮発しきる前に一旦書ききりたいので、後日不備の訂正や改稿をする可能性があります。文体もごっちゃだけどそれは仕様ですたぶん。
・なんかクソ長くなりそうなのでアレだったら後ろ2節ぐらいだけでも読んでくださると嬉しいです。

※1 https://www.zan-live.com/live/detail/10263 にて、
  2023/3/31までアーカイブチケット購入可能である。さあ、見よう。
 

隙あらば自分語り


 初めに、名取さなに出会ったきっかけなどの自分語りをさせていただきます。名取が配信で明言してしまいましたからね。乗るしかない、この隙に。

 私が最初に名取を見かけたのはいつだったか、もう覚えていない。VTuberという文化の黎明期、私は興味を持つことがなかった。VTuber文化の源流は色々あると思うが、そのうちの一つはニコニコ動画やYouTubeの配信者たちであると思われる。それらについて私は全く興味を持っていなかった。当時の私は斜に構えていて、どこの誰かも知らない人たちがゲームや雑談をしているのを観て何が面白いんだ、と思っていた気がする。

 私は「現実(ホント)」より、「創作(ウソ)」の方が好きだった。現実なんて、そういいもんじゃないと思っていた。創られた世界の方が綺麗で、真理の一面を切り取って見せてくれて、多くを学べる。何より辛くない。

 アイドルや声優にも全く興味はなかった。他人を推すことの意味を知らなかった。古いインターネットの住民であれば知っているであろう、オタク活動を後悔する有名なコピペがある(知りたい方は「國府田マリ子 コピペ」などと検索してみてください)。ああはなりたくなかった。

 それでも、VTuberを目にする機会は増えていた。当時からやっていたTwitterでは、アニメキャラではなく、VTuberの話をする人がちらほら出てきていた。私の中の名取の最古の印象は、2020年3月に見た、王の背中である。当時、その配信は見なかった。「はぇ~、イベント中止なんて残念だろなあ...」と思いながら、まあ関係ないしと思ってスルーした(名取もせんせえも、これには相当大きな感情を持っているだろうことは今はわかるが、当時知る由もなかった。)。それでも、普通はサムネにはあまり写さないであろうその背中がなぜか心に残ったのは確かである。この後、友人に紹介された「宝鐘マリン」を見て、VTuberってこんなに可愛く面白い人がいるんだという気づきを得た。様々な切り抜きの視聴などを通して、界隈への抵抗感が薄れていった。


 あんまり「運命」なんて言葉は使いたくないが、この後の偶然の巡り合わせには、今も感謝している。別に恒常的に配信を見ていたわけでもないのに、なぜか流していた2020年GW振り返り配信(※2)で、普段スパチャ読みはしない名取がスパチャ読みをする流れになり、当時ファンでもなかったのに便乗して初スパチャした。スパチャ読み文化には今でも詳しくないが、名前を読み上げるだけでこんなに面白くなるものか、と思った。だから私の中の名取の第一印象は「おもしれー女」であり、今も割と大きな部分を占めている魅力の一つだと思う。これは(たぶん)その後行っていない貴重な機会で、一つの愛着となった。そして7月、これもまた貴重な20万人記念歌枠を見ることができた(※3)。この配信で、まああんまり普段は言わないけど、顔も声も可愛くて歌も上手な面を知ることができた。選曲も刺さった。当時から17歳の選曲か?これが...ってなっててマジで草。
 
 少し飛んで2021年3月、どうやら今年こそ誕生日イベント『さなのばくたん。-ていねいなお誕生日会-』が開催できるらしい。中止になってしまった悔しい思いなどをぶつけてくれるらしい。去年は何も思えなかった私だけれど、現地には行かないまでも、配信チケットを買って見てみようと思うくらいの愛着は既に湧いていた。
 ......結果、見事に落とされてしまった。2年前だし記憶が薄れている部分が多いけど、めちゃくちゃ良かった。毎配信追うこともなく気が向いたときだけちょっと見ていたような私にもこれだけの感情を与えてくれるのか。画面の前の私でこれなら、これまでずっと見ていたせんせえ方は、そして現地でこれを浴びた人たちはいったどうなってしまっていたのか。これから先この女についていったら何を見せてくれるんだ?そう思ってからは早かった。この頃から配信を見る頻度もコメントすることもどんどん増えていったように思う。

 そして6月27日、『KURO-OBI -VIRTUAL IDOL POWER 2021-』(※4)が開催。新参者のせんせえだった私には、このイベントはばくたんと同じかそれ以上の感動があった。私がこのイベントを見終わって感じたことは「名取さな、主役じゃん!」ということだった。
 名取が好きな女がたくさんいて、カメラを存分に活用した最高のパフォーマンスをして、早口オタク語りをして...一番楽しんでいる姿を見せてくれて、夢の一つを実現させている。それが一番心に届いた。夢のない私に、代わりに夢の実現を見せてくれたから。
(語弊があるかもしれないので念のため書くが、他の出演者様を下げるような意図ではない。出演者5人の中では当時一番知っていた名取さなが一番輝いて見えたということである。こいつが企画持ち込んだんじゃねえか?と邪推してしまうほどに。贔屓目も多分に含まれている可能性がある。実際他の方のパートもたくさん楽しんでました。)

 なおこの一週間後に「ピーナッツくん」のライブ『NUTS TO YOU!』があり、それにゲスト出演している。贅沢か?『ペパーミントラブ』 はいいぞ(※5)。

 そこからはもう沼にどっぷり。配信はできる限り追うようになって、ツイッターでも応援を始めてみたり、グッズに手を出してみたり、名取がオススメするものに手を出してみたり......この先は密度が高くなったので語りきれない。

※2 【振り返り雑談】GWくん渾身の回生!ならず…。 - YouTube
※3 【20万人記念配信】バーチャルサナトリウムカラオケ部 - YouTube
  なお、同じく貴重な歌枠である大晦日早朝の歌枠は普通に寝てた。悲しいね。
   徹夜明けでハイになっているので歌って寝る - YouTube
※4 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000056014.html
※5 https://virtual.spwn.jp/events/21070219-peanuts
  なんと未だにアーカイブチケット購入可能!
   ペパーミントラブ (feat. 名取さな) - YouTube  
  

いわゆる「考察要素」に思うこと


 長々と名取との出会いについて自分語りしてきたが、そのなかで、名取のいわゆる「考察要素」について出会うことはほぼなかった。リアルタイムで目撃したのは、ばくたん2021のラストの映像や、『モンダイナイトリッパー』の歌詞やMVぐらいだろうか(※6)。

 もちろんせんせえとして活動していく中で、その存在は把握していた。把握していたが、その扱いには悩ましいものがあった。やはりリアルタイム性をもって感じられなかったものは、少し実感が薄くなってしまう。「名取さな」はいつから、そして実は今でも重い病気を患っているのだろうか。どのような悩みや葛藤を託してその動画を上げたのだろうか。「外出許可」ってなんなんだろう。最近のイベントを見ると、よく動きよく叫び、元気そのものに見える。それでもまだ、辛さを隠しているんだろうか。私にはわからない。


 わからないが、一旦そこは保留でいいのではないかと考えた。私が出会ってからの名取は、そういった要素を減らしているように見えたし、2022年の『さなのばくたん。 -メチャ・ハッピー・ショー-』ではエンタメショーに軸足を置いてせんせえを楽しませてくれた。「最終列車はまだ来ない」し、「このショーがおわっても続いてく」ことを明言してくれた。そういった自分を今は見せてくれている。今はそれでいいじゃないか、またなにか名取さなのストーリーが進むとき、改めて考えようじゃないか、そう思った。急な終わりを杞憂する必要はない。いつかくる最終列車まで、全力で楽しもう。


 そんな中、今年のばくたんの開催前から、そういった要素がちらちら見え隠れしてきたのだが、詳しくは後述する。ただ、少なくとも私はそこまで心配はしていなかった。「何か」あるかもしれないとは思ったがまだ「終わり」は来ないと信じていたので。

※6 名取さな - モンダイナイトリッパー!【オリジナルソング】 - YouTube  


「バーチャルYouTuber」であるということ


 話は少し変わるが、 バーチャルYouTuber(以後、一般に知られる略語である「VTuber」とする。)という語が人々に広く知られるようになって、それなりの時間が経った。しかしそもそも、「VTuber」とはなんなのだろうか。
 この語は、VTuberの草分けとされる「キズナアイ」によって自称されたのが始まりだとされている。彼女の自己紹介動画では、普通のYouTuberと違い、二次元と三次元の狭間にある存在であるようなことが語られている(※7)。また、2018年のある記事では、「彼らは現実世界ではなく、主に「仮想空間」において「仮想の身体」でさまざまな動画配信を行う。」とされている(※8)。

 ところで、現在日本で「バーチャル」といった際には、この「仮想」という意味で捉えるのが一般的ではないだろうか。そしてそれはともすると「実際にはないもの」、「『ウソ』を含んでいるもの」であると捉えられてしまう。これも誤りではないのだが、英語の「virtual」の意味を考えると、違う側面が見えてくる。

 つまり、virtualの第一義は、「 (表面または名目上はそうでないが)事実上の、実質上の」なのである(※9)。この2つの意味は、A(real,ホント)からのズレがあるが類似の存在であるA’(virtual,ウソ)を指すという意味では同様であるが、その比重に違いがあるのではないだろうか。一般的な意味の「仮想」では「ホントに近いウソ」、本義の「事実上」では「ウソを含むホント」であるというように。

 VTuberの概念が生まれてから時を経た今では、独自の世界観を持ち、その中でコンテンツを作り物語を紡ぐ者から、顔を出さず立ち絵を出しただけの配信者まで、万を超えるVTuberが存在している。上記のvirtualの意味に寄せると、前者は「ホントに近いウソ」=「キャラクター」に近く、後者は「ウソを含むホント」=「ヒト」に近いともいえる。
 名取さなは、そんなVTuberたちの中でも、今や前者の代表格ともいえるのではないだろうか(※10)。そうして比較すると、「名取さな」には「ウソ」が多く含まれているとも言えるのかもしれない。

※7 【自己紹介】はじめまして!キズナアイですლ(´ڡ`ლ) - YouTube
※8 https://panora.tokyo/63044/
※9 https://ejje.weblio.jp/content/virtual
 なお、余談ではあるが、 virtualの語源を考えるとさらに面白い。この語はラテン語の「virtus」に由来し、その意味は「精神的強さ、美徳」などである。今回は弱さを見せてくれたわけではあるが、まさに彼女にぴったりではないだろうか。
※10 筆者の観測範囲は限られており、有名どころでも同様の世界観を保持し続けている方がいるのかもしれない。ご容赦ください。

「名取さな」の悩み


 今回のイベントでは、パラレルワールドの名取さなの悩みをせんせえとともに解決していく構成となっている。
それぞれの悩みは、
 王「自分の行動は自己満足で、国民は満足してないのではないか」
 キョンシー「ウソをつきながら百鬼夜行の仲間と遊ぶことへの葛藤」
 制服さん「周りが優秀なことへの劣等感」
そしてそれらへの回答は、
 「自分が楽しむことでみんな(せんせえたち?)と一緒に楽しむことができる」
 「本当の自分でなくても、みんな(仲間:VTuberたち?)と一緒にいて、楽しむことができる」
 「大切なものは人それぞれ、人と比べることが全てじゃない。自分の良さを見つけよう」
中々に意味深である。

 水平思考ゲームあたりから、おや?と思った。いつものせんせえとのじゃれあい企画や大喜利に隠れる本音。パラレルワールドの名取さなだけの悩みとはとても思えない。3つの悩みを解決し戻ってきたあと、夏祭りなどの発表があり、明るい空気のまま終演に近づいていくように思われる。上記の悩みで匂わせただけで終わりかと安心しかけたその時、響く扉の音。

 そうして、最後に現れた黒い患者服の名取によって、これまでの悩みの総括が始まる。
 「ウソつきでダメな自分はここにいていいのだろうか。」
それに対して、先ほどのパラレルワールドの名取さなたちの悩みの解決を通して得た結論は、
 「自分も楽しめたことを大事にしたい。本当のナースでなくてもいい。『なりたかったわたし』になれるようにこれからも頑張る。」
ということだ。
 この時にできたのはただ息をのみ、最後までその言葉と歌を聴くことだけだった。

 まさかこう来るとは思わなかった。全てが終わって感情が少し落ち着いた今であればわかるが、構成が天才的すぎる。これまでの「名取さな」とせんせえの歩みで得た解の再演を通した、現状とこれからの肯定は、もともとデカ感情をもっていたせんせえたちにクリティカルヒットしただろう。しかもスタッフクレジットを見ると、「脚本 名取さな」とある。どれだけすごいんだ私たちの推しは。入念に制作されたオリジナルソングはもちろんのこと、カバー曲の選曲もすごい。『happy bite』も『全部ホントで全部ウソ』も残念ながらこれまであんまり聴いたことがなかったので、終演後に歌詞を見ながら聴きなおしてみた。今回のイベント内容にこんなにシンクロさせる曲を持ってくるなんてなあ。

バーチャル(インターネット)に生きる「名取さな」へ


 「名取さな」は、自分の「ウソ」を非常に気にしていたようだった。根が誠実で真面目だからか、活動のなかでホントの「わたし」や「なりたかった自分」とのズレを無視できなかったんだろうか。
 でも私にとって、その「ウソ」は好都合だった。これは名取の悩みにも直結するかもしれないので書くか迷ったが、この際だからすべて書いてしまおうと思う。決して名取を傷つけたり否定する意味はない。

 実のところ、名取さなが「ナース」であると信じていた人間はいないだろう。いつまでも無邪気にサンタクロースを信じている人間がいないように(え、サンタは実在する?それは失礼...)。
 配信で見え隠れする「名取さな」の性格、言動も、実は創られたものかもしれない。ひた隠しにされている「わたし」がいるのかもしれない。でもそれに問題があるだろうか。
 先に一度書いたように、私は「現実(ホント)」より「創作(ウソ)」の方が好きだった。これまた上で書いたように、「ホントに近いウソ」=「キャラクター」であるVTuberの方が好みだった。界隈の多くを知った今では、必ずしもそうではない(※11)が、例えば仮に名取が本当にナースであって「今日病院でこんなことが~」と語っていたり、名取が本当に患者であって、黒衣を身にまとい「今日の診察は~」と語ったり、17歳であるといいながら飲酒配信をしていたりした場合、あの時に沼にはまり、ここまで深みに来ることはなかったかもしれない。(まあでも、あの人の魅力があれば、そんな形でも全然ハマっていたかもしれない。もう好きになっちゃった後なのでなんもわからん。)


 そんな「ウソ」から入ったわけだが、名取の「ウソ」は信じられないほど緻密に構成されている。5年間も活動をしていながら、ここまでぶれずに世界観を構築していくことができるなんて。『Ghostwire: Tokyo』の配信をしていた時、ゲーム内で駅の改札を見て、『時よ』のMVで見たと話をしていたのが記憶に残っている。普段からほぼ全ての知識をインターネットで得ていると豪語している彼女ではあるが、ノータイムでそんなことが言えるなんて(ホントに見たことないのかもしれないが私にはわからない)。外出やコラボの際や3D配信の時も、普段の活動と違うことで世界観が壊れないように気を使って整合性をつけていることがよくわかる。

 ここまでして創り上げた「名取さな」は、確かに「ウソ」なのかもしれない。未完成で「ダメ」なのかもしれない。しかしそれでも「なりたかったわたし」になるため歩みを止めないその姿は、個人的には「ホント」に勝るとも劣らない価値と魅力があると感じている。

 いずれにしても、今回のイベントでこれまでの悩みを教えてくれて、本当にありがとう。こういった形で開示せず、曖昧なままにしておくこともできたのに、きっとせんせえたちとのこれまでの歩みを信じて、教えてくれたんだろう。
 人それぞれ好みはある。「考察要素」に全く触れたくない人もいるだろう。去年と同じようなハッピーなショーを望む人も。初見さんがどう思うかもわからない。名取の中の不安はどれほどのものだっただろうか。それでもこうしてくれたことに、せんせえの一人として、嬉しく思う。

 かく言う私も、今回のイベントで送ったお手紙には、『誰もが笑顔になる私』が好きだということしか書けなかった。それが少し心残りで、このnoteを書いているところもある。それ自体は噓偽りない気持ちであることは確かだ。いつも楽しく配信している名取さなが好きだから。

 今後、名取はどのように歩んでいくのだろうか。まだまだ「なりたいわたし」に向けて進んでいくんだろう。キョンシー名取の場面で「急に歩けるようになったキョンシー」になると言っていたり、歌詞の最後に「扉を開いて」とあることから、気軽にオフコラボしたり、少しづつ世界観の再構成をしていくこともありえるかもしれない。変化には不安が付きまとう。それでもここまで来たんだから、「どんな人になったとしても変わらず」に私はいるよということを、届くかどうかわからないが、発信しておきたい。

 いつも楽しいインターネットをありがとう。またインターネットで会いましょう。

 まあでも、急にリボ案件持ってきたり読み上げbotチャンネルになったりしたらしっかり介錯するからな覚悟しておけよ。

※11 VWWでおなじみの「月ノ美兎」など、キャラ設定にとらわれず現実世界を訪れたり自由奔放な活動をし、「中の人」の存在が見え隠れするような形態の魅力も、今では理解している。

インターネットの「わたし」たちへ


 あとはちょい蛇足かもだけど書いておきたかったこと(隙自語2)。
 この約2年間名取さなを追いかけてきて、今では名取なしの生活は考え難い。日々の貴重な癒しと活力になっている。出会っていなかったら私は今どうなっていたのだろうか。もうわからないほど影響を受けている。

 こう書くと、激重依存オタかと思われるかもしれないが、そうではない。上に書いたように、推し活を「何も残らなかった」と後悔するコピペがある。私はそうはなりたくない。名取はそれを望まないと思うから。
 だから、私も自分の人生に向き合って、前に進んでいきたい。未だに現実は難しくて、牛歩のような速度だけれど、まだ遠いいつか、「終わり」が来た時に後悔しないように。そして他の多くのせんせえにも、そうであってほしいと勝手に願っている。

 まあ、そうはいっても私が末代であることには変わらなそうですけどね!!!(台無し)


 今回名取の持っていた悩みは、せんせえたちの中にも、多かれ少なかれ共感するところがあった人も多いのではないだろうか。
 私は「なりたい自分」がなくて惰性で生きている。今の自分が好きでもないのに、あまり前に進めていない。絵も描けない、音楽のこともよくわからない、面白くない、何事にも自信がない、そんな自分を知られるのも怖い。知られてもいい部分だけをネットに表出している。

 TwitterやYouTubeは心地いい。比較的匿名寄りで、個々人が「ホントに近いウソ」=「キャラクター」に近いバーチャルであることを許容されるSNSだからだ。FacebookやInstagramやTikTokには未だに苦手意識がある。現実に近く、「ウソを含むホント」=「ヒト」に近いバーチャルだからだ。

 ヒトは多かれ少なかれ、誰しも着ぐるみを着て、ペルソナを被っている。つまり、誰もが「ウソ」をついている。現実世界でもそうだし、インターネットの世界ではそれがより顕著だ。それぞれのiconを持ち、発信したい自分だけを発信できる。
 そういう意味で、名取の悩みとその解決は、「わたし」たちへの救いともなるだろう。もちろん、多くの場合名取とは表現量が、質が、その覚悟が大きく違うだろう。それでも救われてもいいと、今回のイベントで感じた。


 人の悩みの大きさに軽重をつけるなんて無粋だし、同じ問題でも個々人によって捉え方は大きく違うだろうけど、数多くのせんせえたちで「名取さな」ただ一人を救った代わりに、「名取さな」は本当に多くのせんせえを救っている。人の心なんてわからないけど、絶対に私だけじゃない。イベントにこれだけの人が訪れ、花が咲き誇り、多くの感想があふれかえっているのがその証拠だ。多くの人が言っているけど、「貰ったものがおおすぎて返しきれないんだ」なんてこっちのセリフだ。
 制服さんは勉強ができないと言っていたけど、配信からうかがえる名取さなは、明らかに頭の回転がいい。そんなことわかった上で、それでもそう言ってくれているんだろう。
 何度も言うけどありがとう、救い、救われてくれて。


終わりに


 こんなに長文を書くなんていつ以来だろうか。私は感情を素直に表に出すのが苦手なので、堅苦しく読みにくい文章になっているかもしれない。そもそも自分の書いたものを140字以上で公開なんて、ほぼしていない。ちょっと緊張する。果たして人様の前に出してもいい文章になっているだろうか。
 それでも書く勇気を与えてくれたのは名取なので、再度の感謝を。こんな駄文でもそうなんだから、自信がない、緊張するといいつつ、いつも素晴らしい配信や作品を大変な手間をかけて創っている名取は本当にすごい。特に今回は輪をかけて。あれでよく前日に爆笑配信ができたな。強くなった証拠か。

 あと最後に、今回カバー曲として使用された『happy bite』の出典でもある〈物語〉シリーズから、セリフを2つほど引用しておきます。オタクなので。(今手元に原本がないので、ちょいと原文ママじゃないかもご容赦)

 『人は一人で勝手に助かるだけ』
 『偽物であることが悪だというなら、その悪は僕が背負います。偽ることが悪いことなら、僕は悪い奴でいいんです』

 まあ、本当に長々gdgd色々書いたけど、結局何が言いたいかっていうと、名取が歩み続ける限り、たとえ今までと少し違う世界であったとしても、ついていくから覚悟しろよってことです。

改めて、今年も誕生日おめでとう、名取。
生まれてきてくれてありがとう。
そして、これからもよろしく。


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