音楽と人生の可能性 ~名取さなさんの『ぶいあーる!』ゲスト出演に寄せて~

はじめに

 本日11月19日22時40分から、MC星街すいせいさんのラジオ『ぶいあーる!』に、名取さなさんがゲスト出演する。

 私は「せんせえ」(名取さなのファンネーム)を自認しているが、「星詠み」(星街すいせいのファンネーム)ではない。それでも、二人の歌に魅了された一人として、文章を残したくなった。

 私は正直、自分の思っていることなんかたいしたことないんじゃないか、こんな文章を書いたところで誰も読んでくれないんじゃないか、という思考をしてしまうタイプだ。
 しかし、名取さなのファン活動を続けていくなかで、拙くても「好き」や「自分」を発信することには意味があると考えられるようになってきた。そして、星街すいせいさんの曲を通して、星街さんも似たようなことを考えているのではないかと思った。

 そこで、お二人の楽曲の中から二曲ずつ紹介して、お二人の魅力の一つである「先がわからなくとも走り続ける姿勢」、「私の背中についてこいという気概」について語りたいと思う。


免責
・前述のように私は、特に星街すいせいさんについては、配信を継続的に観ているわけではなく、楽曲のすべてを聴き込んでいるとは言えません。名取さなさんについても、把握できていないことが多くあります。今回は主に特定の2曲からの印象について触れますが、「もっとこの点も観てくれ」、「こういう視点が足りない」というような事がありましたら、優しくコメントしていただけると助かります。
・楽曲について語る際、声・楽器・全体の構成・歌詞等々色々な視点があると思いますが、筆者は音楽的知識が全然ないため、主に歌詞から感じ取れることについて書いていきたいと思います。
・断定口調で書いてることが結構ありますが、個人の主観的解釈なので、間違っていることや他の捉え方が色々あると思います。むしろそういった色んな人の考えを知りたいと思っています。
 


楽曲紹介

私が特に好きで印象深い曲について、歌詞の一部を抜粋しながら、簡単に思ったことを書いていきたいと思います。 
私が思ったことを色々書きはしますが、全ては作品本体なので、とりあえず聴いてみてください!

GHOST(星街すいせい1stアルバム『Still Still Stellar』より)

 この曲の作詞は星街すいせいさん自身であり、インタビューでも、『感情を思いきりぶつけた呪いみたいな歌』と称している。それほどまでの感情をのせた素晴らしい歌声と歌詞が、感動と共感を呼ぶのだろう。

見えないの僕が 僕のこの声が聞こえてる?

世の中には外見やレッテルだけで物事を判断してしまう人が多くいる。VTuberとして音楽を中心に活動する星街さんは、きっと多くの偏見や誤解を受けてきただろう。そんな星街さんには及ばなくとも、「本当の私を見て(見つけて)」という感情は、多くの人が共感できるのではないだろうか。

シルエットすらも透明できっと不格好だけれど
でも
だから叫んで 足掻いて
裸足のまま走って ねえ気付いて
教えてよ 答えは

未完成で不安定な自分のことを、迷いながらも表現し、進んでいく。私が苦手な部分で、だからこそ尊敬できるところ。


みちづれ(星街すいせい2ndアルバム『Specter』より)

(THE FIRST TAKE版もいいぞ) 
歌詞に結構暗いイメージの言葉があり、不穏さが散りばめられているけど、それでもついてこいと高らかに歌い上げるのが好き。アルバムのリード曲として、そしてTHE FIRST TAKE出演の二曲目として、様々な人々に向けてこのメッセージを伝えてくるのが、本当にすごい。

こんな旅路をゆくことが
人の条理とでも言うの
憂き身を窶せど
上手く行かずに今夜もまた嘆く
だけどきっと

VTuber活動のなかで数々のつらいこと、上手く行かなかったことがあったのだろう。星街さんはインタビューで、『私自身のことだけを歌うのではなく、いろんな人が聴いたときに共感してくれるような曲にしたい。そういう歌詞になっているんじゃないかなと思います。』と語っているが、この生きにくい世の中、狙い通り共感できる歌詞になっていると思う。
 

これは愉快なパレードさ
私が生きた証ばら撒くから
お気に召したなら共にゆこう
道連れにしてあげるわ

辛くとも、何かを生み出し表現する。そしてそれが気に入ったならどこまでもついてこいという、クリエイター精神あふれる一節。こういう推しの姿勢が個人的に好みで、私が星読みさんであれば、さらに感情になっていたに違いない。
 

まやかしか化かしか

↑ここの歌い方気持ち良すぎ



モンダイナイトリッパー!(ミニアルバム『名取さなミュージックコレクション Vol.2』より)

(Remix版もいいぞ)
リアルとヴァーチャル、不安と希望を揺れ動きながらも、色んな世界を見せてくれる。MVには名取さなの2面性に関わる考察要素も散りばめられていて、何度聴いても味がするいい曲。

 世界中の 素敵なChannelをあつめたらセンシュセンセイ!
さ レディゴーってフリックしてうおお~っとキて
シビれてブワってやって生きたいんだ人生! 

名取の素晴らしいところの一つが、たくさんの素敵なハッピーを共有してくれるところ。人生ブワってやっていきたいね。

理想もリアルも心拍不安定(どきどき)も!
アリガトウにデッカくてビッグバンしちゃいそう!?

理想と現実に揺れつつも、感謝とLOVEを忘れない。これも名取さなから学んだこと。

 

パラレルサーチライト(ミニアルバム『名取さなミュージックコレクション Vol.3』より)
 

平行世界の無限の可能性。広大で圧倒されそうな世界を進んでどうなるかはわからないけれど、それでも「行く先は晴れ」と、アップテンポに楽しげに導いてくれる感じが好き。

 あのね そこら中に
進めちゃうルートが100万通り
走っても見渡しても果てが見えなくて
それが心を弾ませてる

人間は自由を求める。しかし、あるタイプの人間は、あまりに大きな自由の前に戸惑ってしまうことがある(私です)。先が見えていてほしい、選択肢の数もある程度に絞られていたほうが楽だ、そう思ってしまう。
名取も、もちろん迷ってはいるんだろうが、無限の可能性を目の当たりにし、ゴールもわからない状況でも、それを楽しみ歩き続けることができるのがすごい。

楽しいの先陣を切って
手を取っていざ行こう
あのね さまよってすりむいてもがいたってはちゃめちゃ      

ちょっと迷って上手く行かないこともあるけど、たくさんの楽しいを見せて、連れて行ってくれるというメッセージ。名取のその姿勢のおかげで人生を見直すきっかけになりました。
 

サーチライト 何が起こるの
何もかんも分かんなくても

↑このへんのラストの転調が気持ち良すぎる

 

まとめ

(あまりまとまってないかも)
 以上、歌詞の一部を取り上げながら、色々書いてみましたが、今回一番言いたかったことは、私が思う2人に共通する魅力を知ってほしいということです。

つまり、
不安や困難を抱きつつも進んでいくという強さ。
パレードやショーの先頭に立って楽しませてくれるだけでなく、「さあ、ついてこい」という、頼もしさ。
自信があり強くてすごい人だと思われつつも、繊細で色々なことを丁寧に考えているだろう面があること。

 そしてもう一つが、題名にもした、音楽と人生の可能性。人生はよく考えれば自分次第でどのようにでもできる。でもなかなかうまく行かないというのが、現実。それでも、同じ悩みや理想を歌い上げて、元気づけてくれて、
実際に人生に良い影響を与えてくれるのは、音楽の素晴らしい力だと感じた。


 それぞれの曲には、MVが素晴らしかったりなど、他にも色々語るべきことがあるかもしれないけれど、今回はここまでにしておこうと思います。他の楽曲も、楽しい夜を彩ってくれる『ソワレ』、「本当の自分」について真摯に歌った『ゆびきりをつたえて』など、まだまだいい曲がたくさんあります。興味を持った方は他の楽曲や活動にも目を向けて見てください。


 人が何かを解釈するときには、その人の性格・経験・現在の状況などが、深く関わってくると思います。私は今人生に迷っていて、自分を見つめ直したりしているところです。そんな中、上記の2人の悩みや前向きさは、私を励ましてくれます。そんな2人を見習って、ゆっくりでも自分らしく前に進むことを目標にしていきたいと思います。

 2つの輝く星の光が、少しでも多くの人に届きますように。少しでもその足しになることを願って、この文章を締めさせていただきます。


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