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未知に対抗しうる知識と思考力

突然思い出した話を一つ。


ちょうど去年だっただろうか。

その日は何も予定がなく、
昼食を食べた後
どうしようもない睡魔に身を委ね
昼寝をしていた。

しかし快眠とはいかず
寝ては起きてを短時間に繰り返していた。

そうしている間に
人生で初めての感覚に襲われた。

金縛りである。

私は目しか動かせず、
全身が本当にうごかせなかった。

話に聞いていた通り
本当に体が動かないなと
頭の中で考えていたが、
どうにかして金縛りを解こうと
必死に試行錯誤を繰り返す。

なんせ人生で初めての金縛りなので
若干の恐怖心を抱いていたのは
鮮明に覚えている。


そんな未知との遭遇と格闘している時、
何気なく周りを見回した。

そうすると思わぬものが
目に入ってきた。

私の頭上の方に
幽霊と思わしきものがいたのだ。

黒の長い髪の毛が顔を覆い隠し、
白い服を身に纏い
こちらの方を向きながら立っていた。

さながら貞子のような幽霊は
特に動くわけでもなく
ただそこに立ち尽くすだけである。

「あっ、幽霊だ。」

何故か初めてみる幽霊の印象は
案外呆気ないものだった。


幽霊よりも金縛りをなんとかしたい。

その一心で動き続けた結果
ようやく金縛りを解くことに成功。

体が自由になった私は
少し上がった心拍数を下げるために
大きく深呼吸をした。


徐々に冷静になってきたが
金縛りという非日常に
少し興奮していた。

しかしそこで思い出す幽霊の存在。

今さながら少々恐怖心が湧いてきた。

今まで見たことがないため信じなかったが、
完全に見てしまった。

どうしたものかと思案していたが、
ここで金縛りに関する情報を思い出す。


こちらの記事をぜひ読んでいただきたい。

金縛りのプロセスを丁寧に解説しており、
とても面白い記事となっている。


当時の私はこの記事程正確な情報を
知っていたわけではない。

私が金縛りの情報とは
夢と現実が混同しており、
恐怖を感じることによって
恐怖の対象である幽霊が
見えてしまうというものだった。

厳密には違うが、
大まかな流れとしては
概ね正しいと言えるだろう。


この情報を思い出した私は
先程の幽霊に関して考え始めた。

まず金縛りとは
夢と現実が混同している状態だ。

そして初めての金縛りに恐怖を覚えていた。

その後幽霊を見てしまったが、
先の情報から考えれば
この幽霊は私の恐怖を反映したもの。

すなわち夢ということになる。


こうして先の幽霊に関して
夢であると仮説を立てられた。

しかし仮説だけでは満足できない。

証拠が必要だ。

そのため私は仮説を証明するために
もう一度金縛りにかかることにした。

普段なら自分の意思でかかることはできないが、
何故かその日はできるような気がした。

そしてその予感通り
金縛りにかかることに成功。

2度目の金縛り、
しかも自らの意思で証明の為なので
恐怖心は微塵も感じなかった。

そして辺りを見回してみたが
幽霊は見えなかった。

一先ず証明されたと言えるだろう。



もし私が金縛りの情報を知っていなかったら
幽霊を見た恐怖に駆られていたはずだ。

知識が私を恐怖から救ったと言えるだろう。

そして仮説を導くことができた
生来からの論理的思考にも感謝したい。

この二つが未知なるものを
解明してくれる道しるべとなってくれた。

今まで経験したことのない事も
知識と考える力があれば
乗り切れることがある。

この金縛りの話は
私にこのような教訓を与えてくれた。

しかしもし説明できていなかったらと考えると恐ろしい。

その事実は認めなければならないからだ。

次このような体験をした時も
同じように解決できることを願う。



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