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eスポーツに対する違和感の正体

近年になって話題となっているeスポーツ。

賞金の出る大会が開催されたり、
部活動として導入されたり。

何かと話題に上がる。


しかし中には受け入れられない方も
一定数いると思われる。

実を言うと、私もその一人だ。


だが彼らの言い分はよくわかる。

運動系と同じでメンタルや精密性を必要とし、
日頃から練習を積まなければ勝てない。

スポーツの意味は特段運動に限ったことではない。

モータースポーツやアーチェリーなども
機械に頼っている。

海外ではすでに浸透している。


これらの主張は最もであり、
事実から逸脱した事も言っていない。

しかし何か引っかかる。

汗水流さず動いていないから
と言ったようなことではなく、
もっと別なところな気がする。

そんなモヤモヤの正体を
垣間見えた瞬間が最近あった。

それはプロテニス選手の
練習動画を見ていた時であった。

私はその動画を見た時、
やはりプロは凄いという感想と、
真似出来るものではないなと思った。

これこそが違和感の正体であったのだ。


ズバリいってしまうと、
従来のスポーツと言うのは
素人が決して真似できるものではない。

しかしeスポーツは真似が多少できてしまう。

これが私がモヤモヤしていた原因の一つだ。

きっとこう言うと
eスポーツ肯定派の方は
こう反論するだろう。

「eスポーツも他のスポーツと同じように
高い技術が必要だ。」

その通りではある。


しかし、根本的に違うのは
コントローラーの有無である。

ゲームというのは
キーボードやコントローラーを
使ってプレイしている。

あるボタンを押したら
キャラがジャンプする。

スティックを傾けたら
キャラが走るといったように。

つまり、基本動作は
万人が真似できてしまうのだ。

確かに高度な技術や読み合いは
素人に真似できない。

だが、ゲームというのは
より多くの人ができるように
基本動作は誰でもできるようになっている。

誰でもAボタンを押したら
ジャンプできてしまう。

どれだけ練習したとしても
基本動作までは変化しない。


対して従来のスポーツはというと、
その競技の基本動作一つとっても
洗練されている。

つまり素人が決して真似できない領域に
彼らは身を置いているのだ。

ボールを蹴る、投げる、打つ。

走る、跳ぶ、泳ぐ。

文字にするのも実際にやるもの
誰もができるが、
質が根本的に違う。

その動き一つ一つに
練習の成果が見える。

基本的な動きですら
素人には真似できるものではないのだ。



また、従来のスポーツと比べて
みても凄さがわかりにくいのも
受け入れられない理由の一つだと思われる。

従来のスポーツは
仮にルールがわからなくても、
自分の肉体ベースである程度凄さがわかる。

あるいは体育などで経験している競技も
あるだろう。

そのため凄さが分かりやすい。


対してeスポーツはどうだろう。

確かに彼らは鍛錬を積んでいる。

それは素直に認める。

しかし、知っているゲームならともかく
知らないゲームに関しては
何が起こっているのかまずわからない。

それに何がどうすごいのかも
素人には分からない。

この差異はかなり大きいと考える。



さらに見た目も
理由の一つにあげられると考える。

従来のスポーツは
肉体を酷使して行うものが多い。

そのため必然的に肉体が鍛えられ、
はたから見てもトレーニングしているのが
目に見えてわかる。


対してeスポーツ。

彼がが鍛えているのは
反射神経や集中力、
コントローラー捌きである。

それらを極限まで鍛えたとしても
はたから見たら何も鍛えていないように
見えてしまう。

一般人と肉体的な違いがわからないのだ。



この三つに共通しているのは、
見ただけで凄さがわかるかどうかだ。

真似ができないほどの洗練されたプレイが。


一目でわかる凄さが。


見ただけでプレイヤーがどれだけ
トレーニングしたか。

人間は視覚による情報が
圧倒的に優位なため、
それらが伴っていないのは致命的だ。

きっとこういったことが
うまく言語化できなかったため、
少なくとも私は違和感を覚えていたのであろう。




eスポーツというのは現状
スポーツの枠組みにも入ってはいるが、
半分ほどがそこから出ている状況だ。

その半分というのは
上記にあげたものである。

私は頭ごなしにスポーツでないと
否定することは決してない。

だが、上記に理由から
心の底からスポーツの一つと
言える自信がない。

また、一般的になるには
時間が必要である。

急にゲームとして認知していたのに
スポーツと認めろと言ってきても、
多くの人は戸惑ってしまう。

論理的に正しくても
急激な変化に対応出来るものは
少ないのだ。

スポーツという市民権を得るには
長い時間を要さなければならない。


こうしてnoteを書きながら
無事違和感の正体を言語化できて
とても満足している。

私はeスポーツに関しては
肯定も否定もしない立場であるが、
いずれ決着をつける時が来るだろう。

それまでは自体を静観している。

それにしても書いていて思ったのだが、
eスポーツ関連で最も疑問なのは
なぜ近年になって急に
スポーツだと言い張るようになったかだ。

これに関してはやはり
お金が絡んでいるのであろうか。

結局新たな疑問が浮上してしまい、
モヤモヤは消えずじまいであるが、
それに関して考えがまとまっていないので
今回はここまでとしておく。


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