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有元利夫展@大山崎山荘美術館

文化の日の連休にいってきた、京都のアサヒビール大山崎山荘美術館の話をば。

アサヒビール大山崎山荘美術館

そもそも文楽鑑賞で大阪に行くたびに、せっかくだし京都も…と思い、実際行ったこともあるのですが、京都の町のあの独特の余所もんを寄せ付けない雰囲気というのはぶらり旅派にとってはなかなか敷居が高くて、ぜんぜんハマれてないのですが、そんな私も行ってみたいのがサントリー山崎の蒸留所です。

サントリー山崎蒸留所

最近、ワインを卒業して蒸留酒飲みになろうと目論んでるのですが、さっぱりわからないので勉強してみたい、と思いつつ、少人数で予約制の蒸留所見学はいつも週末 満席で、予約できた試しがありません。

今回もやはり連休ということもあり、サイト見たら満席になってて諦めたのですが、その山崎の蒸留所の近くにアサヒの小さな美術館があるのを知ったのは、その美術館が有元利夫の展覧会をやってることをSNSで知ったから。

なんせ鴨居玲と有元利夫は私にとっては特別な作家さんなので、これは行かずはなるまいて!ということで、文楽鑑賞の翌日、滞在を一日のばして山崎を訪れることにしました。

新大阪からはJRの在来線で20分ぐらいでしょうか。駅は小さくて、コインロッカーもあまり数はありません。私はギリギリひとつ空いてたとこに入れられたんですけど、美術館のある天王山のレストハウスまで行けば、もっと安いコインロッカーがたくさんあるので、荷物が気になる人は送迎バスを利用して上で預ける方が得だと思います。私は歩いてみたかったので、駅の観光案内所のおばさんに道を聞いて歩きました。

今こそ…の天王山だ」的な言い回しで使われる天王山、ほんとにある山なのね小さいですが、ちゃんとした山です。

山崎という駅は小さくて、周辺にもほっとんど店とかないんですが、ヒルトンやなんかで修行したシェフがいるというイタリアンのレストランがあって、そこでのランチを食べようと思ってました。

レストラン タガミ

んが!行ってみたらオープン直後の早めの時間なのに、すでにテラス席も含め満席。「本日ご予約のお客様で満席となっております…」と申し訳なさそうに言われてしまい、あえなく撤退。電車も空いてたし油断してたんですが、山崎って京都側からも近いですからね。甘かったわー。次は予約して行こう。

で、美術館には喫茶だけで軽食など食べられるレストランがないのは調べてあったので、駅前のブランジェリーでお惣菜パンを購入しました。ここはいろんな種類のパンを置いてて、生地もなかなか本格的。いわゆる町のパン屋さんよりグレード高く、でもお値段は良心的で美味しかったです。

ブーランジェリー エトルタ

駅からは緩やかな坂をものの5分も歩けば山の麓には辿り着くのですが、そこから美術館までの坂道はかなりきつく、高齢者の方には無料送迎バスの利用をすすめているのは正解だなと思いました。

わくわく。

こんな素敵なトンネルをくぐると山荘の敷地です。

小さな日本庭園が入り口手前にあって、そこの東屋でパン食べて腹ごしらえ。

お子さん連れてピクニックシート敷いてお弁当食べてる若夫婦もいました。近所の人にはちょうどいいピクニックの穴場かも。

美術館の入り口はこんな感じ。もとはニッカウヰスキーの創業にも携わった実業家、加賀正太郎の別荘です。蘭の栽培が趣味だったそうで、温室だった場所に建てられた展示室に向かう通路とか、レトロでとっても可愛いです。

私はもうひたすら有元利夫目当てで来てたんですが、少し早めの紅葉を楽しみにふらりと訪れた感じのお客さんも結構いました。たしかに京都駅から近い紅葉の名所は芋洗いになってそうなので、このへんは穴場なのかも。

展示室は3室あって、小規模な展覧会ながら「花降る日」「厳格なカノン」などの代表作、立体作品、珍しい未完成作品などもあって、満足度の高い展覧会でした。展示替えもあったらしいし前後期行けた人羨ましい…

東京でやる個展よりぜんぜん人口密度が低いので、思う存分有元利夫を独り占めできました。至近距離で。有元利夫とか鴨居玲ってやっぱり写真や画集と実物の色合いが相当違うんです。なので可能な限り実物が見たいし、機会のある方には見てもらいたいです。

展覧会コラボメニューのケーキを食べたかったんだけど、残念ながら売り切れで、ワインケーキとスイートなシードルをテラス席でいただきました。見晴らしもよくていい気持ち。もう少しメニューが多いといいんだけど、建物をそうそういじくれないので、あまり本格的なキッチンは置けないんだろうな。

ミュージアムショップでは絵葉書買ってしまいました。色はねぇ、どうしたって見た色は出ないんですが。でもやっぱり手元に気軽に見られるものもほしくて。

さて、のんびり鑑賞して常設展示のモネの部屋にも行って(←なんか増築部分の展示室は、めっちゃ安藤忠雄っぽい設計だなーと思いながら見てて、帰宅してからHPをよく読んだら安藤忠雄の設計でした。昨今の美術館は安藤忠雄に改築頼みすぎや…あっちもこっちも安藤忠雄やないけ…と思ってしまいました。こうなったら安藤忠雄展も見に行こうかしら)、それでも帰りの新幹線まで時間に余裕があったので、混み混みなのが目に見えている市内に戻るよりは、見晴らしいいとこまで散歩したほうが気持ちよさそうだなー、とふと思いついてしまった私。

案内板もぬるーい感じだったので、軽い気持ちで登り始めたのですが、これがガチ登山でした。

イノシシ注意やスズメバチ注意の立て看板、登るほどに険しくなる道、降りてくる人は全員リュックしょって登山靴というスタイル…ヒールのある革靴の私、さすがに身の危険を感じで途中の休憩所的なとこまでで引きかえしてきたのですが、見晴らし台からは大阪のあべのハルカスが見えましたよー。

にしても、観光地の地図って詳しすぎたり省略しすぎたりでぜんぜん広さや遠さ、近さがわかんないことが多いんですけど、山の省略地図には気をつけようと思った…。

頂上まで40分とか書いてあったけど、私、お寺から「ここまで15分」と書かれてる旗立松展望台の手前の見晴らし台まででも20分近くは歩いたと思うので、頂上まで40分っていうのは、富士山駆け下りてくるマラソンに出る人とか足軽とかのタイムだと思う…(^_^;)

特に山の降りは登りよりキツいので、もし登るつもりのある方は、靴や装備は整えて時間にも十分余裕をみてくださいねー。まぁ時間さえあれば子供連れでも登れるとは思いますが、結構キツイです。素人なら登って降りるのに、休憩いれて3時間ぐらいはみといたほうがいいんじゃないかなー。観光案内の時間の目安だと駅から山頂まで1時間みたいに書いてあるけど、それ山を歩き慣れた人がサクサク歩き続けてその時間だと思う。

天王山ハイキングコース

私が登ったのは六合目だったのね…美術館がそもそも結構上の方にあるので、そこでも十分見晴らしはいいです。無茶なアタックを続けて遭難しなくてよかった…

山の1キロ侮るべからず。

てな感じで、思わぬ感じで無駄に歩き過ぎたので、少し慌てて帰ってきました。案の定、激混みだった京都市内には立ち寄らず、ちょっと駅近の百貨店のカフェでココア飲んできただけという、ある意味では贅沢な山崎訪問でしたが、次こそはサントリーの蒸溜所も、レストラン タガミも予約とるぞー。

私が行った時はまだ始まったばかりって感じでしたが、今が紅葉も盛りだろうと思います。有元利夫展ほんとにいいので、お近くの方は是非立ち寄ってみてください。12月10日までやってます。

#アート #美術 #有元利夫 #アサヒビール大山崎山荘美術館 #天王山 #京都 #コンテンツ会議 #旅

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