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《ネバー・ザ・シナー -惹かれ合う狂気-》観劇記録


2021年9月11日(土) 
ネバー・ザ・シナー -惹かれ合う狂気-
昼公演を観劇しました。


公演が発表された時、ふぉ〜ゆ〜の中の推しの雄大くんと大ファンな林くんの共演に物凄くテンションが上がりました。
しかも二人が恋人役!!
どんな絡みになるの⁉と期待に胸を膨らませ(笑)でも内容はなかなかに重いということを頭の片隅に置いて当日まで楽しみに過ごしておりました。
(事前情報はほぼ入れずに観劇する派です)


簡単にあらすじを。
裕福な家庭に生まれ育った雄大くん演じるローブと林くん演じるレオポルド。
二人はある日、自分たちが普通の人間ではない“超人”であることを知らしめるために一人の少年を誘拐し殺害。
完全犯罪を成功させることで彼らは“超人”になれるはずだった。
しかしその犯罪はあまりにも稚拙で完全犯罪になるはずもなく、二人は逮捕される。そして極刑が求刑された裁判が始まる。
判決が下るまでが描かれていました。
この題材が実話だということがとても恐ろしい…。
確かに内容は重い舞台でしたが嫌な重さではなくて、むしろ色々考えさせられて私には心地よい重さの舞台でした。
明るい作品の方がもちろんいいけど、こういう舞台も観たい。


細かい感想を書いていくと、まず衣装が素敵でした!!
スリーピーススーツに身を包んだ雄大くんも林くんもカッコいいのなんのってね。
加えて、密かに生で見られるのを楽しみにしていた姜暢雄さんもとてもカッコ良かった…。
もう最高に眼福の光景でございました!!!ありがとうございました!!
雄大くんは髪をピシっと固めていて、見たことのない雄大くんでした。とんでもなくお顔が小さくて、ちょっと気が散りました(笑)
林くんのスーツ姿は新鮮。でもスーツを着ていてもあの小動物みのある可愛さは健在で、登場した瞬間に心の中で「可愛いー!!」と叫んでしまいました(笑)
冒頭からローブとレオポルドの絡みのシーンがありまして、、、。真面目なシーンだったのにマスクの下でニヤニヤが止まりませんでした(笑)


裁判のシーンから始まり、途中二人が殺人を犯した回想シーンが入り、最終弁論、そしてラストシーンが二人の出会いのシーンでした。
この展開良かったです。
人生において、自分を変えてくれる誰かとの出会いって本当に尊いものです。
でもちょっと忘れていたかもしれません。こんな風に自分の人生をめちゃくちゃにしてしまう誰かとの出会いもあるのだと…。
ローブとレオポルドはどちらかと言えば真逆の性格。私はレオポルド寄りに見ていたかもしれません。
ローブと出会わなければ、レオポルドは勉学に励み、平和で穏やかな人生を送ったはず。ローブとの出会いが全てを変えてしまった。
ローブはレオポルドを大切に想っていたのか些か疑問でした。レオポルドじゃなくても良かったのではないかな?
レオポルドの愛をローブはうまく利用したように見えた。
二人が恋愛関係にあったことが狂気に拍車をかけたような気がしました…。
レオポルドは頭がいい人だったけど、ローブを愛することで理性を失ってしまった。
ローブはすごく寂しい人だったのかなと感じました。何を得れば彼は満たされたのかな。いや、満たされることはなかったのかな。
それらしい理由を口にしながらも、人を殺めた動機は聞いていて恥ずかしくなるような自尊心の塊でした。
自分たちは特別だとイキった金持ちの息子たちの、バカという言葉では足りないほどレベルの低いお遊びのような行為。
こんな奴らに殺されるなんてたまったもんじゃない。
人間だけですよね。
生きていくためという理由以外で誰かを殺すのは。
動物はみんな自分が生きていくために殺し合うことになってしまうけど、人間はそうじゃない。
殺す必要なんてないのに誰かを殺す。
なんて恐ろしい生き物なんだろうと、そんなことも考えさせられました。


私が今年雄大くんの演技にズドンと射抜かれた時、雄大くんは6歳の少年を演じていました。
今回のローブは好きになれる要素が全くない青年だったけど、雄大くんが演じるとどこか受け入れたくなるのは雄大くんの想いが役を通して伝わるからなのかな。
白熱した演技に心臓がドクドクしました。
ずっと強気だったのに、最後の最後で大声をあげながらレオポルドに泣きつくシーンがたまらなかった…。
そしてそれを受け止めるレオポルドも良かった…。
ずっと優しく背中をさするレオポルドの手が温かった。
林くんはどんな役を演じていても必ずどこかにキュートさがあって、そのキュートさに喜怒哀楽が宿っているよう。
弱いようで実は強かったレオポルドを演じる林くんを見ることができて良かったです。


セットはほとんど変わらなかったのに、ちゃんと景色の変化を感じられました。
殺人のシーンはなんだか血の匂いがするような気さえしたし、裁判のシーンは本当に裁判を傍聴しているような緊張感がありました。役者さんの演技力って本当に凄いです。
姜さんはじめ、他のキャストの方たちも素敵でした。
欲を言えばあと何回か観て、解釈を深めたかったな。
でも一度でも観れたのだから贅沢はダメですね。
好きな作品を観劇した後に心が満たされる感覚は何度味わっても幸せです。
また雄大くんと林くんの共演を見ることができますように。
二人のお芝居が私は大好きです。