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一発ではうまく行かない、との予防注射

 年末になり、確かに忙しさが、いや増しているように感じますが、日本人の性質なのか、忙しいことを良しとする風潮があるようで、ある意味、これは変ですよね。

 「忙しい」とは、「心を亡くす」と書くわけですから、いい訳はないのです。

 私のいる職場は、組織の中でも、とりわけ危険臭を放っているところで、いつ何時、倒れる人、辞める人がいても全然おかしくないところです(^^;)。

 確かに、忙しい部署なんですが、それでもやりようはあるはずだと感じています。

 スケジュールに間に合いそうになく、追い立てられるように仕事をするから、ストレスもより一層増すのではないかと思います。

 スケジュールには、追い立てられるのではなく、逆に、「スケジュールを追いかける」ように仕事はしたいものだと思います。

 私は、一日の終わりに、少なくとも、1か月先の仕事を見通しつつ、その翌日の仕事やプライベートの段取りを、名刺より少し小さいサイズの付せんに書いて、手帳に貼り付けます。

 で、その翌日である当日が来ると、付せんの仕事を一つ一つ、ただし、易しめの方から消化し、付せんに書かれた項目をペンで消し込んでいきます(消し込むのが結構快感!)。

 自分で行う作業もそうなのですが、誰かにお願いする仕事も、可能な限り、ギリギリでは頼まないようにします。

 というのは、人間、常に100%の全力で仕事ができる生き物ではないからです。

 ですので、安全を見越して、余裕を持たせた期限を設定するようにしています。
 ※これは、保険数理上、保険料率に安全を見越して、余裕を持った保険料率を設定し、実際の保険事故が少なかったなどして、余剰が出たら、配当金として還元するという「安全割増」という手法から学んだものです。

 また、一般的に、普通に仕事をしていると、スケジュールは、後にずれがちなんですね。

 そこで、人に仕事を頼むときは(特に、若い人に頼むときは)、「仕事(というもの)は、一発ではうまく行かないし、大抵、途中で何かあるものだから、○月○日までに、××をやるためには、早め(すぐ)に仕事を始めて、途中経過ごとに報告してね。ちなみに、△△のやり方をするといいよ。」というように、先回り的・予防注射的にお願いしています。

 私自身も、完璧ではないのを知っていますから、途中経過ごとの確認の中で、修正・修正の繰り返しになります(「漸進主義」)

 このような「何かがある」ことを見越して、早め(すぐ)に仕事を始めても、修正・修正を繰り返して、結局は、だいたい締切日、または若干の余力を残して、完了に至るケースが多いものです。
 ※途中経過ごとの期限も決めて、具体的なお願いをした方がいいと思います。

 また、やり方もある程度提示できたらいいですね(私自身、口だけで言われてもよくわからないタイプなので、相手にもできるだけ紙に書いて教えるようにしています。)。

 しかしながら、こういう仕事の仕方は、大きな事故につながりにくく、なおかつ、それ以上に、仕事の質もまずまず担保できるものになりやすいのです。

 ところが、闇雲に、ただただ頑張れ、みたいな手法は、仕事に追いまくられるばかりで、疲労の上、その質も悪いことが多いのです。

 スケジュールに追いまくられるのは、①すぐ始めていない、②やり方がよくわからない、③都度、修正し、次第に良くすることを念頭に置いていない、④途中経過ごとの締め切りをおいていない、そして、⑤全体の安全割増の設定がない、などが考えられます。

 仕事は一発でうまく行くもんじゃないのですから、仕事のお願いの際には、相手に予防注射を打つ必要があると思いますね(^^)。

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