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サラリーマンなりの有利な資産形成は?

 『1年で“おくびと”になる-ケタ違いの資産家に教わった「現物投資」の破壊力-』という本が売れています。

 非常にインパクトのあるタイトルですが、内容を読む限りは、浮世離れしているような話を謳っているわけでもありません。

 “億り人”とは、投資活動により巨額の富を築いた人を指す言葉で、単純に言うと、「資産1億円以上」の方を指します。

 ただ、気を付けなければいけないのは、この著者の言うのは、B/S(貸借対照表)の借方、つまり、資産の部が、-ここが大事なんですが、貸方、つまり負債の部がいくらあろうと、端的に言うと、純資産(=資産-負債)が限りなく小さくても-「1億円以上ある」ということを指しているのです。

 つまり、大きな「資産」を築きたければ、大きく「借金」をしなさい、その大きな資産が原資となって、各種事業から投資リターンが得られるであろう、という指摘なのです。

 私などは、普通のサラリーマンの一般ピープルですから、
①投資リターンが得られるような各種事業が思いつかない、そして、
②そのような素人が行う各種事業に通常の金融機関が融資をしてくれるとも思えない、はたまた、
③そのような融資の相談に乗ってくれる各種金融機関とこの読者のみなさんは果たして日頃付き合いしているのだろうか、
なんて、感じたりもするのですが、私が小心者の一般ピープルだからでしょうか。

 おそらく、著者の頭は、完全に事業家の思考になっているのです。

 事業家という方々は、日常的に事業を企て(①)、事業資金を調達し(②)、そのためにも、日頃より各種金融機関と懇意にしている(③)、そういうメンタリティのある人しか、この話が実現できるとは考えにくいでしょう。

 一般的なデータによると、新規企業が10年間存続する確率は約60%と言われています。

 なお、歴史家によると、第二次世界大戦中に日本兵の死亡リスクは大変高く、約30%と言われているそうですが、新規企業の廃業リスク(事業の死)は約40%ですから、それよりも相当に高い、そういう状況の中でも、タフに事業を生き残らせようと思える方が戦う場所のように思います。

 私などは、サラリーマンですから、月々の収入が大体決まって入って来ます。
 ※これが、通常の事業をやっている方には、とてもありがたく感じることのようです。

 私が、仮に、こういう中で、投資活動をするというならば、この特性を活かした投資活動をするでしょう。

①大きな借金は無理でも、月々の返済の確実性は高い。または、不動産などの有担保物件があるならば、それを活かした借金は可能。
⇒不動産融資を活用した賃貸用アパート・マンションなどの不動産賃貸業。

 ※ただし、賃貸用アパート・マンションの目利きは、素人には難度が高く、下手に手を出すと、カス物件をつかまされますから、そこは充分気を付けて下さい。また、この時機に備えて、融資元の銀行などには、積立定期の継続などで信用力を高めておくことです。

②月々の決まった収入がある。
⇒月々の積立による資産形成が一番合理的ですから、積立定期から始まり、積立投資信託、もちろん、iDeCoやNISAもです。これらは、富裕層というより、サラリーマン向けを念頭に構成されたような気がしてなりません。

 ※この場合、「卵を一つのカゴに盛るな」の投資格言どおり、一つの資産に集中しすぎないことです。なお、この方法だけでも、論理的に“億り人”は可能です。

 先の著作のように、負債の部を増やしても、その分、資産の部を増やせば、資産としては“億り人”であるというのは、ウソではないものの何だかおっかない話です。

 普通のサラリーマンのような一般ピープルが行うならば、①・②のような方法が比較的穏当のように思いますが、いかがでしょうか。

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