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【観劇レポ】モンティ・パイソンのSPAMALOT featuring SPAM

皆様こんばんは。

観劇レポの記念すべき1回目は「モンティ・パイソンのSPAMALOT featuring SPAM」。実を言うと、この作品の観劇レポはInstagramに投稿するのを忘れておりました。下書きに残していたはずが、いつの間にか消えているという…(泣)

私にとって2021年1発目の作品でしたし、折角noteを始めたので、2021年で区切りをつけようと。それで今回この作品からレポすることにしました。

数か月前の出来事ですが、最後までお付き合い下さいませ。


スパムがいっぱい

私は1月19日の東京公演を観てきました。1月8日に緊急事態宣言が発出されていたので、緊急事態宣言中の観劇。コロナの感染対策をしながら会場へ向かいました。

会場は池袋にある「東京建物 Brillia HALL」。比較的新しく非常に綺麗な場所ではありますが、座席によってはちょっと…なことがあるので、チケットを発券する時はいつも以上にドキドキします。

今回はまさかの1列目。加えてセンターブロックの下手寄りということでステージとの距離が物凄く近かったです。

ちなみに会場内の雰囲気はこんな感じ。

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SPAMALOTという言葉は「SPAM」+「A LOT」(=スパムが沢山)から来ています。SPAMの協賛なので沢山のスパムが積み上げられた写真撮影スペースがありました。


作品紹介

この作品は映画「Monty Python and the Holy Grail」が原作となったミュージカル。脚本・詞をエリック・アイドル、音楽をジョン・ドゥ・プレとエリック・アイドル、上演台本・演出を福田雄一さんが担当しました。

公式パンフレットによると、福田さんにとってこの作品は『一番好きで、一番大切なミュージカル』だったそう。ブロードウェーで観て、冗談半分でやりたいと言っていたら、プロデューサーさんがかなりのスピード感で上演権を獲得し、日本版へ。その結果、2012年に初演、2015年に再演、そして今回2021年に、新キャストを迎えて上演に至りました。

以下あらすじ。

神のお告げを受けたアーサー王は従者パッツイを連れ、家来となる円卓の騎士を集めて聖杯(ホーリーグレイル)を探す旅に出る。しかし、次々と起こる奇想天外なハプニングが、彼らの行く手を阻む…。果たしてアーサーたちは、目的の聖杯を見つけることができるのか!?

中世のイングランドを舞台に、アーサー王、パッツイ、騎士たちが駆け回るのですが、色々ふわっとした内容です(笑)。

賀来賢人さんがインタビューで見どころを聞かれた時、

「さんざんくだらないことをやる。明るい歌やダンスを踊る。そして、『あぁ、楽しかった』と思ってもらって、その2時間後には『で、なんの話だったんだろう』で終われるミュージカルだと思います」

と話していましたが、まさにその通り。

最初から最後までずーっと笑いっぱなしだったので、お腹が痛くなっていました。メインキャストはほぼ皆ボケに走っているので、終始ツッコミ側だった、矢本さんと長谷川さんは大変だったろうな…と思います。観客の立場としては、めちゃめちゃ楽しいコメディミュージカルでした。


福田組集結

今回出演者に福田組が多かった!主役の山田孝之さんに加えて、矢本悠馬さんや賀来賢人さん、シソンヌのお二人は福田組の常連ですから、とにかく安心感がありました(笑)。

アーサー王の山田さんは、「勇者ヨシヒコシリーズ」でもお馴染み。佇まいは割と堂々としていますが、どこか考えがふわっとしているアーサー王。何か特別なことをしなくても面白味が出てしまうのが山田さんだなーと思いながら、観ていました。そしてあの髭が似合ってしまうのもさすがだなと。深みのある歌声も素敵でした!

アーサー王のお供、パッツイ役の矢本悠馬さん。想像以上にお顔が小さくてびっくり。背中には9~10キロの荷物を抱えながら、馬のようにパカラパカラと動き回り、歌い踊る姿には脱帽でした。この作品の中でも数少ないツッコミ役なのですが、すごくよかった…!ミュージカル初出演とのことですが、芝居からそのまま歌に入れていて聞きやすかったです。

騎士、ランスロット卿役の賀来賢人さん。唯一二回目の出演(役は違いますが)。ランスロットの他にも挑発役・ニッの騎士・妖術師吉田を演じていましたが、個人的にはニッの騎士が好きでした。言っていることは滅茶苦茶なのですが、ビジュアル含め愛しく感じます(笑)。盛大にボケをかまし、会場のお客さんや出演者の間にも笑いを起こしていたのが印象的ですが、歌や踊りも完璧。賀来さんに憧れる俳優さんも多いのではないかと思いました。

歴史学者兼ハーバート王子役のじろうさんと騎士のベディヴィア卿役の長谷川忍さん。お笑い芸人のお二人は歌や踊りに苦戦したそう。しかしじろうさんも長谷川さんも、笑いの面で「やってやる」という気迫が人一倍強かったように思いました。じろうさんと長谷川さんが親子関係として登場するシーンは息ぴったりで、普段のネタを観ているような気持ちになります。じろうさんのハイトーンボイスと長谷川さんのキレキレツッコミは最高でした。


コメディだけじゃない

この作品はとにかくコメディ要素が多いのですが、ミュージカルの根幹をしっかりと支えていたのが、新妻聖子さん、三浦宏規さん、小関裕太さんの3人だと思います。ミュージカルの経験も多く、歌や踊りも素晴らしい方々です。

まずは湖の貴婦人役の新妻聖子さん。「初めて生歌を聞ける!」と、前日からソワソワしていました。そして観劇後の私の第一声、

新妻聖子さんの無駄遣い…(もちろん良い意味)。

足のつま先から頭のてっぺんまで、全身の鳥肌が立つような感覚で完全にレベチでした…。さすがはミュージカル界の歌姫。

1幕、三浦さんとのデュエット『こんな歌』は「オペラ座の怪人」のパロディになっていて、三浦さんが怪人を、新妻さんがクリスティーヌを演じ、歌いきっていました。12月に劇団四季のオペラ座を観劇させていただいていたので、少し懐かしさを感じていました(笑)。このナンバーはミュージカルのあるあるネタが歌詞になっていて、それをお二人が真面目な顔をして歌うので、とにかく笑わずにはいられませんでした。ゲネプロの映像があるので、よろしければ見ていただきたいです。

そしてもう一つ印象的だったのが、2幕の『私の出番は?』。1幕で活躍を期待されていた貴婦人が、その後登場する気配ゼロ。久々に登場したかと思えば、「ヒロインなのに出番がない」「帝劇とかに出てるのにこんな扱いでいいの」と自虐的な歌詞でこのナンバーを歌いあげます。新妻さんのようにミュージック女優としてポジションが確立しているからこそできた役だなと思いました。

次にガラハッド卿役の三浦宏規さん。私は初めましての方でしたが、以前テニミュに出演されていたそうです。ガラハッドは二枚目キャラなので、イケメンの三浦さんには非常にぴったりな役。先程話にあがった新妻さんとデュエットした時の歌声も素敵でした。途中、某男性アイドル事務所の「シンデレラガール」を歌っていましたが、その姿はまさにアイドル。初コメディ作品でありながら、その後はボケにも挑戦していました。今後がますます楽しみです。

メインキャスト、最後の一人は小関裕太さん。私がミュージカルに出会ったきっかけは彼が作ったと言っても過言ではありません。今度またこのことについてはゆっくり書きたいと思います。

小関さん演じるロビン卿は、本人に似てちょっと天然(笑)。騎士になったら綺麗に着飾って踊れるとまさかの勘違いをして、アーサー王のもとに入隊します。しかし実は物凄く臆病で、戦いになると逃げてしまう、そんな役です。スタイルが非常に良いので、騎士の衣装が人一倍映えていました。

また今回小関さんはタップダンスに挑戦していました。しかも無音のタップダンス。見事その難しいシーンをやりきり、目の前で楽しそうに踊る姿に私は思わず涙が止まりませんでした。本当に素敵です。

小関さん公式ブログより

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何も考えなくていいミュージカル

「ミュージカル」という言葉を聞くと、「物語が難しそうで、ちゃんと理解できなさそう」と思う方も多くいらっしゃるかもしれません。しかしこの作品に関して、物語の内容は理解しなくて良いと私は思っています。何も考えずに、ただひたすら目の前に起こっている笑いを楽しむのが、一番の醍醐味なのです。

だからラストの『人生楽に生きようよ』(リプライズ)では皆が笑顔になっています。私たちは人間なので、誰でも生きることに苦しさを感じたり、何にも希望を持てなくなってしまったりすることはある。しかしそんな時だからこそ、一息ついて「人生、もっと楽に生きてもいいんじゃないの」と思っても良いのではないのでしょうか?

コロナウイルスの影響は依然として続いておりますが、「笑い」だけは絶やさずに生きていきたいものです。


#SPAMALOT #観劇レポ #ミュージカル





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