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TOUR CHIMI NO NAHA終了

2月27日、28日と、くるり20周年記念のシングルベスト盤ツアー「チミの名は。」の東京公演に行ってきた。


最近きちんと情報の確認をせずにライブに行っているので、実はMCで岸田氏の口から語られるまで、これがシングルベストアルバムのツアーだということに私は全く気付いていなかった。

そして、ツアータイトルについても、映画の「君の名は。」のオマージュなんだろうな、とは思いつつ、サイトの「入れ替わったり」というメッセージが映画の内容をふまえてのものだということにも気付いていなかった(当然、映画は見ていません)。

そんなこんなで、編成から判断して、ギターが厚い感じになるのとサイトのピーナッツのアイコンから「魂の行方」辺りが多くなるのかな、でも個人的にはThe World Is Mine、アンテナ、NIKKI辺りを聴きたい、っていうかNOW AND THENどこ行った?私はNIKKIが好きなんだ!なんて思いながら開演を待っていた。

蓋をあけてみれば、シングルベストのツアーだとか言いつつも、アルバムやB面曲をふんだんに取り入れた、中でもNIKKIの曲を多めに盛り込んだセットリストだったのでした(安定のくるり感!笑)。
選曲も構成もそして当然演奏もすごく好みで、本当に満足。
おそらく私だけでなく、長い間くるりを聴き続けてきたややこじらせ気味の濃いめファンのツボを痛いほどに突いたものだったでしょう。最高。


もう、この2日間が良すぎて、音博途中終了の悔しさやNOW AND THENロスが完全に吹っ飛んでしまいました。
これならNOW AND THEN vol.4がたとえ10年後や20年後になったとしても待っていられる。そんな風に思えました。

さて、話をツアー内容に戻すと、「入れ替わったり」ということについては、私はツアー中に会場によってメンバーが変わるのかなと思っていた。
ギターもドラムも2人ずつだし、ギター2本はまああることだけど(むしろ好きだけど)ドラム2人というのはなかなか無い。

スケジュール的にこの日はクリフ、この日はもっくんと振り分けるのかと思っていた(特に東京2days)。

しかし、こちらも蓋をあけてみれば、公演には全員が立ち会い、その1日の中で曲によって入れ替わるという形がとられていた。めちゃくちゃ豪華(あまりステージ上が見えなかったので、どこでどんな風に入れ替わっていたのかというのをあまり把握できなかったのが残念だけど。ドラムもダブルで打っていたのかな??)!

この「入れ替わり」は、先述の通り、映画の「君の名は」にちなんだものであることが、MCで岸田氏によって語られたのだが、ツアータイトルは、「映画にインスパイアされて適当につけた」「映画を観る前につけた(結局観たのかは不明)」「観る前につけてしまったのでタイトルからして、1.学ランでも着るか(高校生のフリをするかみたいな言い方だったかな?記憶が曖昧)2.入れ替わるか 3.バカ殿の真似をするか(?このネタの意味がよくわかりませんでした)」で、じゃあ入れ替わろうと…、というようなことだった。

セットリストについては、順番など詳細には思い出せないけれども、

東京2daysで共通して演奏されていたのが、

BIRTHDAY、Long Tall Sally、Superstar、Bus To Finsbury、Ring Ring Ring!、Tonight is the night、愉快なピーナッツ、夜行列車と烏瓜、Morning Paper、HOW TO GO、ロックンロール、上海蟹、ふたつの世界、京都の大学生、街、虹、WESN、Liberty&Gravity

東京初日のみだったのが、

リバー、尼崎の魚、oAo、おはら節、baby I love you、ばらの花

東京二日目のみだったのが、

ワンダーフォーゲル、トレインロックフェスティバル、魔法の絨毯、帰り道、Veranda、遥かなるリスボン、春風

だったように思う。いや~ひたすら豪華。

両日とも本編のラストは虹、アンコールのラストはLiberty&Gravityでした(最近Liberty〆多いね)。
街や虹など初期の名曲の中で「東京」が一度も歌われなかったことは印象的だった。初日に無かったので、最終日に歌うのかな?最終日の本編でも無かったのでアンコール〆なのかな?と思ったりしていたんだけれども、結局無かった。そうか、これが今の、そしてきっとこれからのくるりなんだよな、と思った。うん。

サポートギター2本でNIKKI辺りの曲を聴けるのは本当に気持ちがいい。NIKKI曲は当時のツアー以降なかなか聴けていなかったので、それだけでも嬉しかったし、中でもLong Tall SallyからSuperstarの流れが個人的には最高にツボでくらくらした。他のどの曲も思い出深いし、イギリス行ったときにただ"Bus to Finsbury"に乗りたいってだけでFinsbury(←本当に特に何もない感じのところでした)を目指したよな、とか、あの頃本当にくるりに心酔していたよな、とか思い出しながら感慨深く聴いた。
MCで岸田氏が「Tonight is the nightは地味で絶対売れないと思うけど心の中ではシングルだしかなり好きな曲」って言っていたのに社長も同意して「好きな曲の中でかなり上位に入る」と言っていたのも嬉しかった。そう、くるりにこういう曲があるところが私はすごく好きなんだ。

そして、この編成だったら絶対聴きたいよねというMorning Paper、HOW TO GOがばっちり聴けたのも良かった。Morning Paperは、初めてくるりに対面していきなり魂を持っていかれてしまった0506の年越しライブを、HOW TO GOは、この間のNOW AND THEN vol.3のライブやMCを反芻しながら揺れた。もっくんと別れてもがいていた頃に悩んで悩んで悩みぬいた挙句に生まれた名曲が今、もっくんと共に演奏されているということの不思議。バンドの歴史、そしてバンドと共に歩んできた自分自身の軌跡をも投げかけてくる名演だった。そしてさらに、ロックンロール。私はこの曲が大好きなんだけれども、編成によって好みが別れる曲でもあって、その時の自分とくるりの結びつきのバロメーターになるところがある(ロックンロールの演奏がはまる時はばっちり合うとき、何だか流れていってしまうときはあまり合わないとき)。今回の演奏は、ばっちりタイプでした。テンポもでーんとしていて、ギターが効いていて最高。でも、不思議だったのは、岸田氏が2日間とも2番の歌詞を飛ばしたり間違えたりしてしまっていたところでした。あそこはこの曲のピークとも言える部分だから、できれば(ちょっと恥ずかしいけど)聴きたかったな。でも、だからこそ飛んでしまったのかな?とも思う、今の岸田氏は。いや、わかりませんけど。

NIKKI以外のアルバム曲やB面曲が色々聴けたのも豪華だったな~。特に「くるりファンはきっと好きやと思う」「演奏難しいけど」って歌われたoAo(そうその通り、大好きですよと思いながら聴いた)、そして何より、帰り道!!私、この曲、本当に好きで、昔(私がくるりに陶酔していた頃…06年~08年頃だったかな?)音博かファンクラブイベントで歌ってほしい曲リクエストをしていたときに熱烈プッシュしたりしていたんですけど、その後「磔々でクタクタ」みたいなイベントで念願叶って聴けてだだ泣きしたという思い出ソングで。本当に名曲だと思うんですけど、残念ながら皆で盛り上がる系ソング(?)ではないので、フェスは勿論、ツアーでもなかなかお目見えすることがなく、アルバム曲でもないからNOW AND THENが再開されたとしても聴けないし…と残念に思っていて。それが、あの編成で、あの場で聴けたので、何ていうか、ひたすらありがたかった。分厚いギターの中、春の暖かさと寂しさが入り混じるあの感情にくるまれて。普段はそれに滅入ることが多いんだけど、音の波が後ろで支えてくれている気がして。とても優しかった。

本編終了後は、ちょっぴりリクエストコーナーみたいなのがあって、初日は「人気ないやつだけど」っておはら節、岸田氏が持ち出した「ブレーメン、Veranda、Baby~からの3択」でお客さんの拍手が多かったBaby I love youが弾き語りされた。(Baby~もいいけど)Verandaがよかったなーって悔しく思っていたところ、
二日目は無事に歌ってもらえたので大満足。二日目はその後、社長と二人で遥かなるリスボンと春風を演奏(初日は2人のみは無かった。春風を二人でってなかなか無いよね!)。その後バンドへ、という流れでした。二日目は最終日だったからか、恒例の社長による物販コーナーも省略して曲をやろうってことになって、二人のみの演奏も、本当はどちらか一曲だけの予定だったのを両方演奏してもらえたし、ラッキーでした。

は~本当に思い出せば出すほど濃密な充実した二日間でした。セットリストも構成もかなり変わっていたのでかなり印象が違ったし、どちらも本当に素晴らしかった。

欲を言えば…
今回の編成は本当に好みなので、この編成で聴きたい!って思った曲が色々あった。特に、Old fashioned、リボルバー、すけべな女の子、真夏の雨、glory days。
弾き語りでは、サマースナイパー、カレーの歌、真昼の人魚、レンヴェーグワルツ、スロウダンスあたりを聴きたかったな。あと、会場で誰かが「初花凛々!」って言っていて「それそれ!」って思ったんだけど、岸田氏バージョンの初花凛々も聴いてみたい。(…っていうか、SINGER SONGERも再結成、というか、それが無理なら再演してほしい!(やっぱり私、SINGER SONGER~NIKKI辺りのサウンドがすごく好きみたい))

脱線しすぎたので話を戻すと、東京二日目にはカメラが入っていたので、是非完全版を発売してほしいです!!編集した放送ではなく、ロックンロールの2番も含めてノーカットを希望。もちろんちゃんと買いますので!!

バンドの軌跡をぎっしりつめこんだ、20周年記念にふさわしい貴重な公演でした。平日で行けなかった往年のファンのためにも是非!!途中で離れてしまったファンのためにも是非!!絶対、みんな揺さぶられるはず。

これでしばらくは生きていける。久しぶりにそう感じさせてもらえたライブでした。昔の感覚を思い出しました。ありがとう。やっぱりくるりからは離れられません。

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