会社のトイレにはざまざまな人が訪れる。

私は基本的に用を足すか、歯を磨くか、お化粧を直すためにしか行かないが、どうやらそれ以外の目的で利用する人も多くいるらしい。

先日、飲み会で何故かトイレの話になった。
男子トイレの個室からは時々、ものすごいいびきが聞こえてくるという。

オフィスで堂々と寝るわけにはいかない。
かと言って仮眠スペースもない。
デスクで眠気と戦うのもそろそろ限界っぽい。

そこで、トイレの個室でちょっと仮眠をとる。ということになるらしい。

他にも、トイレの個室でマリオカート(携帯ゲーム)をやっている、という報告も受けた。

オフィスの雰囲気はどうであれ、仕事の空間では行動が制限される。
堂々と寝ていては注意されることになるだろうし、ゲームに熱中するなど許されないだろう。

しかし、トイレに行く、となれば誰も咎めまい。トイレに行く、という行為はある意味で自分を解放するための免罪符なのである。
トイレには唯一、自分だけの空間であるオアシスが存在していた。

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