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サンガジャパン23号「この仏教書を読め!! 大アンケート」回答

質問:

皆様にとって、重要な仏教書・大切な仏教書を、3冊ご紹介ください。

回答:

池田魯参『宝慶記 道元の入宋求法ノート』大東出版社
1は道元と天童如浄禅師の問答集、大陸に渡り真の仏法を求めた道元の鋭い問題意識とそれに答える如浄全身の仏法。道元のその後のすべての著作の基礎と言ってもいい内容である。僕自身20代で本書と出会ったからこそ、冷笑やニヒリズムや価値相対主義に陥ることなく、暗闇の中でブッダの教えを探求することができた。自分と初期仏教を精神的に繋いでくれた本かもしれない。

一遍『一遍上人語録 付・播州法語集』岩波文庫 
2とは高校時代に出会ったが、三・一一後の精神的にきつかった時期を支えてくれた。一遍は一言でいえば「捨て聖」である。捨・離という仏法のエッセンスを体現した一遍の言葉にはどんな逆境にある人の心にも響く重力がある。非常時の仏教とでも名付けたい一冊だ。

『南伝大蔵経17巻 増支部経典1巻』大蔵出版社(オンデマンド版)
3はパーリ経蔵5部(ニカーヤ)の中で法数を基準にまとめられたセクションの第一巻。現代語訳の定本は出ていないが、釈尊がその教えを単刀直入に説いた法の宝庫であり、講演会テーマに困った時など最初に開く一冊となっている。

佐藤哲朗(日本テーラワーダ仏教協会事務局長)

サンガジャパンVol.23 特集「この仏教書を読め!!」2016/4/26寄稿



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