見出し画像

元マスク依存症のオタクが夜きみを見た話

私がマスク依存症という言葉を知ったのは、自分がマスク依存症を克服した後でした。

私は、中学2年から高校卒業まで『マスク依存症』で
マスクが無いと家から出られない人間でした。
学校だけではなく、プライベートで外に出る時も
マスクが無いと怖い。人の目が怖い。
自分の存在や自分の顔が、誰かに不快な気持ちを与えるかもしれない。そんな感情を毎日抱きながら生きていました。
なので、学生時代の写真でマスクをしていないものは中学1年のみ。
大人になった今でも、学生時代の写真を見返すことはできません。

そんなマスク依存症だった私が、映画『夜が明けたら、いちばんに君に会いに行く』を見ました。
きっかけは、プデュの時から白岩瑠姫くんのファンをさせていただいている事。
瑠姫くんの映画主演を知り、すぐに原作を購入し、読破しました。内容を全く知らないまま、原作を手にしましたが、茜が自分と同じすぎて、何度も読んでいる途中で泣き、当時を思い出し苦しくなりました。茜と違うのは、優等生じゃなくて落ちこぼれ学生だったことくらいかな…(笑)
原作を読み切った時、とても清々しいというか、あー。読んでよかったな、と率直に思いました。
瑠姫くんが演じる青磁は、どんな姿なんだろうな…と
とてもワクワクした気持ちでいっぱいでした。

そして9月1日。待ちに待った公開日です。
文章を書くのは苦手なタイプなので、殴り書きにはなりますが、この作品を作成してくださった方々に少しでも気持ちが伝われば…と思ったので描いてみたいと思います。(ネタバレ含む)

まず、私が学生時代マスク依存症で、授業として一番辛かったのは、美術の授業の自画像でした。
映画の冒頭で、自画像を書く授業の前に他人の印象を皆で書く?シーンがありました。
真っ先に、自分の当時のことを思い出しました。
あのまま自画像を書くことが始まっていたら、茜はどうしたのでしょうか…。
自分の前に鏡を置き、自分の顔を描く。
当時の私は、強制的に自分の顔と向き合うなんて、正直地獄でした。
マスクが外せない私は、結局最終日まで自分の目元しか描くことができませんでした。
見れば見るほど、自分の顔が酷いものに見えてしまう。自分と目が合うことすら怖かったです。
なので、正直目元すら描きたくなかったのが本音でした。
目元から下は輪郭のみ想像で描き、顔のパーツは白紙。異様だとわかっていても、なんでマスクが外せないのか、自分でもわからない。心が『怖い』で埋め尽くされてしまいます。
当時、きっと先生も何かを察してくださっていたのか、深く聞かれることがなかったのが救いでした…

マスクを忘れた茜を助けてくれるシーンで、青磁が『マスクがないとダメなのか?いつから?なんで?』と、茜に問いかける部分があります。
頷くだけで、その後に茜の携帯が鳴って答えないんですが
元マスク依存症の私から見たら、『わからない』が答えなのかなと、当時の自分と重ねて思いました。
私自身、マスクをし始めたきっかけがはっきりとは、わからないんです。友人関係のトラブルがあり、気がついたらマスクが手放せなくなっていた。
だから、なんで?と聞かれてもわからないんです。
マスクのストックが無いだけで、パニックになる。
前を向いて歩けない、涙が出る。気がついたら、そんな人間になっていました。
そんな自分が本当に情けなくて、惨めで、余計にマスクに依存していきました。
だから、茜が青磁になんで?と問われる所は胸が苦しくなりました。

茜が、自分の感情を押し殺す時にシャープペンシルで爪の周りを傷つけるシーンがありました。
私も、元々自傷癖持ちです。
本当に自分のことが、大嫌いで消えたかったんです。でも、死にきれなくて、自分にあたるしかなかった。心のどこかでは、周りの皆みたいに明るくなって、生きたくて、誰かに助けて欲しかったけど、助けの呼び方がわからなかったんですよね。
だから、感情を押し殺すために自分で自分を傷つけて、何とか毎日を保っていました。
茜の場合、教室での自傷シーンで青磁が助けにきてくれました。血がついたプリント、目を合わさずに話す茜を見て、青磁は助けてくれました。
羨ましい。本当によかった。
正直、自傷癖を持っている人に対して優しくできるって相当難しいと思うんです。
そんな中でも青磁は、真っ直ぐ救いの手を伸ばしてくれるんですよね…優しいな…(泣)
きっと、青磁本人が『死ぬかもしれない』状況になったからこそ、生きるための救いの手を伸ばしてくれたんだろうなと、終わった後に考えていて思いました…。

元マスク依存症者から見てると、キツい場面が上にあげたシーンも含めて沢山ありました。
マスクを忘れて視界が歪むこと、マスクずっと付けてるよねと噂話されること、マスクのことになると余裕がなくなって友達にも配慮できなくなること。
全部全部、自分を見ているようでした。
茜は、青磁から貰った言葉や行動で、前を向けるようになった。空を見上げられるようになった。
本当に羨ましいです。
こんなことを言うと、青磁に『言い訳ばっかすんな』と言われてしまいそうですね(笑)
私は、自分の力でしかその闇から抜け出す方法がありませんでした。4年以上かかりました。
長くて苦しい4年でした。
今でも思い返すと、心がギュッと苦しくなります。


でも、夜きみを見て、青磁の言葉でハッとした言葉がありました。
自分の心くらい、自分で守れ
本当にその通りなんです。
私のこのマスク依存症だった約5年間は、自分のことを傷つけてばかりの日々でした。当時の私がこの言葉を言われたら、どう思っていたでしょうか。
マスク依存症を克服してからも、なかなか自傷癖が抜けず、嫌なことがあったり、もうダメだと思った時には、自分を傷つけていました。
その癖がやっと治ってきたのも、ここ数年。
思い返すと、瑠姫くんに出会ってからかもしれません。
夜きみの中でも、茜は青磁と過ごすようになってから、自傷癖が治ってるんですよね。
自転車で二人乗りしているシーンの茜の手、綺麗なんです。治ったんだ…と、視覚でわかる場面でした。

このコロナ禍でマスクが当たり前になった世の中を3年程過ごしていると、当時のマスクがある安心感が時々蘇ってくることがあります。
でも、このタイミングで夜きみに出逢って
何となくですが『大丈夫かも』と思えました。
今ちゃんと、マスクを外して外を歩けています。

どれだけ自分の事が嫌いでも、瑠姫くんのことがだいすきで応援できている人生は本当に誇りです。
学生の頃に、生きることを諦めていたら瑠姫くんにも出会えず、存在も知ることもなかったと思うと
生きてて良かったな、と思います。
瑠姫くんがアイドルになってくれて、出逢ってくれただけでも奇跡のようなのに、
夜きみの主演を演じてくれて、私はまた瑠姫くんの存在に救われました。

瑠姫くんの誕生日までに、書きあげたいと思っていましたがギリギリになってしまいました…。
どうか、これからも瑠姫くんの人生が、輝き続けますように。心から願ってます。
改めてお誕生日おめでとう。
いつも本当にありがとう。だいすきです。

2023.11.19


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?