見出し画像

2019年3月 西鉄貝塚線に乗車

基本的に出張をしない仕事をしていますが、この時は珍しく福岡へ行くことになり、金曜日に行き翌日の土曜に帰る行程でした。

金曜日の夜は「ゴマサバ」や「中洲の屋台」で福岡・博多の食を満喫し、翌日は二日酔いで辛かったですが、せっかく来たので何か未乗路線に乗ってから帰ろうと気合を入れてホテルのベットから這い上がりました。

出張なので残念ながら往復飛行機で、帰りは14時くらいの便を確保していたと思います。手軽に行って帰ってこれる未乗路線はJR香椎線か西鉄貝塚線でしたが、香椎線の終点にある「海の中道」は観光もしてみたい場所であったので、香椎線はまたの機会にして西鉄貝塚線をチョイスしました。

西鉄貝塚線の始点である「貝塚」へ向かうために中洲川端から福岡市営地下鉄箱崎線に乗車しました。この路線も初めての乗車でしたので今回完乗路線の一つとして追加されました。

西鉄線と福岡市営地下鉄

福岡天神・博多にはかつて西日本鉄道の市内電車(路面電車)が走っており、西鉄貝塚線もかつてはもう少し博多の方まで路線が伸びており、路面電車へ接続していました。

赤丸のあたりにかつて千鳥橋(新博多や西鉄博多と言っていた時代もあり)駅があり、
市内電車へ接続し、博多や天神へ向かうことができたようです。

福岡市営地下鉄は西鉄市内線を廃止に追い込んだので、西鉄はその代わり路線バスで逆襲しているなどとよく言われますが、貝塚線(宮地岳線)も市内電車の廃止に伴い貝塚ー千鳥橋間は1979年に廃止されています。それから1982年に地下鉄箱崎線が開業するまでは、北からの鉄路は貝塚までという状況が3年間続いたようです。地下鉄の開業は速達性という観点では沿線に大きなメリットをもたらしたのではないかと思います。

都市部の鉄道が廃止されるという、東横線の横浜ー桜木町駅間の廃止と一部似たような境遇の西鉄貝塚線に興味があったのも、今回乗ってみようと思った理由の一つでもありました。
(東横線は桜木町駅が残ってほしかったと思う時もありますが、みなとみらい線を便利に使う時もありますので、桜木町の廃止は否定はしません。)

貝塚駅で直通運転をしないのか?

列車は箱崎九大前を出発すると、少しずつ上っていき地上に出て終点貝塚駅に到着します。到着してビックリ、対面乗り換えという構造ではありませんが、一体化している駅はフラットで乗り換えることができ、直通運転ができそうな構造となっていました。

市営地下鉄のホームページに掲載されている駅構内図を拝借
貝塚線沿線住民の方はやはり天神へ直通してほしいと思うのでしょうか。

貝塚駅での直通運転は長い間検討されていましたが、輸送力の差が問題だったようです。地下鉄は6両編成で運行されていますが、西鉄貝塚線は2両編成での運行です。西鉄線内が最大3両編成まで対応していたため、直通列車は3両で運行する案や、4両+2両の貝塚駅増結分離案などもあったようですが、採算が合わないなどから実現に至っていないようです。
確かに基本6両で来る地下鉄に時々3両が来たら混乱しますよね。(京都市営地下鉄東西線は基本6両で、京阪線からの片乗り入れ車両は4両という事例もありますが。)

混雑率は全国2位?

昼間は15分に1本で全列車2両編成の西鉄貝塚線はのんびりした路線なのかなと思っていましたが、終点の手前以外は福岡近郊のベットタウンという風景が続きました。JRと並行している区間が多く、香椎などから天神へはバスで通勤する方が便利とはいえ、2両はどうなのかと思っていましたが、やはり2021年には全国ワースト2位の混雑率となってしまっているようです。

千早~香椎付近は近年宅地開発が進み、沿線人口が増えている結果なのかもしれませんが、他の交通手段も充実していることから、路線の収支は厳しい状況らしいです。

ラッピング車両「にゃん電」に乗車

貝塚から乗車した車両は「にゃん電」というラッピング電車でした。(現在は終了)
これは「相島」という猫がたくさんいる島のPRを目的としたもので、相島へは終点西鉄新宮駅近くの港から船で行くことができるそうです。

車内も猫のラッピングが多くかわいいです
沿線案内図
都市近郊の電車で観光案内風の路線図は珍しいですかね
終点西鉄新宮に到着

西鉄貝塚線を走る600形は一番古いものは昭和37年に製造されており、60年以上走っていますが、先月、いよいよ引退時期が明らかになり、2025年度から2027年度にかけて、他線区の車両を更新のうえ置き換えることになったようです。

外観もレトロで走行音も古く楽しめました。
西鉄新宮駅

西鉄新宮駅から20分ほど歩いてJR鹿児島本線の新宮中央駅へ向かい、博多ではJR九州の特急を少し撮影し、福岡空港へと帰路へつきました。新宮の街も新しい綺麗な住宅街や大きなマンションが並び、駅東側にはIKEAがあるなど、またこちらも福岡・博多郊外の発展を感じることができました。

福岡市の都市圏でありながら、2両の古い電車が走る西鉄貝塚線。
都市と公共交通機関を考察するのが好きな方にはおすすめの路線です。
もちろん今度は猫の島「相島」にも行ってみたいですね。

読んでいただきありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?