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さくらと先生(蒼井まもるさん)。待つって愛だ。

子どもを産んでからは基本的に先生×生徒ものはあまり好きではないのです。

親の身勝手にはなりますが、成長途中の子どもに何してくれてんだって気持ちになるので。
しかしながら良作は別です。

個人的な容認しちゃう先生×生徒ものベスト3がこの度塗り替えられたのでご紹介です。

あらすじ

出会いは高校の入学式。中学を卒業したばかりでまだ幼さが残る主人公湊さくらが自転車に乗って学校に続く坂道を登るところから物語がはじまります。
険しい坂を頑張って登るさくらの横を同じく自転車に乗った若い男性が追い越していき、さくらはその人が妙に気になってしまいます。
すぐ分かるのですが、その男性は簿記担当の藤春啓介先生(26)。
優しい雰囲気で生徒にも敬語で話しますが距離をおく感じもないので話しかけやすい先生です。
さくらは少しづつ惹かれていきますが…。

といったところでしょうか。

さくらと藤春先生の距離が
縮まっていく描写が緻密で美しい

入学当初のさくらはあどけなくとても可愛いです。どうしたら自然に話しかけられるかな。今日は会えなかったな。
多分恋ははじまっているのだけど気づいていない。むしろ、彼女の男友達(瀬戸くん)の方が気づいていたほどです。

さくらが鈍いとかではなく、初めての恋ってこんな感じですよね。もしかしたら気づかないまま終わって、次の恋になって、あれは恋だったなって気づくかもしれません。

先生の笑ってる顔が見たいな。もっと先生のことが知りたいなって思うさくらの素直さがいいです。そして、好きと自覚したら藤春先生の好きなところがいっぱい増えていく。

対して藤春先生はというと、たくさんの生徒の中のひとりと思っていたさくらが特別になっていきます。

とある試験中。さくらと藤春先生は、さくらが95点とったら先生に彼女がいるか教えてもらうという約束をしていました。

94点で残念がってるさくらが残念なのは彼女のこと知りたかったというより満点取れたら褒めて貰えると思ったからだと答えた場面で、先生の中でさくらの立ち位置がたくさんの生徒のひとりからちょっと変わったんじゃないかなあって思うんですよ。

いつも敬語の先生から敬語が消えたり、バイバイの後に振り返ったりですね。藤春先生の目線とか表情とか少しずつ変化していくのが面白いです。

お互いの立場のせいで
気持ちが一緒だと気づいても
口にできない切なさ

お互いに意識してるから気持ちに気づいちゃうんですよね。さくらは我慢できず気持ちを伝えます。でも藤春先生は立場上どうこう出来ない。先生は卒業までははっきり伝えないつもりです。卒業までは。←

実はこのふたり、さくらが一年生の冬に校内で噂になってしまい、それからはかなり警戒しています。

藤春先生もさくらのことが好きだからつい言葉端や態度に出ていて、さくらはそれに気づきもっと好きになる。でも好きと言ってはいけない切なさです。

藤春先生も自分の保身というよりはさくらやさくらとの将来を守りたいと思っている様子だからこのどっちつかずな態度も許せるんですよね。

さて、このふたりの恋の結末はいかに。
ぜひ最後まで見届けてください。心が温かくなりますよ。最終回なんて夜に見たら涙腺が決壊しちゃいます!

しかしほんと、待つって愛がないと出来ないですよね。

全体的にセリフがない場面の情景とか登場人物の表情とかちょっとした仕草の描写が緻密です。ゆったりとした空気感も好き。

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