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子どものあなたに会いにいく

まもなく絵と声の肖像展を開催する。
絵のモデルは、子ども時代のお話を聞かせてもらうという条件で募った。6人の人が手をあげてくれて、会場では彼らの声と肖像を一緒に体験できる仕様になっている。

6人の話を聞く前に、いちど友人に練習にのってもらった。私の質問を切り口に、子ども時代の話を聞かせもらう。その子から、後日こんな感想をもらった。

「まだ出会っていなかったのにどこかで逢っていたかのような 不思議な気持ちになったよ」

私も彼女の話を聞くうちに、情景が浮かんできて、記憶の中を一緒に過ごしたみたいな気持ちになった。だからこの感想をもらえて、友人も同じようなことを感じてくれていたんだと、嬉しくなった。

自分たちはもともと友だちだったから、ふつうよりも共感しやすかったのかもしれない。でもその後つづく6名の人たちにも、やっぱり似たような感覚を覚えた。子どものその人と会って、お話をしてるような、つまり子どもに対する尊さが、大人になったその人にも感じられたんだ。

普段私たちがどれだけ社会という枠組みの中にいて、その舞台上でコミニュケーションをとってるのかということを、制作を通して改めて感じさせられた。子どもの頃の私たちは自然と一体化していて、生物として目の前の人と接していたのに。大人になった私たちは、社会的な役割をもったその人しか知らなかったり、見れてなかったりする。でも本来は、大人だって自然の一部だし、社会人である前に生物なんだから。

この声と絵のシリーズは、これからも地域や枠組みを変えてつづけていきたいと思う。つづけていく必要性を感じている。

久しぶりに雪が降ったよ

生きる糧にします