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プロ野球で3つの商品を定義したい。

今シーズン前のボク的にビックなニュースが、DAZNがプロ野球11球団のネット配信を始めること。

これまでパ・リーグTVががんばっていたけど、セ・リーグはチーム単体での配信にすぎず、「あたしゃホームだけしか観ない!」なんてファンはいないわけで、今までは視聴者にとって不便でした。

DAZNはJリーグにも年間200億円の放映権を支払っていて、サッカーに関してはスカパーはもうお手上げの状況。

日本は野球をはじめ、地上波でのプロスポーツ中継はよっぽどの試合に限っていて、ネット配信(いわゆるOTT)がメディアの中心になりつつあります。

スカパーや日テレの有料放送はプロ野球中継視聴者を手放さないよう戦っているのだけど。

一方で、アメリカでは逆。

MLB.TVは年間400億円の収入があるけど、実はMLB全体のテレビ放映権収入合計は3,000億円超。

NFLなんてネット配信の収入は10億円程度。テレビ放映権収入は6500億円。

視聴者の関心がhuluなどのOTTへ流出してしまうし、タイムシフト再生でCMはスキップされるし、っていう逆境なので米テレビ局はリアルタイムが何より重要なスポーツ中継と心中しています。


このように、テレビにしろネットにしろ誰が野球を放送するのかメディア間の攻防が、日米で同じようにあります。どっちかが勝てば、どっちかは別のコンテンツで勝負しなくてはいけない。


でも、ボクはテレビ放送もネット放送も両立できるんじゃないかと考えています。

テレビとネットではそもそもユーザ層が違うし、それぞれでできること、できないことも違う。

テレビはやっぱりリビングの中心にあって、ファミリーで会話しながら、食事しながら、といった"ながら"で楽しめる。

それに大画面での臨場感を武器にするには、まだテレビは十分優位性がある。

対象も子供と高齢者向け。

一方、ネットの視聴者は若年層が中心。

ネット中継ではリアルタイムな選手データ・他球団情報や、他の視聴者同士でのコミュニケーションといったその試合以外のコンテンツの提供もシームレスにできる。

また、リプレイ、別アングルでの視聴、好きな実況・解説者を選択、など個人の興味に沿ってカスタムした視聴もネットでは実現できる。


広告についてもマス向けはテレビは今でも最も効果的だし、個人個人の属性・視聴データに基づいた広告、ECサイトへの導線の確保するならネットがいい。


ただ、今はテレビもネットも同じコンテンツを使っているから、スポーツを放送するのはテレビかネットかの論争が出るわけで、それぞれ別商品と考えれば全てのプロスポーツで成長の余地があると思う。

特に日本のプロ野球はテレビ中継に適した、というかテレビ中継向けのコンテンツ作成の場として試合を開催しています。ネットではイニング間の球場の音声とか尋常じゃないほど退屈。球場でテレビCMをそのまま流すのも、高いお金を払って、貴重な時間を捻出してスタジアムにくるファンに失礼。


ということで、今ボクの関心ごとは、

テレビでの野球観戦

ネットでの野球観戦

これに加えて、直接現場に行って楽しむ

スタジアムでの野球観戦

この3つの観戦方法を、それぞれの別の商品として定義すること。

将来的にはこれをつかったビジネスモデルを提唱したい。


これができれば、野球に限らずスポーツビジネスの発展に大きく貢献できると思っています。

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