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単語を覚えるだけじゃダメ、「語彙学習」をしよう!

単語とは意味や機能を持つ小さな単位です。学習者にとって扱いやすいので、言語学習は単語学習から始める方も少なくないのではないでしょうか。

一方で言語は基本的に、という大きな単位よって相手に意味を伝えます。文は単語を並べて作りますがこのときに、単語ひとつひとつが持っている意味とは異なる意味を生み出すことができます。さらに時には、文字通りではない意味を含ませることもできます。

ここから言えることは、単語のひとつひとつの意味だけではなく、単語がいくつか並んだときにどんな意味になるのかも知っておく必要があるということです。

また、文字通りに読めば同じ意味を表す文だったとしても「その言い方は不自然」ということもあります。つまり、よく使う組み合わせも知っておくと良いということです。

そこで今回は、いわゆる単語学習ではなく、複数の単語の組み合わせも含めた語彙学習をすることを提案したいと思います。


語彙学習とは?

語彙学習には次のものを含みます。

  • 単語(Words)

  • 群動詞(Phrasal Verbs)

  • 熟語(Idioms)

  • コロケーション(Collocations)

  • 定型文(Fixed Expressions)

ひとつずつ説明をしていきます。

単語(Words)

単語はみなさんがイメージしているものです。英語の場合には半角スペースで区切られているあれですね。


そして、以下の4つは複数の単語が組み合わさってひとつの意味や感情を表すものを指します。

群動詞(Phrasal Verbs)

群動詞とは、動詞に副詞や前置詞などが組み合わさって新しい意味を作るものをいいます。

例えば「give in」は「降伏する」という意味ですが、「give」にも「in」にもその意味はありません。

また「pass away」は「亡くなる」という意味ですが、「pass」も「away」も単語としてはその意味を持ちません。

熟語(Idioms)

熟語とは、複数の単語がフレーズとなり文字通りの意味とは違う意味を作るものです。

例えば「be dead in the water」は「失敗し、この先成功する望みもない」という意味ですが、文字通りの意味は「水の中で死んでいる」という意味です。

また「to add fuel to the fire」は「状況を悪化させる」という意味ですが、文字通りの意味は「火に燃料を加える」という意味です。
(これに関しては日本語話者なら意味を推測できそうですが!)

コロケーション(Collocations)

コロケーションとはよく使われる語順のことをいいます。よく使われるということは自然に聞こえるということでもあります。また、特定の意味を示すようになったものもあります。

例えば「The company spent a lot on advertising」における「to spend something on doing」は「何かを何かするのに使う(費やす)」という意味を表すコロケーションです。

また特定の意味を示す例として、「stray bullet」は「意図していなかった標的に当たってしまった弾」という意味を表します。日本語で言うところの「流れ弾」に近いです。

また私は上記に加えて、いわゆる文法書で学ぶようなものもコロケーションの一種であると考え、ひとつの単語のように覚えるようにしています。
例えば、

I want to ...
I am going to ...
Can you ... ?
I should have ...
There needs to be ...
What I want to say is ...
… more or less the same as ...
… that it is hoped will lead to ...

のような切り出し方をします。

最後のひとつはかなり極端な例ですが、このような語順があるということを覚えていることは、英語を使うときにとても助けになっています。

定型文(Fixed Expressions)

定型文とは、特定のシチュエーションで使われる決まり文句のことです。
例えば、

It's been a long time!(久しぶりだね〜!)
What are you up to?(ここんとこどうよ?)

のようなものです。

これらはアレンジする余地が少なく、このまま使わないとただただ不自然になるだけです。


言語学習はいろいろやらなければならないことはありますが、最終的には暗記ゲーです。

だからこそ闇雲にするのではなく、
何を暗記するか?
どの単位で暗記するか?
どのように暗記するか?
について、こだわって作戦を立てるべきです。

私は最近、これについて考えることが、本当の言語学習であるとさえ考えています。学んでいる言語の特徴を適切に理解していないと、効果的な切り出し方はできないからです。

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