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出来ない人の気持ちになって考える

吹奏楽がうまい高校として選んだKM高校。
高校一年の担任は、現代文を担当している通称YさんことY先生だった。

Yさんは、最初は高専に入り理系を全うしていたのだけれど、段々、理系向いてないと思い、高専を退学し、1浪し国立大文学部に入ったそうだ。

私は国語、特に現代文がとても苦手だった。テストでの作者の意図とか全然わからず、中学の時は真面目に聞いてノートをちゃんと取っていても10段階中4だった。こりゃまずいと母がバイトで先生をしている公文式の国語を習わせて標準レベルに入ったとは思ったが苦手意識はかなりあった。

Yさんの教え方は、国語が出来る人が教えるのではなく、一旦、イチから文系をやり直した目線なので、教え方がわたしの頭でも、とても分かりやすかった。
高校から私の成績は6か7に上がった。その後、2年3年になり先生が変わっても成績は下がらなかった。

ちょっと前に同級生が教師を辞めた話を聞いた。
彼女は運動神経抜群で体育の先生になるのが夢だった。
実際、体育大を卒業し、念願の体育の先生になった。
しかし、生徒が彼女を見下したのか、彼女についていかなかった事で
鬱になり教師自体を辞めてしまったとのこと。

それを人づてに聞いて、彼女は、体育が嫌いまたは苦手な生徒に
どうやって接していたのだろう。と、思ったのだった。

もう一人、1年の時の副担任でいい大学の英文科にとんとん拍子で
卒業し先生になったI先生。
正直言って、教え方が分かりにくかった。一生懸命教えてたのは、生徒側から見てわかるのだけど、さっぱりで、うーん状態。
英語は嫌いじゃなかったので、一夜漬けしても現代文よりも良い成績を取れたけれど、なんだかなぁって思ってた。
そんな事をご本人も感じたのか教師を辞め、ミュージシャンとなっていた。
吹奏楽の仲間のバンドの一人だそうで、一度、顔を合わせた事があるが、I先生は全く私の事をおぼえていなかった。無理もない、再会したのは高校を卒業してから10年以上経っていたし、そんなに仲良くなかったから。

運動神経抜群な友達とI先生の共通点は、自分の得意分野なだけで、それをどうやってアウトプットして相手に楽しさなどを伝えるかが出来なかったのではないかと思った。教えるのって大変だ。相手に自分の事を理解させないとわからない。それだけの理由じゃないのかもしれないけれど、教師って
自分がその教科が得意だから、先生になろうと思う人もいるのではないだろうか。

「なちょって、クレーム全くないんだよ。」
以前の仕事、クレジットカード勧誘で、件数をかなり獲得してるアラサー男子はクレームが非常に多かったそうだ。
それは、カードのメリットばかり伝えて、肝心なところはあまり案内していなかったとの事。
わたしの場合は、要注意な文書を読む際に、そのまま読むだけでなくわかりやすく要約してお年寄りに理解させてた。
クレームが無いのは普通と思っていたが、相互理解無いとやっぱりクレームに発展してしまうんだなって思った。

わたしは、全然、頭が良くないし要領が悪いので、勉強を教えたり、人の上に立つことはあまり無いけれど、影の存在として、常識的にヤバいだろうって思う事を角やプライドが立たないようにこっそり教えるようにしている。

他の仕事で某所で受付を担当していた同僚が高卒入社の新入社員。
高校生でも化粧をされている昨今ながら、全く化粧っ気が無い子だったので、「受付はここの顔なんだから薄化粧をするんだよ。」と、
さりげなく教えた。
けれど、一向に化粧をしてこない。肌がきれいだから口紅かリップだけでも良いのに…。
とりあえず、ドラッグストアに置いてあった「ちふれ化粧品」のカタログを渡して様子を見た。
何も反応が無いので諦めモードに入ってたら
「今度、お母さんと化粧品買いに行くんです!」と急に報告をされた。
この時、初めて自分の気持ちが通じたと思ったのだった。

この先、どんどん年を取るにつれて、人に教えることがあるかと思う。
相手の目線、自分の目線、いろいろな立場を考えながら話していこうと思った。

そんな考え方をYさんはわたしに教えてくれたのだ。
Yさん元気かな。
高校を卒業してからお会いしてないけれど、お元気でいて下さい!

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