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なにげなニュース:「チャレンジ」を想起させる既視感(ビッグモーターと永守氏)

お金儲けの一番簡単な方法は「法律を守らないこと」である。
なぜなら、自分たちだけが有利な環境でビジネスができるからだ。

■利益至上主義

他の経営者は非難だけしていればすむのか?
他人ごとなのか?

○ビッグモーター「利益至上主義」 異動社員が不正広める
2023年07月22日

中古車販売大手ビッグモーター(東京)による保険金の不正請求問題で、元社員の男性が22日、千葉県野田市で報道陣の取材に応じた。男性はビッグモーターが「利益至上主義でブラック企業だった」と指摘。全国の拠点で不正が起きた背景について、「異動をきっかけに波紋のように広がった」と語り、不正の手口などが異動した社員によって伝えられたとの見方を示した。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2023072200331&g=eco

報道を見る限り、社員には法律を破ってでも儲けることを供用する組織風土であることが不正の根源にあるようだ。あなたの会社はそうでないことを自信を持って言えるだろうか?

■チャレンジ

大分時間がたっているが、東芝の不正問題で、社長が「チャレンジ」という言葉を使ったことが話題になったことがある。「チャレンジ」とは、未知のことに挑戦し新たな発見や顧客への価値提供を創り出すことではない。売上達成のための意欲的な活動を社員に求める言葉であった。

同じである。

何らかの目的を持って社会に価値を生み出すのが企業の責務である。そのために利益を創出することは必要だろうが、それは「生存のための制約条件」であり、目標でも目的でもない。

企業が社会に価値を生み出す活動を支える要素として「ヒト・モノ・カネ」がある。経営者はこれらが最適な状況に置かれるように腐心すべきである。したがって、経営者が口に出すべきは「環境」についてであり、結果としての「利益や売上」を口にしてはならない。

なぜならば、経営者が「金」を口に出した瞬間、部下も「金」を優先した行動を取る。それは不正の温床となる。

■幼稚な価値観

マズローの5段階欲求説ではないが、最も初歩的な動因は「生存」である。
無視して良いわけではないが、これを優先する企業は「心根がまずいしい」と感じる。

○日本電産に疑惑、自社株買いに永守会長が関与か
株価至上主義が招いたインサイダー取引の疑い
2022/10/07

日本電産グループの全幹部が参加する幹部会議や役員宛のメールで、「Q1(=第1四半期の業績)未達なら退職退任を自ら申し出るのが常識ある人の判断だろう」「もう辞めたらどうや」「日産のナンバー3というからどんだけのものかと思っとったが、こんなものかと失望した。私の55年間の経営者人生で、これほどの大失敗人事をしたことはない」など、関氏を罵倒する発言を繰り返している。

https://toyokeizai.net/articles/-/624236

昨年の記事ではあるが、この人の口に出すのは「生き残る」ことと、そのための「金」である。はたして、この会社に未来はあるのだろうか。

この企業については、規模の拡大に余念が無いようだ。

○ニデック永守氏が「敵対的でもほしい」企業の実像
工作機械の買収で狙うのは岡山県の「TAKISAWA」
2023/07/21

工作機械業界では、社数を集約すべきという共通認識が長らく持たれてきた。「日本の工作機械メーカーは数が多く、世界的に戦うには集約しないといけない」(工作機械を手がけるメーカーの社員)。

ただ、総論としては社数の集約に賛成でも、いざ自身が買収される立場となると、各論反対となる可能性は十分にある。TAKISAWAも昨年はニデックからの資本業務提携を断っている。

https://toyokeizai.net/articles/-/688449?page=3

お金が優先する企業は、相手先に対するリスペクトはない。
安易に撤退するリスクもある。

○日本電産、業績急悪化に潜んだ巨額買収のツケ
ヨーロッパ買収企業が顧客とトラブル、損失に
2023/02/10
https://toyokeizai.net/articles/-/651556

忘れてはならないのは、幼稚な価値観を持っている経営者は。自分は悪くない、悪いのは相手だという思考になりやすい。

巻き込まれるのはいやだと声を上げないと不味い。

<閑話休題>

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