「宇宙兄弟」を読むのやめた理由を唐突に

 かつての友人に勧められて読んでいた「宇宙兄弟」、ある時から全く読まなくなりましたよ。理由は1つ。物語が「リアルタイム」で動いている気がしたからです。「2025年」が舞台のお話なのに、ですよ。

 いま、3Dプリンターが話題になってるじゃないですか。その同じ話題が「宇宙兄弟」でも取り上げられていたわけですよ。作るのが難しい機械を3Dプリンターで作ればいいというアイデアを主人公が出して。そして、それが物語の中で絶賛されている。「2025年」が舞台なのに。今から11年後の未来なのに。地球上で最も進んだ技術力と科学力、そして想像力を持っている組織の1つである「NASA」の人間が、今から11年後に「3Dプリンターがあれば大丈夫だ!!」的なセリフを言うと思いますか?というね。

 そのお話まではとてもおもしろく読んでいたんですよ。限定版買って、白いだけのジグソーパズルとか必死にトライしてました。でも、たったそれだけのエピソードで、簡単に興味を失いました。ほんと、簡単に。

 その話の少し前に、主人公が月面訓練(深海の施設で)で好成績を上げるんですよ。訓練の様子を見ていた審査官が「(主人公が)一番月面を意識していた」というセリフを言うんです。すごい良いシーンでしたが、今から思えば僕はこう思っています。「宇宙兄弟の関係者で一番月面に居なかったのは、担当編集だ」と。

 惜しい漫画でした。

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