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Nadaraka cycling club をつくるまで #2

「なだらかな坂を上ったり下ったり
変化を受け止め、自由な自転車活動を」
Nadaraka cycling club をつくるまでの
プロセスの記録

新しい発見のはじまり

今から10年半前。夫が、「一目惚れした」と突如ピストバイクを購入し乗って帰ってきた。彼はその前年ロードバイクに乗り始めたばかり。
私は「え?なんでまた同じような(当時はそう見えた)自転車増やす???」と、理解不能に陥った。

が、次の瞬間、私も魅了されてしまった。
機能的なことはわからずとも、クラシックでスポーティーで、かわいくて格好いい!革のサドルや各所にスモーキーな差し色も素敵。
こんな自転車あるんだ!!と心が大きく揺さぶられた。

そのバイクを買った自転車店では、パーツ選定や色合わせなど、オリジナルで組まれることが多く、車輪も手で組まれていたりする。
イキイキとした存在感を放つ自転車がたくさんあって、何より、みなさんがとっても個性的!

何台かのスポーツバイクに乗ったことはあったけれど、
ここまでの感情の揺さぶりは、はじめてだった。
私も自分らしい1台に乗ってみたい!と
ワクワクが芽生えて、とまらなくなった。

深緑色の自転車

1か月後、私はそのお店で深緑色の自転車を選んだ。荷物がたくさん載せられそうなことと、好きなフレームカラー。
他の詳しい特徴は理解できなかったけれど、
長く乗れそう、乗る、と確信していた。

その頃私は体調を崩すことが多く
不安定な日々を送っていたけれど、
自転車と自転車にまつわる人々との出会いが
徐々に大きなよりどころになっていった。

家族で近くを走ったり、
長距離のライドイベントに参加したり、
通勤や買い物で使ったり、
トレーラーをつけて子供を保育園に送ったり。
すこしずつ、日常に変化が生まれた。

運動が苦手などと決めつけて
あきらめていた自分のなかにも
もしかしたら
エネルギーがあるのかも?
自転車でならば、放出できるのかも…?と。

40歳記念・長距離1人ライド

それから2年経ち、
1人で長めの距離を走るプランをたてた。
電車や車でしか訪れない場所へ、単独で到着してみたかった。

名古屋から約70キロ、豊橋の友人宅への片道。
家族ぐるみのおつきあいなので、
行きは私だけが自転車、
帰りは夫と息子と一緒に車で帰宅することにした。

40歳の誕生日の節目に、
どうしても挑戦したい大冒険だった。

道に迷いやすいタイプなので
紙に地図を書き予習を。
すぐお腹がすくので
気に入った補給食も。

輪行もしたかったから、
「岡崎-蒲郡」間は、電車に乗ることにした。
ショートカットになるようなならないような
途中の距離だけなんて
振り返ると、かえって大変なプランだったけれど
チャレンジすることが楽しかった。

当日は名古屋から岡崎まで走り、
輪行バッグを肩から下げて電車へ。
蒲郡で降り立ち自転車を組み立て、
少し寄り道して海岸と竹島へ向かった。
観光客も多くて、
1人で自転車で来たんだーという実感が湧いていた。

全体的に走りにくい道もたくさんあったけれど、
適度に雲が出て快適なお天気だった。
「豊橋市」という看板を通りすぎると
じわじわっときた。
ゴールでは盛大に友人たちと家族がお迎えしてくれた。バースデーケーキとおいしいご飯も。

遠くへ来たんだな、
来れるんだな、
わが家から友人宅まで
道はちゃんとつづいているんだなと
体感した忘れられない一日だった。
































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