マガジンのカバー画像

エッセイ&コラム(しっかり)

36
その日、もしくは前日に感じたことを「しっかり」と、 ときには前後編や①と②などに分けて、まとめた文章です。 推敲した最終稿をここに載せます。 <これまで【note】に綴った日記… もっと読む
運営しているクリエイター

2017年10月の記事一覧

小夜子さんと純愛について

小夜子さんと純愛について

今日は、姜尚中(カン・サンジュン)氏の『大人の文学〜夏目漱石の世界』と題した講座へ出かけた。全三回の第一回は「男と女」がテーマだ。

小学校6年の頃だったと思う。何度となく『日記』を書くことに挫折していたわたしは、「誰かに宛てた手紙なら書けるかも」と、“小夜子”という架空の人物に宛てた、手紙のような日記を書いていた時期がある。書いていた時期、というとけっこう続いたようだが、その後何年かして当時のノ

もっとみる
noteに毎日書くのは… ②<rules>

noteに毎日書くのは… ②<rules>

noteは、木庭撫子HPの「しあわせのかけら」と題した日記のページとリンクして、ブログのような役割を担っている。

HPを立ち上げたとき、毎日必ずこのページは更新しようと決めた。
「一日一善」ならぬ「1day1note」である。

不測の事態が起きて途絶えるかもしれないけれど、どんなに忙しくとも、1行でもいいから書くことにしている。

そして、実際にコツコツ書いているうちに、なんとなく、自分なりの

もっとみる
noteに毎日書くのは… ① <duty>

noteに毎日書くのは… ① <duty>

「ゆいこ(本名)ちゃんは何でnoteを始めたの?」
昨夜の二次会で思いがけず、先輩女子に問われた。「なんか野望とかあるわけ?」

毎年、10月生まれの友人知人を集めたパーティーに参加している。
初めは数名のこじんまりした会だったのだが、「10月生まれなら誰でもOK!」というオープンな異業種交流の場として、年を重ねるごとに友達が友達を呼び、7年目を数える今年は50人ほどが集まった。それはそれで新しい

もっとみる
最後のカレー

最後のカレー

夫の父は、96歳。
旧制の熊本薬学専門学校(現熊本大学薬学部)で学び、衛生兵として戦争へ赴いた。卒業を早めての出征だったという。
南方のスンバ島で抑留され、終戦を迎えてもしばらく帰ってこられなかったと、その頃の話をよく聞かされた。辛く過酷な体験を語るときはいつも最後に、ニコッと目を細めて「へへ」っと笑う。

熊本へ帰省すると必ず、義父の好物のカレーを作る。抑留時代の、イギリス兵にもらった本格的なカ

もっとみる
謎は1つではない。

謎は1つではない。

昨夜11時を過ぎた頃。
高校時代の同級生たちと、久し振りに食事を楽しんだ帰りのことだった。
家が近く電車が同じ友人と地下鉄に入った。
私たちのほかには、誰もいない。
よし、今だ!とばかりに彼は携帯を出し、写真を撮り始めた。
「?なに撮ってるの?」
「手すり」
見ると、階段の手すりがウェーブしている。
それも小刻みに。

「え?なんで?」わたしは思わず声をあげた。

「前から気になってたんだけどさ、

もっとみる