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エッセイ&コラム(しっかり)

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その日、もしくは前日に感じたことを「しっかり」と、 ときには前後編や①と②などに分けて、まとめた文章です。 推敲した最終稿をここに載せます。 <これまで【note】に綴った日記… もっと読む
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#富良野塾

88年の秋、ある一日

88年の秋、ある一日

新元号が『令和』に決まった。
30年前、『平成』のときは何をしていて何を感じたか。
思いを馳せている人も多いと思う。

わたしは当時、富良野塾の塾生だった。
富良野塾とは、役者とシナリオライターを養成する脚本家・倉本聰の私塾である。ドラマ『北の国から』のような手作りの丸太小屋に住み、皆で共同生活を送っていた。

新聞もテレビもない場所だった(正確にいえば郵便は配達されていたので、新聞は個人で希望す

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風太郎がやってきた。

風太郎がやってきた。

わが家に「風太郎」がやってきた。

富良野塾後輩、高木誠君の作品である。
昨年クリスマスに日本橋三越本店で行われていた展示会で購入し、年末には届いていたのだけれど、正月の鏡餅や花などもあり、置き場所に悩んでしまって、ようやく今日、窓辺のいちばん風通しの良い場所に飾ることができた。
風太郎の居場所が決まった、というわけだ。

誠君が名付けた「風太郎」は、富良野の野山を駆け回る妖精である。
いたずらっ

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