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感想文(映画・ドラマ・本などいろいろ)

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なにかのコンテンツを観て、読んで、感じた『感想文』です。 感想、なのであまり推敲していない場合もあります。ご容赦を。 <これまで【note】に綴った日記をカテゴリー分けしまし… もっと読む
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記事一覧

E-13で得たモノとは

E-13で得たモノとは

渋谷のユーロスペースで行われていた『トーキョー ノーザンライツ フェスティバル2018』、最終日の最終回。

今年のデンマーク映画は2本。
「プラハ」と「チーム・ハリケーン」。
マッツ・ミケルセン主演の大人の夫婦ドラマ「プラハ」も観たかったけれど、時間が合わず。ようやく最後の「チーム・ハリケーン」には間に合った。十代の、心に不安を抱えた少女たちの日常を描いた作品らしい。

夜9時からの上映前に

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想定外の出会い

想定外の出会い

きのう出掛けた帰り。
新宿の紀伊國屋書店に立ち寄った。

父に頼まれた数冊の歴史書(蘇我氏とか藤原氏とかの本)を買うためだったが、ここへ行くと必ず「想定外」の本を物色したくなる。

基本的に書籍はネットで購入することが多いので、ピンポイントで欲しい本をポチっとすることに慣れてしまった。それはそれでとても便利ではある。けれど本屋に立ち寄る機会がめっきり減ったので、「想定外」の本に出会えない。

ぷら

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120分の1

120分の1

夕方、ようやく締め切りの原稿をあげて一息つき、携帯を見たら、いつになくnoteの反応があった。しかも少し前に書いたものに「スキ」が増えている。

どうしてだろうと思い調べてみたら、今週の「#コンテンツ会議」で取り上げられていた。

選んで頂いたのは、以下のnoteである。

昨年の10月1日から、毎日書き始めてまもなく4ヶ月。
今日のこのnoteで、121日め。
note公式に選んで頂いたのは、お

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小劇場の熱を求めて

小劇場の熱を求めて

初めて小劇場の芝居を観たときの衝撃。
19歳で感じたあの興奮を、わたしは忘れない。

たしか、1986年の秋ごろだったと思う。
たったひとりで、名古屋の大須にある古ぼけた小屋へ足を運んだ。

南河内万歳一座『唇に聴いてみる』。

おそらくなにかの演劇雑誌で公演があることを知ったのだろう。当時は「演劇ぶっく」を愛読していたからそこに載っていたのかもしれない。わたしはごく普通の短大生で、他大学のサッカ

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オリジナル脚本だからこそ

オリジナル脚本だからこそ

日本のテレビドラマは、小説や漫画原作による「脚色」が圧倒的に多い。
わたしはオリジナルこそが脚本家の真髄であり「脚本」だと思っている。

かつて原作のあるサスペンスドラマを多く書いていたわたしは、まったくゼロから自分の力でストーリーを構築する「オリジナル」を書きたかった。だからこそ、脚本家の力量が問われるオリジナルの難しさを、「書く側」からも実感している。とくに日本では、オリジナルを書いてもプロデ

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初笑いは初落語

初笑いは初落語

タイトルに「初笑いは初落語」と書いたが、正しくは初・桂文枝である。

落語はこれまでにもテレビで観たことはあるし、ナマで聴いたことも数回はあると思う。だが、面白いと感じたことは一度もなかった。

だから、落語好きの夫に何度誘われても「わたしは行かない。興味ないし」と断り続けてきたのだが、今年は「行ってみる」と返事をした。結婚十何年目かにして初めて行くと言ったのだから、「ホントに?チケット買うよ?い

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小明(シャオミン)

小明(シャオミン)

それは、嘘よ。
努力すれば未来は変えられる?

何も変わらないって、
あなたもわかっているくせに。

綺麗ごとはいらない。
安らかにねむりたい。

欺瞞に満ちたこの世界で
信じられるのは、わたしだけ。

空しさを重ねて捨てて
ただ生きる夜があるだけ。

闇も死も
暴力も恫喝も
豊かさも愛でさえ
怖くなんかない。

怖いのは、そう、
たぶん、わたし自身。

映画『牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件』

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ポワロとポアロ

ポワロとポアロ

わたしにとって名探偵ポワロといえば、NHKで放送されていた英国ドラマの、デヴィッド・スーシェが扮する『ポワロ』である。
吹き替えの熊倉さんの独特な声がぴったりはまっていたのも理由の一つだけれど、灰色の脳細胞を駆使しながら、相棒のヘイスティングス君と事件を解決するのは、おでこが丸くてちょび髭がチャーミングな彼をおいてほかにはいない。はまり役とはこのことだと思うほど、このドラマと出会ってからは、クリス

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秋の日のヴィオロンの溜め息の

秋の日のヴィオロンの溜め息の

夜、次の予定の前にぽっかりと時間が空いたので、フランソワ・オゾン監督の新作『婚約者の友人』を観た。

シネスイッチ銀座で映画が終わるのが21時5分。汐留に21時半前には着きたかったので、歩くとギリギリかなとちょっと迷い、ほかの映画も探してみた。けれどやはり無理をしてでもコレだな、と。オゾン監督の映画は静かな語り口で押し付けがましくない。毅然とした強さがある。襟を正すような作品が多い。今日はそんな映

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『岸辺のアルバム』

『岸辺のアルバム』

台風一過の今朝。
増水した多摩川で、濁流のなかを救助される男性の様子をテレビで観た。生放送の映像だった。
咄嗟に『岸辺のアルバム』が浮かんで、頭から離れなくなった。

『岸辺のアルバム』は、74年の多摩川水害をモチーフに、ある家族を描いたテレビドラマである。脚本は山田太一。TBSが制作し、77年に放送された名作だ。

当時わたしはまだ子供で、脚本家を目指すようになった高校生の頃にシナリオを読んだ記

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トッケビの雨

トッケビの雨

冷たい雨が降り続いている。
わたしは晴れた日より雪の日より、雨の日が好きだ。

季節も春より秋が好き。だから秋の長雨は大歓迎。
できれば今日のような日は一日中外にでないで、静かに家のなかで、雨の音を聴いていたい。

韓国では鬼のことを【トッケビ】というそうだ。
CS衛星放送で現在放送中のドラマ『トッケビ』では主人公のトッケビ(演じているのは映画『新感染』のコン・ユ)が哀しむと、雨が降る。深く哀しむ

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