その日の日記を、一人称小説の形態で書いたものです。
ノンフィクションです。
推敲した最終稿をここに載せます。
<これまで【note】に綴った日記をカテゴリー分けしました。
そ…
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初めての “sea”顛末【後編】
「さっきね」
ね、と優しく語尾を上げるその若いお母さんの胸には、新しいオムツを穿いた赤ちゃんが、すやすやと眠っていた。
「女の子が『忘れ物だ』って言って、外にいたキャストの女性に渡してましたよ」
お母さんの指は、トイレの外を指している。
「ホントですか!?黒いリュックです、扉にかけたままだったんです!」
「どんな忘れ物かは・・・女の子が言ってたのを聞いただけで、確認しなかったし・・・」
彼女(と彼
初めての “sea”顛末【前編】
冬晴れの日曜日。
仕事で初めて『東京ディズニーシー』へ。
慣れないリュックを背負いながらも、意気揚々とディレクターやカメラマンとのロケハンに同行した。
わたしはなるべく現場へ行って、自分の目で確かめてから原稿を書きたい。ふつうはロケハンには作家は同行しないのだけれど、可能な限り行くことにしている。
やはり行って良かった。
取材だったので、アトラクションにはほとんど乗らなかったものの、ランドとの