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エッセイ&コラム(あっさり)

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その日、もしくは前日に感じたことを「あっさり」短めに、 まとめた文章です。 推敲した最終稿をここに載せます。 <これまで【note】に綴った日記をカテゴリー分けしました。 その… もっと読む
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2018年2月の記事一覧

バレンタインデー 2018

バレンタインデー 2018

夫はチョコレートが好きである。
わたしもチョコレートは好きである。
それなりに、ほどほどに。

だからこの時期、デパートで繰り広げられるチョコレートフェアに足を運んで大人買いをするほど熱狂的でもないけれど、バレンタインの限定チョコは一応買ってみたいし食べてみたい。

そこで、今年はこのチョコレートを。
夫へのプレゼントとして。もちろんわたしも味見させて頂くつもりで(笑)

じつはこのピンクの箱、か

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梅とワイン

梅とワイン

連休中日の日曜日。
わりとお天気も良く、寒さも和らいでいたので、夫婦で都内をよく歩いた。

まずは羽根木公園の『世田谷梅まつり』へ。
様々な種類の梅が咲き揃い、人々が賑わうこの梅まつりは1ヶ月ほど続く。

毎年わたしたちが訪れるのは、2月の初め。まつりの最初の週末あたりだから、梅はまだ見頃ではなく満開には少し早い。

「行こうよ」と誘うわたしに、夫はいつも「いいよ」と付き合ってくれるので、彼の好み

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想定外の出会い

想定外の出会い

きのう出掛けた帰り。
新宿の紀伊國屋書店に立ち寄った。

父に頼まれた数冊の歴史書(蘇我氏とか藤原氏とかの本)を買うためだったが、ここへ行くと必ず「想定外」の本を物色したくなる。

基本的に書籍はネットで購入することが多いので、ピンポイントで欲しい本をポチっとすることに慣れてしまった。それはそれでとても便利ではある。けれど本屋に立ち寄る機会がめっきり減ったので、「想定外」の本に出会えない。

ぷら

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クリームシチューが食べたくて

クリームシチューが食べたくて

冬は、クリームシチューの美味しい季節。
子供の頃から大好物なのに、自宅で作るのはたぶん2回目だと思う。
新婚当初に作ったら、夫からまさかの「苦手なんだよね」発言があり、以来、わが家のメニューから消えてしまった。彼はホワイトソースがダメらしく、だからグラタンもクリームパスタも食卓に上げたことはない。夫婦ふたりの生活だし、わたしが食べたいときは外で食べようとあえて作らなかったのだが、先日唐突に「クリー

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道をそれる勇気

道をそれる勇気

夕暮れ時。富士山に出会った。
自宅から歩いて数分の場所で、こんなに綺麗に顔を覗かせていたなんて。この街に10年以上住んでいるけれど、初めて見る景色だった。

じつは今日は、一度も行ったことのない近所のクリニックへ。最近、寒さが増すごとにひどくなる肩こりの相談をするために足を運んだのだが、住宅街にひっそりとあるそこは、普段よく通る大通りから少し脇道に外れた場所にあった。

診察を終えると日が暮れてい

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5日間の探しもの

5日間の探しもの

2月1日から、新調した財布を使い始めている。

春(「張る」)財布という迷信を信じ、去年のうちに買い揃え、使う日を待っていた「長財布」と「小銭入れ」があった。しかしいざ使おうと思ったら、小銭入れがない。長財布と一緒に買ったので、同じ場所にしまっておいたはずなのに、忽然と消えてどこにも見つからなかった。そこで、仕方なく長財布だけ先に使い始めていた。

探しものは、無理に探さないことにしている。

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一陽来福

一陽来福

節分の今日。例年通り、豆まきをした。
夜、夫婦で玄関のドアを小さく開け、「鬼は外、福は内」と唱えつつ、一握りの豆を撒く。
消え入るような微かな声で。そーっと。

近所迷惑にならないように、と周りを気にするからだが、それ以上に気恥ずかしいせいもある。
子供のいない中年夫婦が、嬉々として豆まきに興じる姿を、誰か(とくに隣の奥さん)に見られるのは、なんだかちょっと恥ずかしい。

それでもわたしたちは、節

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恋しい葱湯

恋しい葱湯

わたしの暮らしは、葱とともにある。

台所に切らしたことはないし、一日の食事で一度は口にする。無くてはならない存在だ。

幼い頃から風邪をひくと、かならず『葱湯』を飲まされた。刻み葱をたっぷり入れた湯呑みに、熱々の白湯を注いで塩を入れる。そんな、ごくごくシンプルな『葱湯』。

湯気から漂う葱の香りを嗅ぐだけで、鼻づまりも喉の痛みも軽くなる気がした。
そういえば冬の寒い時期は、白湯が夕食の鍋の残り汁

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